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ウソツキ屋の東方小ネタ-01

1



妹紅「慧音ー、いるかー?」
シン「――妹紅?」
妹紅「げ」
シン「……会って第一声がそれかよ」
妹紅「あー……悪い悪い。で、慧音は?」
シン「今は出てるよ。明日の授業に使う資料を借りに行くって」
妹紅「ってことは稗田のところか。まいったなぁ」
シン「何か用でもあったのか?」
妹紅「ないといえばない……んだけどできればいてほしかったというかなんというか」
シン「? まぁすぐに戻ってくると思うから待ってるか? 茶くらいは出すけど」
妹紅「居候が勝手に茶を淹れていいのか?」
シン「相手が妹紅なら、慧音は許すだろ」
妹紅「……違いない」
妹紅「……手慣れてるなぁ」
シン「そりゃどうも。こっちに来てからいろいろやるようになったしな」
妹紅「人里にも慣れたかい?」
シン「それなりには。慧音の知り合いってだけでよくしてくれるとこもあるし」
妹紅「子供たちにいろいろ教えてると聞いたけど」
シン「あぁ、簡単なサバイバル技術とか。どれくらい役に立つかは分からないけど」
妹紅「たしかに。小手先の技術だけじゃ人里離れて妖怪に襲われたらどうしようもない」
シン「だよなぁ」
妹紅「いいじゃないか。物に限らず学ぶというのは良い刺激になる。慧音みたいに堅苦しいだけじゃ息が詰まる」
シン「……そっか。ありがとな」
妹紅「なっ!? なんでそこで礼を言う!?」
シン「いや、ひょっとして気をつかってくれたのかと」
妹紅「一般論だろこんなのは! いいから茶! 菓子! おかわり!」
シン「はいはい」
妹紅「……遅いな」
シン「だなぁ。あいつもついてるから変なことに巻き込まれたわけじゃないだろうけど」
妹紅「ちょっと心配だ。探してくる」
シン「待てって」
妹紅「だけど!」
??「あの……」
シン「落ちつけ。外ならともかく里の中だぞ?」
妹紅「妖怪が里を襲うことだってある! それに気付けばあいつは真っ先に飛び出すに決まってるじゃないか!」
??「おいお前たち……」
シン「慧音だってそこいらの妖怪にやられるほど弱くないだろ」
妹紅「でも何が起こるか分からないじゃないか! ここはそういうところだろう!?」
??「おい!」
シ・妹『え?』
慧音「……心配してくれるのは嬉しいが、ここまで無視されるとその気持ちも半減してしまうぞ」
妹紅「あ、う……」
シン「ほら、無事だったろ?」
運命「で、我が主殿は何をしていたので?」
シン「へ? 何をって……」
運命「あぁそうですか、妹紅殿と逢引の最中でしたか。これはとんだ失礼を」
妹紅「ああああ逢引!?」
シン「どうしてそういうことを言うかなお前は!?」
運命「しかし今しがた妹紅殿の肩を抱いて……」
シン「それは妹紅を止めるためで!」
運命「えぇ、そんなことだろうと思ってました」
シン(こ、こいつ……!)
慧音「はぁ……まぁいい。シン、デスティニーと一緒にこれを私の部屋まで運んでくれないか? 私はそろそろ夕餉の準備をするから」
シン「あぁ、わかった」
運命「主殿? もっと妹紅とキャッキャウフフしたりイチャイチャチュッチュしないでよろしいのですか?」
シン「お前もう頼むから黙れ!」
慧音「……で? 私に何か用か?」
妹紅「あー……いや、もういいや。今日は帰る」
慧音「もうこんな時間だ。夕餉を食べていくといい。一人分増えたところで大した変わりはないさ」
妹紅「…………じゃあ、食べる」
慧音「シンたちと一緒にな」
妹紅「けけけけーねぇ!?」
慧音「ふふっ、あはははははは!」
妹紅「笑うなぁ!」

