684 :エルメロイ物語 ◆M14FoGRRQI:2009/02/28(土) 22:17:21
プロレスはスウェーデン貴族の嗜みである。本当はそうではないかもしれないが、
幼いルヴィアにとっては紛れもない真実だった。今、その嗜みをぶっ潰した
ラマン&ヤマンに対してルヴィアの怒りが静かに爆発する。
「おーじーさーまーたーち、ちょっと質問宜しいでしょうか?」
「「は、はぃ?」」
推定6歳前後の幼女から出たとは思えないドスの聞いた声にビビリまくりながら
答える崩壊したリング上の二人。いやな予感に汗が止まらない。
「貴方は正義の味方の?」
「ゲミ・ラマン!」
「エミヤーマン!」
突然の質問に反射的に答える二人。取ったポーズは寸分たがわず同じだったが、
エミヤーマンの方からは爆発のエフェクトが発生している。
「よし、取りあえずそっちの背景爆発させた方からお仕置きですわ。
貴方は他にも色んな人に迷惑掛けているみたいですしね」
ルヴィアの足固めを見るのはこれで二回目だった。その小さな体からは想像もつかない
熟練した動きでエミヤーマンの足を捻り上げていく。そのムーブにほほうと関心の声を上げる
プロレス団体と新聞部。
逃げるなら今だった。
「キャー、もう片方の赤いのが逃げたわ!ゴリ、追いかけて!」
最初に気付いた新聞部の女学生が自分の使い魔に命令を出した時には既にラマンはリングから
50メートル以上離れていた。ボロボロの体に鞭打ち必死に加速したのだ。
(くそ、何でこんな事に―、僕は体を直しにきたはずだったのにあの変な赤いののせいで!
一体親からどんな教育受けてるんだあいつは!)
逃げながら心の中で自分のそっくりさんに悪態をつく。とにかく今は追いかけてくる相手を
振り切り人気の無い場所で体を休めてから今後について考えなければならない。
だが、悪い事は続くものである。
最終更新:2009年04月04日 17:22