829 名前: Fateサスペンス劇場 ◆7hlrIIlK1U [sage] 投稿日: 2006/08/14(月) 23:40:51
一、キスをする
優しく。本当に優しく。できる限り優しく口付けた。
「……シェロ」
花が咲いたような笑顔で、蕩けそうに笑うルヴィアゼリッタ。瞳からは大粒の涙が流れ落ち、指先は唇をそっとなぞる。
「―――夢では、ありませんよね」
彼女はそう呟いて、今度は自分からキスをねだった。
……なにか、後戻りできない展開に突っ込んだような気がする。最後のスイッチをポチッと押したようなこの感覚。これからどんな選択肢を選んでも、何時間か後にはみんな裸で眠っているぜ、みたいな。
周りから感じる熱気と情熱。最早逃げられず、逃げたくない。俺自身とても興奮している。たとえ泣いて厭がられようとも、今なら押し倒しかねないほど狂おしく。ならば、さあ―――。
秘密の宴をはじめよう。
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最終更新:2006年09月04日 16:54