はやて編2話『戦慄の午後』
決戦当日、両雄が集まった戦場には、なぜか大勢の報道陣が待ち構えていた。
はやて「なんやこれは! どうなっとるんや!」
アティ「これは・・・やられましたね。これだけ人の目が集まればうかつな行動はできません」
レミリア「楽しくなってきたじゃない。どの道やることは変わらないわ」
既に三十台以上のカメラが並び、空にはヘリが飛びまわっている有様だ。
恐らくミットチルダどころか、他の次元世界からも集まったのだろう。 もっとも、この事態は穏健派にとっても予想外だった。
クロノ「どうなってるんだ、これは! 過激派の連中の仕業か?」
リンディ「いえ、彼らがこんなことをするとは思えないわ。でも、どこから情報が漏れたのかしら?」
クロノ(まさか、これがユーノの言っていた・・・)
ゼスト「どうあれ、やることに代わりは無い。ティアナ、行くぞ」
ティア「はい!」
こうして、もはや訓練というより、全次元を巻き込む風船割りゲームと化した戦いは幕を開けた。
過激派
総司令官 八神 はやて
副司令官 リインフォースⅡ
参謀長 朝倉 涼子
前線戦闘指揮官 ライズ・ハイマー
前線戦闘指揮官補佐 高町 なのは
前線参謀長 アティ(抜剣覚醒)
第一中隊隊長 レミリア・スカーレット 副隊長 十六夜 咲夜
第二中隊隊長
水銀燈 副隊長 閻魔 アイ
第三中隊隊長 フェイト・T・ハラオウン副隊長 比良坂 紗夜
第四中隊隊長 遠野 秋葉 副隊長 霧雨 魔理沙
第五中隊隊長 バラライカ 副隊長 ボリス
第六中隊隊長 ラミア・ラヴレス 副隊長 エキドナ・イーサッキ
第七中隊隊長 霧雨 魔理沙 副隊長 工藤 百華
第八中隊隊長 ベール=ゼファー 副隊長 美袋 命
第九中隊隊長 ラクス・クライン 副隊長 アスラン・ズラ
第十中隊隊長 木原 マサキ 副隊長 氷室 美久
第十一特殊部隊隊長 ロックブーケ 構成員 恋姫無双チーム
以下延々と続く
巻き込まれた人も含め、総兵力1854人
起動兵器が撃墜されたら、パイロットは強制転移で脱出するので絶対安全
(戦艦は、今回使用禁止)
穏健派
総司令官 クロノ・ハラオウン
副司令官 リンディ・ハラオウン
参謀長 マジカルアンバー
前線戦闘指揮官 ティアナ・ランスター
前線戦闘指揮官補佐 ミルフィーユ・桜葉
前線参謀長 ルルーシュ・ランペルージ
第一中隊隊長 ゼスト・グランガイツ 副隊長 ルシア・ライナノール
第二中隊隊長 ストレイト・クーガー 副隊長 真紅
第三中隊隊長 トレーズ・クシュリナーダ 副隊長 Dr.ウエスト
第四中隊隊長 ジナイーダ 副隊長 大神一郎
第五中隊隊長 ギルガメッシュ 副隊長 高町 恭也
第六中隊隊長 ギンガ・ナカジマ 副隊長 スバル・ナカジマ
第七中隊隊長 シュウ・シラカワ 副隊長 サフィーネ=ゼオラ=ヴォルクルス
以下少々続く
全力で集めて、総兵力948人
医療班
シャマル班長 ザフィーラ(やっぱりお留守番)
765プロダクションチーム
桂 言葉
白河 ことり、アイシア、DCチーム
ハサハ、白レン、久遠
プリムラ、楓、シャッフルチーム
グレーテル(ホテル・モスクワが来たため強制的に)
泉 こなた、高良 みゆき、らき☆すたチーム
ネロ カオス
ちなみに個人の力量も含めて考えると、両雄の兵力差はおよそ一万対一である。
アルフ「何というか・・・。ここまで来ると圧巻だね。良くぞここまで集めたもんだ、ってかんじ?」
リンディ「宇宙怪獣の巣にコアファイターで突撃したほうがまだ生き残れそうね」
アンバー「いえいえ、コアファイターよりもボールを推薦しますよ♪」
クロノ「・・・(ここからが本当の地獄だ・・・)」
ティアナ「この戦力で過激派相手に十分以上持ちこたえられると思いますか?」
ミルフィー「明らかに無理ですね」
ギンガ「風船を一つ割るだけで、どれほどの犠牲が出るか・・・」
クーガー「そしてなによりも・・・速さが足りない!」
真紅「だとすると、やはりあれしかないわ」
戦力で圧倒的に負けている以上、穏健派にできるのは策を練ることぐらいだ。
それも生半可な妨害では絶対に止められないだろう。 全員が非殺傷設定とはいえ、戦力でも起動兵器の数でも圧倒的に負けている。
っていうか過激派の人外率と戦闘力は半端じゃないぞ!大丈夫なのか? この次元崩壊したりしないだろうな!
