真夜中のHappy Biethday
律子「これは……あぁもう! この手帳もずいぶんボロボロになっちゃったわね。シン、こっちの
書類の修正お願いできない? 今ちょっと手が離せなくて」
シン「あ、はい。えーっと……」
――カタカタカタ……
律子「おおー、相変わらず早いわね」
シン「昔とったなんとやら……でしたっけ? まぁそんなわけです」
律子「昔?」
シン「(マズっ!)あ! ほ、他に直しがいるものとかありますか? もうすぐこれ終わるんで」
律子「んー……特にはないけど、それじゃこれのチェックお願いできない? 一応の最終確認って
ことで」
シン「わかりました。ってこれ今日のイベントの?」
律子「そ、私のバースデイライブの会計レポート」
シン「なんかこうして数字で見ると生々しいというか……」
律子「そういう仕事よ。まぁ、私も正直複雑な気分にはなるけど」
シン「まぁ普通はアイドルが自分のライブを最後まで面倒見るなんてしないでしょうし」
律子「最近忙しかったとはいえ、小鳥さんがあんなコトになっちゃったからねぇ……」
――ゴ○スが! ゴラ○がもうすぐ地球にっ! 早く南極に世界中から集めたロケットを設置して
地球を動かさないとっ!!
シン「……目から光が消えてましたよね」
律子「あそこまでテンパった小鳥さんは初めて見たわ。おかげでシンにも予定に入ってなかった
仕事させちゃうし」
シン「俺は別にいいですよ。それより律子さんが今日
誕生日なのにこんな時間まで仕事って
いうのは……」
律子「あー、いいのいいの。そういうのは昼間で終わり。この年になると誕生日を祝ってもらうって
いうのもちょっと照れくさいしね。いろいろ準備してたっていうみんなには悪いけど」
シン「そうですか……ところで、そろそろ甘いものが欲しくないですか?」
律子「え? う~ん、そうねぇ……確かにそろそろ栄養ドリンクだけっていうのもキツくなってきたわ」
シン「それならよかった。はい、これ差し入れです」
律子「えっ!? これって、ケーキじゃない!」
シン「春香の自信作らしいです。あとこれはみんなから預かったメッセージカード。それとこれ、
たいしたものじゃないですけど俺からってことで。誕生日おめでとうございます」
律子「ど、どういうこと!?」
シン「みんなから頼まれたんですよ。パーティーが中止になったから変わりに渡してほしいって」
律子「……ひょっとして、そのためにこんな時間まで私に付き合ったわけ?」
シン「いえ、あくまで仕事のついでです」
律子「…………」
シン(って言えってあずささんに言われたけど、本当にこれで大丈夫なのか……?)
律子「……ふふっ、仕事のついでじゃ仕方ないわよね~」
シン「律子さん?」
律子「それじゃ、ちょっと休憩にしますか。ほらほら、せっかくケーキがあるんだから乾杯するわよシン」
シン「……栄養ドリンクでですか?」
律子「こういうのは気持ちの問題よ。ほ~ら、早くする!」
シン「わかりましたよ……嬉しそうですね律子さん」
律子「照れくさいけど嬉しいものは嬉しいのよ。はい、かんぱーい!」
日付が変わろうとしていた頃、ささやかな誕生パーティーが始まった。
―-翌日
律子「さぁて、今日も一日頑張りますか!」
シン「……元気ですね律子さん。昨日は深夜の三時くらいまで作業したのに」
律子「あれくらいの残業でへこたれてなんかいられるわけないでしょ。だらしないぞマネージャー殿」
シン「なんてタフな……」
小鳥「律子さんは兼任してるだけあって体力は凄いから」
シン「小鳥さん、おはようございます。もう大丈夫なんですか?」
小鳥「えぇ、ギリギリのところで地球は救われたわ」
シン「……それはよかったですね」
――ガチャリ。
春香「おはようございまーすっ!」
美希「あ、シンに律子。おはようなの!」
律子「り つ こ ?」
美希「あっ……ご、ごめんなさいなの! 律子、さん」
律子「よろしい。目上の人への礼儀を忘れないようにね。それと春香、差し入れありがとう。
おいしかったわよ」
春香「あ、ホントですか!? 喜んでもらえたならなによりです!」
律子「美希もメッセージカードありがとう。おかげで元気が出たわ」
美希「うん! 律子……さんが元気になったならミキもうれしいな」
律子「ま、ひとつ年を重ねたくらいで何がどうなるわけでもないけどね。さ、二人とも今日のレッスン
は私がチェックするわよ。元気になった分ビシビシやっていくからね」
春香「うわ~……なんか嬉しいような嬉しくないような」
美希「ヤブヘビ、だっけ? うう~、厳しいのはヤ!」
律子「文句はそこまで! 春香はボイス、美希はダンス中心でいくわよ。本気でいくから覚悟なさい」
二人『イヤーーーーーー!!』
シン「……生き生きしてるなぁ」
小鳥「そうねぇ、誕生日は昨日だったのに。それとも昨日……」
シン「昨日? 誕生日以外なんかありましたっけ?」
小鳥「……。まぁシン君じゃあねぇ」
シン「は?」
律子「はいはい、二人とも静かにしなさい。それじゃ今日の日程は決まりね!」
そう言いながら律子は、貰ったばかりの真新しい手帳にチェックを入れた。
――パーフェクトコミニュケーション
最終更新:2008年09月22日 02:21