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黒の契約者 ◆CAP.3FrrY.




錆付いた配管が幾重にもうねり一体を成す、まるで鉄でできた獣の腹の中のような様相の工業区。
夜の下でも明かりは絶えることなくその異形をシルエットとして浮かび上がらせているそこで鉄獣の咆哮が激しく木霊していた。



「次弾装填シークエンス、完了。目標の位置をお願いします」
「2時の方角、距離は400メートル」

荒廃した世界を駆け抜ける一騎の紅狼(戦車)――R・ウルフの中で二人の少女が言葉を交わす。
ひとりの少女は葛原未来。影を写し取ったような漆黒のゴシックドレスに身を包み、少女ながらにして戦車を乗りこなしている。
もうひとりの少女は銀(イン)。夜空を写し取ったような真黒のドレスに身を包み、その能力でナビゲーターを務めている。

「発射します!」

言い終わると同時に戦車が激しく揺れ、次いで遠くでそれが炸裂する音が届く。彼女達は戦車を駆って敵と戦っていた。

「状況を」
「目標、消失。…………再度、出現。方角は6時。距離は200メートル」

銀の報告を聞いて葛原未来は舌打ちをして戦車を旋回させる。遠心力が発生し、銀が足をつけていた消火バケツの水がたぷんと揺れた。
二人が戦っているのはそれぞれが大事としている人物の為にだ。
葛原未来は信奉する百舌谷小音を優勝に導くため。銀は黒(ヘイ)と合流するために今は葛原未来に従っている。

そして二人の黒い少女は今、黒い魔女と戦っていた。



魔女の名前はゾウナと言う。その色は闇だ。
世界中の心の中から生まれる怒り、憎しみ、悲しみ、あらゆる怨念が集まってできたそれにもはや色はなく、ただの闇としか形容できない。
そしてゾウナは魔王であり、神への反逆者でもある。常に世界を暗黒の下へ沈めようと画策しているし、今もそうしようとしている。

「どうした……小娘ども……」

魔王の声が蠱惑の響きで夜を震わせる。悪の声、闇の声は、心を持つものならばそれはまるで極上の蜂蜜のように甘く触れられてしまう。
その声を紅狼の咆哮が打ち消し、さらにゾウナの姿を砲弾が紙のように千切る。
だがしかし、少女たちがいくら戦車の砲弾を撃ち込もうとも魔王は費えず、それどころか数を増して姿を増やしていく。

「……なにを……恐れている……」

工業区の中を逃げ惑う紅狼を囲うように魔王の影が集まってくる。ゆらりゆらりと手が伸びてくる。優しく。赤子を抱くように。ゆらりゆらり。
少女たちを絡めとろうと、その間際まで伸びて、そして彼女達の乗る鋼鉄の箱をすり抜けて……届いた。



しばらくして、紅い戦車は――いや、かつては紅かったが今は真っ黒に染まった戦車はゆるやかな速度で工業区を南へと走っていた。
二人の黒い少女を乗せて。闇に心を拐かされた、とても平時では考えられない愉快そうな笑みを、狂喜の笑みを浮かべた二人を乗せてゆるやかに走る。

「ゾウナ様に生贄を」「悪の心を」「月の青い雫を」「呪文を」「そして儀式を」「世界を」「世界を」「無にするために」

人は誰しも、ゾウナの、悪の力に飲み込まれる。無意識のうちにゾウナに手を貸し、そしてゾウナを愛するようになる。






【C-9 工場区/一日目 深夜】

【葛原未来】
[状態]:体力ゲージ満タン
[装備]:Rウルフ(黒)@メタルマックス3、不明(あるかもしれないしないかもしれない)
[道具]:不明(あるかもしれないしないかもしれない)
[基本方針]:ゾウナ様のために他の参加者を殺す。

【銀】
[状態]:体力ゲージ満タン
[装備]:消火バケツと水@現実、不明(あるかもしれないしないかもしれない)
[道具]:不明(あるかもしれないしないかもしれない)
[基本方針]:ゾウナ様のために他の参加者を殺す。

【ゾウナ】
[状態]:体力ゲージ無限
[装備]:不明(あるかもしれないしないかもしれない)
[道具]:時の鍵@ナムコクロスカプコン ※時々倒された時に落とす。、不明(あるかもしれないしないかもしれない)
[基本方針]:出会った相手を手駒にして、殺し合わせる。
※ゾウナの設定はアークが気をきかせてFC版設定を取り入れたので、
 倒すごとに分身の増えるゾウナが1/nの確立で落とす時の鍵を、会場のどこかにある鍵穴に刺さないと倒せません。


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最終更新:2013年01月21日 06:20