はやて「お~ほっほっほ♪ 楽勝や楽勝♪ もはや、始まる前から勝利は目前や♪ この前の屈辱は百万倍にして返すで、リイン!!」
リインⅡ「そうですね、はやてちゃん♪(ちっ穏健派の連中も使えませんね)」
朝倉(ふふふ、さあ、みんなはどう動くのかしら? まずはお手並み拝見といったところね)
アティ「まずは長距離から大火力で砲撃。敵の防衛陣形が崩れたところを白兵戦で叩き潰します。なお、起動兵器のパイロットは敵の起動兵器を
牽制してください。 何か異論はありますか?」
マサキ「特に異論は無いが、べつに倒してしまっても構わんのだろう?(くくく、完成したグレートゼオライマーのいいテストになる)」
フェイト「うんうん! 倒しちゃってもいいよね?」
なのは「みんな頑張ろう。今度は絶対に負けられないよ!(冥王は一人で十分なの♪)」
ラミア「ええ、任務了解していましたですのことよ。(ここには、まともな思考を持った者はいないのか?)」
今更だが、過激派にまともな人間は誰一人存在しない! 一般人というジャンルで
区切るにはあまりに規格外すぎる。穏健派や医療班と比べるとその差は歴然である。お前ら、戦う相手間違ってるんじゃないかってくらいに・・・。
言葉「平和ですねぇ」
ことり「ええ、本当に。でも、こんなことしてて、いいんでしょうか?」
こなた「いいの、いいの。戦いなんてできる人に任せとけば。あ、楓ちゃんハルヒの三巻とって」
シャマル「ザフィーラ! いつまで久遠たちと遊んでるつもり? まだ荷物運びが終わってないわよ!」
例外はいるものの、基本的に穏やかな思考を持った人間は医療に来ていた。
グレーテル「ふう、わたしもOOOしたり、XXXしたりしたかったのに、何で医療班に回されたんだろう」
ネロ「ふむ、同感だ。私も何故自分がここに居るのかわからん」
言うまでも無く、放送時間がゴールデンタイムから深夜になるからです。
戦いはむなしく、戦争は全てを狂わせていくものだ(えっ過激派は元からおかしい?)
かつて共に戦った仲間が、たった一人の男のために全てを捨てて潰し合うのだ。 これを悲劇と呼ばずになんと呼べばいいのか。
???「まさに喜劇ね。ここまでうまく事が運ぶなんて・・・」
スカリ「まったくだな。先ほど紛れ込んだネズミはこちらで始末しておこう。いや、フェレットだったか?」
???「私も行くわ。退屈しのぎにはなりそうだもの」
ウーノ「それは危険では? 仮にも奴はAランククラスの実力者です」
スカリ「かまわんよ、君たちも出向くのだ。別に手間はかからんだろう」
ウーノ「了解しました。」
???「では、彼らの最後の希望を打ち砕きに行きましょうか?」
シンの運命を賭けた戦いが、本人不在のままついに始まる。
過激派が勝ち、時間跳躍システムをてにいれるのか? 穏健派が勝利し、シンの平和を守り通せるのか?
それとも、まだ見ぬ第三勢力が今回の戦争行為に介入するのか?
まぁ、どのみち『歴史の改変』(シンが消えるか、リインフォースが生き返るか)でなかったことになるんだけどね。
シン編 第3.5話 『迷い』
リインⅠ「主はやて、お別れを言いに来ました」
はやて 「・・・・・」
シャマルが高町家に向かった隙に、リインフォースははやての元へ到着していた。
シン達がリインフォースを探していたように、リインフォースもまたシン達を避けていたのだ。
リインⅠ「私が消えればその苦しみからも解放されます。シンやヴォルケンリッターとは会わないまま消えることにしました。
きっと会えば辛くなるでしょうから・・・」
はやて 「・・・・・」
未だ意識の戻らぬ主に向け、リインフォースは最後になるであろう自分の言葉を告げようとする。
リインⅠ「いずれ生まれる妹のために、記録映像も残しておきました。私の意志はその子が継いでくれるはずです。ですから、今は心安らか
に・・・・」
はやて 「・・・・そんなこと・・言うたらあかんよ」
リインⅠ「主、お目覚めになったのですか!!!!」
驚くリインフォースに、はやては弱々しく手を伸ばす。
握り返したその手は、生きているとは思えないほど冷たかった。
はやて 「リイン・・・フォース、消えたら・・ゆるさへん! もう一度みんなで・・・ごほっごほっ」
リインⅠ「いけません、喋っては体に毒です!」
はやてのリンカーコアが傷ついているせいで念話ができないのがもどかしい。
はやて「・・・シン兄が、何とか・・してくれる。せやから・・・きっと大丈夫や」
リインフォースには、はやてが何を言ったのか理解できなかった。
何とかする? 確かにシンは頼りになる。心も真っ直ぐで信念も持っているし、戦いの腕も一般人よりは強いだろう。
だが、結局は唯の人間だ。魔力もなければ、知識に優れているわけでもない。身体能力でもシグナムやザフィーラには到底及ばない。
なのに何故、主はやてはあの男にこだわるのだ?
