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龍の乗り手

最終更新:

rilyuuguu

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L:龍の乗り手 = {
 t:名称 = 龍の乗り手(職業)
 t:要点 = 大挙する龍,焼き尽くす,大地
 t:周辺環境 = 土場藩国
 t:評価 = 体格4,筋力4,耐久力6,外見5,敏捷3,器用8,感覚7,知識7,幸運4
 t:特殊 = {
  *龍の乗り手の職業カテゴリ = ,,,派生職業アイドレス。
  *龍の乗り手の着用制限 = ,,,着用制限(根源力15万以上でなければならない)
  *龍の乗り手のパイロット資格 = ,,,搭乗可能(龍)
  *龍の乗り手の搭乗補正 = ,,,(パイロットとして搭乗している場合での)全判定、評価+6、燃料-2
 t:→次のアイドレス = 竜騎士(職業),ドラゴンライダー(職業),竜の自己進化(イベント),惑星バーンの発見(イベント)



龍と友であり、龍と共に戦うもの
それが龍の乗り手

吟遊詩人はかく語りき

雪のちらつく寒い日に、男はちいさく語りだした。

「これより吟ずる物語は、遠い昔のおとぎ話。 まだ人と龍がともに生きていた、そんな時代の夢物語」

優しく響くリュートのしらべが、心と思いを過去へと誘う。
目をつぶれば鮮明に浮かび上がるその風景。
いつしか意識は、詩人の語る物語の中へと吸い込まれていった。

/*/

それは、まだ世界がひとつきりだった時代。
武器と楽器が、祭と政がひとつだった頃の話。
雪の降りしきる北の【大地】に、小さな村があった。山のふもとで人々は細々と暮らしていたが、ある日、山頂から奇妙な声が聞こえてくるようになった。
まるで大地が震えているような、深く恐ろしい声だった。
ある時、村に住む一人の娘が山へ登ると言い出した。声の主を確かめるのだと。
村人はみな娘を止めた。
あれは龍が怒り、吼えているのだ。行ってはいけないと。

そんなことはないと、娘は言い返した。
私には、幼子が助けを求めて泣いているようにしか聞こえないと。

泣いている子供がいたら、抱きしめて頭を撫でてやるのが当然だ、それが人でも龍でも変わらないはずだと。

人のいない隙を見て、山を登る娘。そこにいたのは巨大な龍。

けれど龍はその瞳から止め処なく涙を流していた。悲しそうな顔だった。
どうしてそんなに泣いているの? 思わず声をかける娘。
龍はたいそう驚いて、綺麗な漆黒の瞳を娘へ向けた。
龍は、静かに訴えた。
ぼくは正しいことをした。世界を救うために人間の国を滅ぼした。
けれど、それは本当に正しかったのかわからない。
ほかの龍たちはしかたがないのだと言うけれど、ぼくにはそうは思えない。
別の方法があったのかもしれない。
すべてを救う道があったのかもしれない。
だけど、ぼくにはどうすればいいのかわからない。
ぼくに出来ることは、ただすべてを【焼き尽くす】炎を吹くことだけだ。
だから泣いているのだと。
娘は龍のすぐそばまで近づいて、優しく優しく頭をなぜた。
優しい龍。あなたはきっと、人と龍が仲良く生きる世界を創る最初の龍ね。
あなたがその気持ちを忘れない限り、その夢はきっとかなうでしょう。
娘の言葉を聴いて、龍の涙はぴたりと止まった。
ありがとう優しい人よ。あなたと出会ったことを、ぼくは生涯、忘れはしないだろう。

それから娘は毎日のように山を訪れた。
日照りが続く夏の日も、凍えるように寒い冬の日も。
龍は、娘の謡う歌が好きだった。
まるで天から降り注ぐ光のように、草木に元気を与える歌。
その歌を聴くと龍は、どんな難しいことでもできる気がした。
たとえ世界のすべてを敵に回しても、勇敢に戦える気持ちになった。
やがて春が終わり、夏が訪れ、秋が過ぎ行き、冬がやってきた。
そうして何度目かの桜が咲き誇る春のこと、その日も娘は歌を謡っていた。
龍は静かに歌を聴いていたが、突然、娘に合わせて謡いだした。
そんなことは今までに一度もなかったので、娘はたいそう驚いた。
その歌は出鱈目で、音の取り方は無茶苦茶で、たいそう酷い歌だったが。なぜだかひどく心を揺さぶる歌だった。


龍はひとしきり謡った後、ふいに目を開けて山の木々を睨みつけた。
出てきなさい、人の子らよ。ぼくは逃げも隠れもしない。
木陰から出てきたのは、剣を持った大勢の兵士たち。
娘を不審に思った村の人々が、龍を討ってほしいと王へ派兵を懇願したのだ。

剣の檻は徐々に狭められ、娘と龍を追い詰める。
しかし、よく見れば兵士たちの顔はこわばり、恐怖に震えていた。
娘はこれから起こるであろう悲しみを思い涙を浮かべていた。
龍の強さを知っていれば、結果はすでに見えていた。
それを見た龍は、娘へ背に乗るよう促がし、言った。
今ならわかる。ぼくが戦うべき相手はもっと他にあると。
世の絶望と悲しみのすべてを焼き尽くすことこそが、ぼくのすべきことなのだと。
そう言ってのけて、蒼く瞳を輝かせた龍は炎を吐き出した。
しかし龍の劫火は兵士を焼くことはなく、そればかりか山の木々も、草花の一本すら燃やすことはなかった。
だが、兵士たちは剣を落とし、涙を流した。
彼らは思い出していた。
懐かしい故郷を、愛すべき家族のことを。
龍の炎が焼いたものは、悲しみを生む運命だった。
龍が手にしたそのちからは、ただあしきゆめだけを払う炎だった。

退きなさい、人の子らよ。武器を手に戦う前に、そこから生まれる悲しみを想いなさい。
そして戦わずにすむ道を探しなさい。
戦いを始めるのは、それからでも遅くはない。

そう言って、龍はその大きな翼を広げ、大空へと舞い上がって行った。


見上げれば、群れいる龍がまるで天の川のように彼方を目指して飛んでいた。
娘を乗せた龍もまた、【大挙する龍】の中へと飛び込んでいった。
龍たちは遠い空の向こうにある光の柱へと進んで行き、いずこかへと消えてしまった。
その後、娘と龍がどうなったのかは誰も知らない。
噂では、娘は龍の乗り手と呼ばれ、龍とともに世に渦巻くあしきゆめのことごとく、邪悪な企みのことごとくを敵にまわし、永劫の戦いを演じたという。

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「以上が、優しい(テンダー)という名の龍の乗り手と、謡の龍(ソングスドラゴン)の物語。 人と龍がともに生きた、おそらく最初の恋物語」

軽やかなリュートの音色を響かせて、詩人の歌は終わりを告げた。
希望の種をまき終えた男は、ゆっくりと立ち上がり歩を進める。

さて、次はどこで歌おう。龍との溝が深い国はまだまだある。
【土場藩国】やたけきの藩国にでも行ってみようか。猫の国でもいいかもしれない。
人と龍が再び手を取り合う日を夢に見て、詩人は今日も詩を歌う。

燃料グループ加盟による影響(ゴージャス化)

詩歌藩国は燃料グループに加盟しており、燃料を安価に揃えられる。
そのため燃料を豊富に使った訓練、行動が可能となっている。
これにより、龍の乗り手達の技量、行動の範囲は向上し、龍達も十全に能力を発揮できる。



設定文:鈴藤 瑞樹
編集/補足:竜宮・司・ヒメリアス・ドラグゥーン
絵:駒地真子





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