 ――結局、4人で卓を囲んだ夕飯となった。

2


妖夢「そう、力任せに叩き斬るのではなくて引きながら斬る感じです」
運命「なるほど……これはなかなか技術がいりますね」
妖夢「日頃の鍛錬次第で十分身に付きますよ。それにしても……」
運命「? 何か?」
妖夢「その、変な意味ではないんですが……デスティニーさんの使う得物は大剣ですよね? 刀とはいろいろと
勝手が違うと思うので、なぜ白玉桜まで来て私なんかに師事を仰ぐのかと」
運命「技術、というものは身につけておいて損なことなどありません。なんかなど謙遜する必要などないですよ。
   妖夢殿の腕は若輩者の私でも相当なものだと分かる。加えて教えも理解しやすい、達者なものです」
妖夢「い、いや~、そこまで言われるとこそばゆいというかなんというか……」
運命「ふむ、しかし教えてもらってばかりでは私としても情けない。何かしら恩を返さなければ」
妖夢「いやそんな、いいですよ。私が好きでやっているだけで……」
運命「では季節も季節なので、霊を追い払う儀式などはどうです?」
妖夢「そんなものがあるんですか!? い、いやしかしここでそんな儀式をしてしまうと幽々子様にも迷惑が」
運命「心配は無用です。除霊目的ではなくあくまで追い払うだけですから」
妖夢「はぁ……な、ならとりあえず聞くだけは聞いてみます」
運命「それではまず最初に、服を脱ぎます」
妖夢「はい……ってふふふ服!?」
運命「平たく言うと全裸です。ゼン・ラー」
妖夢「生々しいからやめてください! というかなんで服を脱ぐんですか!?」
運命「追い払った幽霊が衣服などに憑かないためだとか。まぁ古今東西、儀式で全裸など当然のようにあるので何も不思議ではありません」
妖夢「いろいろと引っかかるような……」
運命「続きです。自分の尻を両手でバンバン叩きながら白目をむきます」
妖夢「いやいやいやいやいや! おかしいでしょうどう考えても!」
運命「落ち着いてください。これは一種のトランス状態になるためです」
妖夢「もう少し何かマシな方法はないんですか!?」
運命「ありません。諦めてください。いいじゃないですか、理性なんて邪魔なだけです。デ○ルマンにもなれませんし」
妖夢「なりませんよ!」
運命「そしてベッドを昇降しながら、「びっくりするほどユートピア!」と叫ぶのです。たっぷり10分ほど」
妖夢「もう突っ込む気力も失せました……」
運命「さぁ、早く実践してみましょう」
妖夢「今からですか!?」
運命「早ければ早いほど効果があります。今夜は満月ですし、出そうですね幽霊」
妖夢「う、うううううううううう……わかりましたよやればいいんでしょうやれば! 今日はこれで失礼します!」
運命「…………ふふ、やはり善行の後は気分がいいですね」
シン「ってそんなわけあるかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 ――バキッ!!

運命「……主殿、出会い頭にこめかみにローリングソバットとは穏やかじゃないですね」
シン「やかましい! 妖夢を騙して何考えてんだよお前は!?」
運命「騙すとは失礼な。私なりの善意なのに。それによく言うでしょう? 信じる者は救われる……主に足元を、と」
シン「上手くねぇよ! ただひたすらに最悪なだけだよ!」
運命「…………」
シン「? どうしたんだよいきなり黙り込んで」
運命「ちょっと調整です。それよりいいんですか? そろそろ妖夢殿が先ほどの儀式を実行するのでは」
シン「! そうだ、妖夢!」
運命「部屋は角を右に曲がって奥です」
シン「なんでそんなこと知ってんだよ!? あぁもうとにかく急がないと!」
妖夢「うぅ……嫌だけど早くしないと幽々子様にもバレそうだし。えーとまず服を脱いで……そして、し、尻を」
シン「(バタンッ!)早まるな妖夢っ! って、あ」
妖夢「え?」
シン「……………………」
妖夢「……………………」
シン「……あの、ごめんなさ」
妖夢「いやああああああああああああああああああああ!!」
シン「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
運命「……ジャストですね。二人ともいい声で啼いてます」
幽々子「妖夢のあんな悲鳴なんて久しぶりね~。及第点だから人の従者に手を出したことは大目に見てあげるわ~」
運命「恐悦至極」
幽々子「でもいいの? あなたの主死にそうだけど」
運命「大丈夫でしょう。主殿の不死身具合は蓬莱人もかくやというレベルですし」
幽々子「それはまた……からかい甲斐があるわね~」
運命「あげませんよ?」
幽々子「あら怖い」
運命「あの方は、私だけの主殿ですから……ふふふ」

