697 :エルメロイ物語 ◆M14FoGRRQI:2009/03/17(火) 15:08:43 ID:eWl5Qrhg0

後ろから迫るゴリラ、場所は自分が始めて踏み入れた時計塔、
二人の距離はわずか50m、魔力はすっからかんで体打ったしあちこち痛い、
口の中も切れた。逃げれるかどうかと聞かれたら、主人公補正でもない
限り逃げる事はできないだろう。

「へっくし!」
「風邪かウェイバー?」
「うーん、僕の事誰かが噂しているのかも」

ゲミ・ラマンに主役補正は掛からなかった。プロレスリングからは
見えないところまで逃げた所で柔術家のごとき動きでタックルされ捕まってしまう。
馬乗りになったゴリラがラマンの顔を品定めする様にじっと見てから口を大きく開ける。

「タイムタイムタイム!僕は食べても美味しくないよ!」

魔力0・弾薬0・ナオン0、ラマンにはこのゴリラを押しのけ逃げ続ける力は何も無い。
最後の手段、日本男児の必殺技である腰の低さをフル活用していると、ゴリラから
『日本語で』質問がきた。

「その謝り方、やっぱり、貴方は日本人ですね?」
「・・・?」

ゴリラの口がさらに開きついに顎が外れてしまう。しかしさらに、口は開いていく。
やがて口の上半分が完全に空を向いてしまった時、口の奥からは東洋風の少年の顔が
現れていた。

「き、着ぐるみ?」
「日本人、ですよね?日本に帰るにはどうすればいいか教えてもらえませんか?」
「はい?」
「お願いしますっ!!ここから出してください!!」

少年はゴリラの着ぐるみの腕でラマンの両肩を押さえつけながら必死に頼み込んでくる。

「わ、わかった。とりあえずそっちの物影に行こうじゃないか」
「はい」

この少年、葛木宗一郎がゴリラの変装をしてロンドンに来てしまったのは実に
聞くも涙語るも涙の物語が存在する。

「僕は―」

【君のジャスティスを見せてくれ!】
ドラゴンアタック:日本のどこかにある葛木の里の葛木族(絶滅危惧種)のお話。
にんげんアタック:何やら語りだした葛木少年に全力で目潰しするラマン。
「隙ありー!!」「ギャー!」そして逃げる。

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最終更新:2009年04月04日 17:39