リインⅠ「・・・なぜです?私が生まれてから数百年間、どんな賢人でも出来なかったことを、魔法も使えない唯の人間ができるはずがありませ
ん」
これまで幾人もの人間が「闇の書の闇」に挑んできた。主を押っ取る自動防衛プログラムを破壊し、管制プログラムだけを残せば「闇の書」の力を自由自在に使うことができる。
だが、どれほどの賢人でも、どれほどの権力を持っていても、どれほどの魔力を持っていても、あの無限の再生力の前には無意味だった。
彼女がここにいることが、それを証明している。
はやて 「自分でも、わからへんけど・・・。でも、・・・何故か・・・そう思うんよ。シン兄なら・・・運命を・・・変えられるんやないかって。」
リインⅠ「それは幻想です。主はやて、あなたはどうしてそこまで・・・」
はやて 「・・・リインフォースが・・・・・シン兄を・・疑う・・・のも判る。それ・・でも、家族は・・・信じあうもん・・・なんやで」
一通り喋ると気力が尽きたのか、はやては再び眠りについた。
リインフォースもそっと手をベットの中に戻す。
リインⅠ「主はやて、私は・・・私には理解できません」
万が一、手段があったとしても、あと八時間では何もできない。
いや、どれだけ時間があってもできるはずがない。二度もおこらないから奇跡なのだ。
リインフォースはそう思うことで自分の未練を断ち切ろうとしていた。
(シン・・兄なら・・・運命を・・・変えられる)
だが、彼女にはどうしてもはやての言葉は無視することはできなかった。
リインⅠ「シン・・・お前は本当に運命を変えられるのか?」
いや、すでに一度あの日消えるはずだった運命を変えている。
もしかしたら、シンならできるかもしれない、ユニゾンデバイスを従え、修正プログラムの発見を予知したあの男ならあるいは・・・。
リインⅠ「・・・・・シン・アスカ。もしもお前にそんな力があるなら、私を救ってくれ。 あの日、消える筈だった私を止めたように・・・」
一粒の涙を残して、リインフォースは病院の外へ転移していった。
リインⅠ「私はまだ・・・消えたくない」
リインフォースが転移するのとほぼ同時に、ヴォルケンリッターが病室にたどり着く。
シャマル 「待って、リインフォース! ・・・駄目だわ、逃げられた」
ザフィーラ「まだ、転移反応は残っている。アースラに追跡してもらえば場所がわかるはずだ」
シャマル 「ザフィーラ、アルフも呼びましょう。強装結界で転移を封じます」
ヴィータ 「くそっ、お前を一人で逝かせねぇ! まだ、あたしは借りを返してねえんだ」
闇の書が誕生して数百年間、彼女達はいつも血と死の匂いが漂う荒野を彷徨っていた。
目の前にあるのは焦土と死体の山ばかり。空は戦舟に埋め尽くされ、聞こえる声はうめき声と断末魔だけだった。
地獄のような日々の中で、自分よりも仲間のことを心配していたリインフォース。
そんな彼女の優しさを受け入れず、拒絶ばかりしていたヴィータ。 その時の償いをするためにも、このまま黙って逝かせる訳にはいかない!
ヴィータ「はやて、あと少しの辛抱だからな! あたし達はもうリインフォースを見捨てたりしねぇ。
絶対にリインフォースも救って見せるから安心して眠っててくれ」
意識のないはやての表情が、少し緩んだ気がしたのは、気のせいだろうか?
未だに、防衛プログラムをとめる方法も、リインフォースも見つかっていない。
それでも彼女たちは、自分たちに『明日』をくれた夜天の王、八神はやてを本当の意味で救うために、二度と希望を捨てないだろう。
闇の書の自動防衛プログラム再生まであと『8時間57分』
最終更新:2008年07月04日 00:32