3


霊夢「はぁ……平和ねぇ」
魔理沙「おーっす霊夢ー! って今日もまた暇そうだな」
霊夢「平和と言いなさい平和と」
魔理沙「つまりやることがないってことだろ?」
霊夢「…………」
魔理沙「まぁなんでもいいや。私にもお茶くれ」
霊夢「毎度のことながらどうしてこう遠慮とか欠片もなくお茶を要求できるのかしら……」
魔理沙「気にしたら負けだぜ!」
霊夢「はぁ、もう慣れたからいいけど。ちょっと待ってなさ……あら?」
運命「む、やはりここにいましたか」
霊夢「あんた確かあいつの……何の用?」
運命「いえ、用があるのは貴女ではありません。魔理沙殿」
魔理沙「ん? 私にか? いったい何の用だ?」
運命「私ではなく主殿が……あ、来ました」
シン「はぁ、はぁ……」
霊夢「ちょっ、どうしたのよそんな全力疾走したみたいに息切らせて」
運命「事実、全力で走ってきたわけですが。ちなみに私はその数m先を飛んで来ました」
霊夢「……あんた、こいつに仕えてる九十九神なのよね?」
運命「恥ずかしながら。それが何か?」
霊夢「いやまぁ何でもいいけど」
魔理沙「おいおい、大丈夫か?」
シン「魔理沙……」
魔理沙「ん?」
シン「うおおおおおおおおおおおおおお! 魔理沙あああああああああああああああああああ!!」
魔理沙「え? う、うわあああああああああああああああああああああああああああああああ!?」

 ――カッ!

魔理沙「は、反射的にマスパっちまったぜ……シン生きてるか?」
運命「とりあえずは無事ですね。いやはやさすが我が主、頑健なお身体で何より」
霊夢「あんたこいつに蓬莱の薬とか飲ませてないでしょうね?」
運命「まさか。死にもすれば怪我もするからこそ面白……もとい命は色付くものでしょうに」
霊夢「本音漏れたわよ」
運命「蓬莱で思い出しましたが、永淋殿をこちらにお呼びしたいのですがよろしいですか?」
霊夢「あー、まぁいいわよ。いつまでもこんなとこに黒コゲ寸前のモノを置きっぱなしにしたくないし」
魔理沙「そうだな……さすがにこのままじゃマズイか」
運命「あ、魔理沙殿はそのままに。念のため主殿の傍にいてほしいのですが」
魔理沙「は? なんでまた」
運命「私の勘です」
霊夢「……あんた確か転生前は人形だったのよね?」
運命「女の勘です」
霊夢「……まぁいいけど」

永淋「――とりあえず治療は済んだわ。意識はもう戻ってるけど、しばらくは安静ね」
運命「ありがとうございます。それで、主殿の様子は?」
永淋「怪我は特に問題ないわね。ただ……魔理沙さん?」
魔理沙「ん?」
永淋「あなたにも関係がある話だからここで話すけど、私も初めて見る症状なの」
魔理沙「お、おいおい! そんなのと私に何の関係があるんだよ?」
永淋「そうね、あえてこれに名前をつけるなら……」
魔理沙「つけるなら?」

永淋「――アリス・マーガトロイド症候群よ」

魔理沙「……え? え? なにそれこわい。っていうかなんであいつの名前が?」
運命「あぁ、やはりそういう類のものですか」
霊夢「納得しちゃった!?」
運命「いえ、突然「魔理沙に会いに行く!」と叫んで寺子屋を飛び出したので」
永淋「さっき話した感じからの推測が多分を占めるけど、特定の人に一定時間以上会わないと精神が不安定に
なってこんな風に行動を起こすみたいね」
霊夢「また傍迷惑な……」
魔理沙「いやだからなんでそこでアリスの名前が」
永淋「何か二人に共通するものがあったのかもしれないわね。それでシンの方にも影響が出たんじゃないかしら」
魔理沙「いくらなんでも強引過ぎるんだぜ……」
運命「む?」
霊夢「? どうしたの?」
運命「襲撃ですね」
霊夢「は?」

 ――ドガァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァン!!

