597 :エルメロイ物語 ◆M14FoGRRQI:2009/01/22(木) 21:03:41
「ほら、見てごらんルヴィアちゃん。あれがここの学生プロレスのウォームアップを
かねた伝統芸能『パンツはぎデスマッチ』だよ」
「お母様と叔父様から聞いた事ありますわ。実在するとは思わなかったけど」
攻め手がホイホイチャーハンと叫べば受け手が歪みねぇなと答える伝統的光景。
時計塔の日常的なこの風景も今日は気合が五割増し、なんせ彼らの目の前で見学している
少女の叔父は先代のチャンピョンで少女の母もまた伝説のチャンピョンとして時計塔プロレス
の歴史に名を残している。自然と尻穴も引き締まると言うものだ。
「いつもは人でなしな部長が優しくてヤラシー、部長はロリコンなのかなー、ねえゴリ?」
「ウホ」
新聞部部長の右隣のお気に入りポジションをルヴィアに取られた部員はご機嫌ナナメ。
いつもは言わない部長の悪口まで飛び出す。
「なあブィン君、誤解しないように言っておく。私はこの少女にそれなりの権力があるから
丁寧に接しているだけであり、決して彼女が性的に興味深いからこう接しているのではないよ」
「それじゃあ部長さんはもし私が普通の魔術師の家系でしたらどう接するのですか?」
「取材に邪魔だから前歯全部折って叩き出ぁぁぁぁぁぁす、それが報道のジャスティス」
ルヴィア座ったままの姿勢で2メートル横にジャンプ。すかさず新聞部員が間に割り込んだ所で
パンツはぎデスマッチが終了し、リングの外に全レスラーが並び報道陣と見学者(総勢三人と一匹)
に挨拶する。
「オス、見学ありがとうございます」
「あ、どうも。今日は2000試合の無敗記録が途絶えたネオちょっちゅね団の
現代表パトリシア氏の転落していく様を取材しにきました」
「そうか、帰れお前!」
「ルヴィアちゃん、間髪入れず突っ込んだこの人が時計塔プロレスの代表の
パトリシア・コーラルサワーさん。昨年は君の叔父さんの子分をやっていた人だよ。
彼女がせせこましく勝ち続けるせいでここ数ヶ月記事のパターンが同じになり
我々としては非常に喜ばしくない事態だった・・・そうだ」
ティンと音がして新聞部部長の頭の上に電球が光る。
「なあ、ネオちょちゅね団リーダーちちょまんちパティ対前代表ちゅちゅねエダブエの
姪の戦いを見たくは無いかな?」
「ぶ、部長さん、突然何を言ってるのですわ?」
「君が勝てば今度のスポーツ記事は『爆笑!学生プロレス団長小学生にボロ負け!』
ちちょまんちパティが勝てば『非道!学生プロレス団長子供に暴力!』」
「アタシがやらないと言ったら?」
「『これが真相!ちちょまんちパティが戦った2000試合は全て台本通り!
本人の実力は小学生相手に土下座して逃げ出す程度!』でいくとするか」
「キャー素敵!それでこそ部長!」
「アタシニフリナキジバッカカイテンジャネー!」
パティの怒りのプンプン感情が爆発だ!
「オマエノカツヤクナドミンナアキアキナンダヨー!」
新聞部部長のマンネリへのグジグジ倦怠感も爆発だ!
「オジサマノコブントキイテムネヲカリタイキブンデスワー!」
ルヴィアの喜びのワクワク期待も爆発だ!
刹那―ゴシカァン。
「オス団長、リングが突然のゴシカァン爆発しました」
「「「んなにぃー!!!」」」
突如降って来た人間二人分ぐらいの質量を持った赤い物体の直撃により
プンプングジグジワクワクがまとめてゴシカァン。
無論その正体は人間二人分の赤いのである。
頭から大量の血を流しふらふらと立ち上がるラマン(肉)&ヤマン(霊)。
顔まで真っ赤でもう遠目ではますます判別が困難になった二人にさらなる悲劇が。
【君のジャスティスを見せてくれ!】
は!:ルヴィアの足固めを見るのはこれで二度目だった。
か!:アラ・ゼブラ直伝の技はとにかくすごかった。
た!:ゴリラがゴリラなのに蛇のような動きで二人をかっさらっていった。
の!:学生新聞のインタヴューはすごくしつこかった。
最終更新:2009年04月04日 16:41