
歌を歌えば歌い手と云い、楽器を奏でれば楽師と云う。
歌詞を吟じる作詞者と、リズムを生み出す作曲家。
過去を伝える伝承者であり、宮中にあっては社交家となる。
その口から紡がれるのは、遥かなる物語。
歌詞を吟じる作詞者と、リズムを生み出す作曲家。
過去を伝える伝承者であり、宮中にあっては社交家となる。
その口から紡がれるのは、遥かなる物語。
~踊りへの誘い~
吟遊詩人の分類
一口に吟遊詩人と云っても、時代と場所によってそのあり方は違います。
ここでは詩歌藩国の吟遊詩人を代表的な三つのタイプに分類します。
ここでは詩歌藩国の吟遊詩人を代表的な三つのタイプに分類します。
◆ミンストレル:放浪詩人
目を閉じれば蘇る 青く澄んだ女神のまなざし
やさしい風を受けて 静かにゆれている
やさしい風を受けて 静かにゆれている
それは希望を映す鏡 どんな凍りつく夜にさえ
閉ざされることのない きらめく蒼い湖沼
閉ざされることのない きらめく蒼い湖沼
アウローラ 素晴らしき その輝きは今もなお
アウローラ いつまでも 訪れるものに微笑んで
アウローラ いつまでも 訪れるものに微笑んで
──♪素晴らしきアウローラ(放浪詩人の歌集より)
彼らは旅をして暮らし、求められればどこでもその唄を披露します。
時に酒場で日銭を稼ぎ、村を巡って収穫祭に彩を添え、あるいは道端で弾き語る。
歌うのは牧歌的な民謡から最近の噂やニュース、流行歌まで様々です。
ミンストレルは市井の吟遊詩人、街で見かける馴染みのある職業です。
時に酒場で日銭を稼ぎ、村を巡って収穫祭に彩を添え、あるいは道端で弾き語る。
歌うのは牧歌的な民謡から最近の噂やニュース、流行歌まで様々です。
ミンストレルは市井の吟遊詩人、街で見かける馴染みのある職業です。
◆トルバドール:宮廷詩人
神のまぶたが開きしとき
朝靄の中 謎秘めし貴き御身にまみゆ
彼の君 調べに乗せ紡ぐ糸を我にかけたまう
謎秘めし貴き御身の戯れに
我らはただ木の葉のごとく
甘やかに弄ばるるのみ
朝靄の中 謎秘めし貴き御身にまみゆ
彼の君 調べに乗せ紡ぐ糸を我にかけたまう
謎秘めし貴き御身の戯れに
我らはただ木の葉のごとく
甘やかに弄ばるるのみ
──♪無題(宮廷詩人がある朝の出来事を詠ったもの)
華やかな宮廷を音楽で満たすのがトルバドール、宮廷詩人達です。
その役目は王や騎士の栄光を称え、やんごとなき人々のロマンスを歌い、貴族や客人に歌を供する事。
名のある宮廷詩人は地位と名誉を与えられ、あちこちのパーティーに呼ばれました。
自由に出入りの出来る立場から、メッセンジャーとして振舞うこともあるようです。
その役目は王や騎士の栄光を称え、やんごとなき人々のロマンスを歌い、貴族や客人に歌を供する事。
名のある宮廷詩人は地位と名誉を与えられ、あちこちのパーティーに呼ばれました。
自由に出入りの出来る立場から、メッセンジャーとして振舞うこともあるようです。
◆バード:神殿楽師

──♪蛇神慰詩(カガミイシ……へびがみに仕えし神殿楽師の歌)
神に仕え、神殿に住まう吟遊詩人をバードといいます。
その歌もその演奏も、全ては神と精霊に捧げるもの。
膨大な神話と伝承を暗唱し、特に重要な教えは決して文章に残さず高位のバードから口伝される慣わしです。
その歌もその演奏も、全ては神と精霊に捧げるもの。
膨大な神話と伝承を暗唱し、特に重要な教えは決して文章に残さず高位のバードから口伝される慣わしです。
「──」の物語(*1)
星もまばらな夜だった。
太陽が昇る事をやめた、冬のある日
新月のために月もなく、けれど雪が降るでもなく
大勢の人が集まっていた、わずかな明かりに照らされたそこは
太陽が昇る事をやめた、冬のある日
新月のために月もなく、けれど雪が降るでもなく
大勢の人が集まっていた、わずかな明かりに照らされたそこは
──の丘と云う。
気の早いものから各々に、手にした楽器を演奏し始め、
静かな調べが流れていく、そこは闇の中で
彼ら以外の全てが、白く覆われていた
静かな調べが流れていく、そこは闇の中で
彼ら以外の全てが、白く覆われていた
日頃顔をあわせるものも、そうでないものもいる
この日のために旅から帰ってきたものもいる
常ならば暖かな宮殿で愛を語るものがいる
古い歴史に通じたものもいれば、芸人としか云えぬ者もいる
この日のために旅から帰ってきたものもいる
常ならば暖かな宮殿で愛を語るものがいる
古い歴史に通じたものもいれば、芸人としか云えぬ者もいる
年経た犬妖精が、まだあどけない少年の名を呼んだ
少年がその生き方を始めたのは、半年ほど前のこと
ただ歌うのでもなく。ただ楽器を弾くのでもなく
己のまなざす処を定め、己の寄り添う物語を決めた者がこの丘に招かれる
少年は唄う。己が何者かを、全てその歌で伝えるために
ただ歌うのでもなく。ただ楽器を弾くのでもなく
己のまなざす処を定め、己の寄り添う物語を決めた者がこの丘に招かれる
少年は唄う。己が何者かを、全てその歌で伝えるために
先達は歌を返す。その経験を全てその歌で伝えるために
歌は継がれ、想いは巡る
闇夜の中に歌と演奏が交わされ、新しい仲間の誕生を祝う
歌は継がれ、想いは巡る
闇夜の中に歌と演奏が交わされ、新しい仲間の誕生を祝う
歌はそうしていつまでも
途切れることなく続くのだった
途切れることなく続くのだった
L:吟遊詩人 = {
t:名称 = 吟遊詩人(職業)
t:要点 = 歌う,演奏,楽器
t:周辺環境 = 丘の上
t:評価 = 体格3,筋力3,耐久力2,外見5,敏捷2,器用4,感覚4,知識5,幸運1
t:特殊 = {
*吟遊詩人の職業カテゴリ = 派生職業アイドレスとして扱う。
*吟遊詩人は歌唱行為((知識+外見)÷2)ができ、この時、判定は評価+4される。このとき燃料を2万t強制的に消費する。歌唱行為は何かを調べる場合、交渉する場合、士気をあげる場合に有効である。
*吟遊詩人は白兵戦行為をすることが出来、このとき、白兵戦行為、装甲判定に+3の修正を得て、燃料1万tを消費する。
*吟遊詩人は詠唱戦行為、魔法、に対する防御力があり、対抗する場合の修正+5を得る。
}
t:→次のアイドレス = フラン・ハレス(ACE),名剣月明かり(アイテム),ケルベロスすら眠る竪琴(アイテム),楽聖(職業)
}
文:九音・詩歌、崎戸剣二、豊国 ミルメーク
絵:星月 典子
曲:立花音羽
絵:星月 典子
曲:立花音羽