魔理沙「な、なんだぁ!?」
運命「ですから襲撃と」
霊夢「冷静に答えてんじゃないわよ! ここ私の神社なのよ!?」
運命「主殿が寝ている部屋ですね。急ぎましょう」
魔理沙「あぁもう! 何が何だか!」
霊夢「私の神社がああああああああ!?」

運命「主殿!」
魔理沙「無事か!?……ってアリスぅ!?」
アリス「――シン・アスカ。やはり、やはりそうなのね」
シン「アリス・マーガトロイド……」
アリス「あなたが幻想郷に来てから、いつかこんな日が来るんじゃないかと思っていたわ」
シン「俺もそんな予感があったのかもな。いざこうして向かい合ってると驚くほど落ち着いてる」
アリス「何にせよ、」
シン「あぁ、」

「「お前に魔理沙は渡さない!!」」

魔理沙「ってなんでそうなるんだよ!?」
アリス「待ってて魔理沙。今すぐこの外来人を葬ってあげるから」
シン「それはこっちのセリフだ! 来い、デスティニー!」
運命「ヤです」
シン「ってあれぇ!?」
運命「なにが「あれぇ」ですか。私には縁のない話です。存分に戦ってください、魔理沙殿のために」
シン「いやいくらなんでも生身のままは……」
アリス「死ねぇ!!」
シン「うおっ!? あぶなっ!? ちょっと待て!」
アリス「待てと言われて待つ魔法使いがいて?」
シン「分かってるけど! ってうわっ!? 今の当たってたら首飛んでたぞ!?」
アリス「あら残念。じゃあ今度は上半身と下半身をお別れさせてみようかしら」
シン「くっそおおおおおおおおおお!! 負けるかああああああああああ!!」

 ~数十分後~

アリス「この! いい加減に観念しなさい!」
シン「誰がするか! っていうかなんでこんなことになってるんだっけ!?」
アリス「私に質問するなぁ!」
シン「なんか逆ギレされた!」
永淋「……いいの?」
運命「何がですか? アリス殿もすでに殺気は失せてますし、主殿も正気に戻ったようで特に悪いことはないようですが」
永淋「そうじゃなくて。拗ねるのは結構だけど、意地を張るのはどうなのかしらね」
運命「……まぁそれはともかく、いいお灸になるでしょう。ここのところ平穏すぎていろいろと鈍っていたようですし。それに」
永淋「?」
魔理沙「お前らいい加減にしろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
霊夢「人ん家で暴れるなああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
アリス「え?」
シン「は?」

 ――カッ!!

運命「とまぁ、こんな風に収束するので。面倒をかけますがまた治療をお願いします」
永淋「……貴女、まさかそのために私を呼んだんじゃないでしょうね?」
運命「そんなことは。偶然ですよ偶然」
永淋「はぁ……良い性格してるわねあなた」
運命「最近褒められることが多くて嬉しいです」
霊夢「……で、二人はともかく私の神社は誰が直してくれるわけ?」

 デスティニーは逃げだした!
 しかし回り込まれてしまった!

霊夢「スッとぼけて逃げようとしない。さっさと直す。目を覚ましたらアイツにもそう伝えなさい」
運命「アリス殿は?」
霊夢「魔理沙が連れてったみたいね」
運命「くっ、予想できたことだったというのに……ぬかった」
永淋「……本当、見ていて飽きないわね貴方たちは」
パチュリー「……乗り遅れた気がする!」
小悪魔「何がですか?」
パチュリー「わかんない!」
小悪魔「はぁ」

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最終更新:2010年08月10日 01:35
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