今回の問題において、一番論議の的となっているのが、こちらの問題です。
特に、クワドに挑戦しなかった姿勢よりも、その後の会見において、
「クワドはフィギュアにとって重要ではない。」
と、金メダリスト自ら発言してしまったことが、特に問題視されています。
エヴァン・ライサチェクは決してクワド否定派ではなかったので、今回の言動で失望を覚えた方が多いようです。
その時の動画を用意しました。
www.nicovideo.jp/watch/sm9782263
(五輪SP後会見)
www.nicovideo.jp/watch/sm9788039
(その後、プルシェンコのジャッジ批判に対して)
・これについては、今回プルシェンコが「ジャッジについて質問の手紙を書くつもりだ(注:実際に書いたかは不明)」
今回の騒動で何があったのか「手紙で質問」したいという記事
(※まだ手紙を書いたわけではない、またW金要求訴訟は否定している)
動画以下の記事(動画要旨)→plu.jpg
プルシェンコの主張
今回、プルシェンコはオリンピックで勝てなかったことに対し、抗議しているのではないか。
そう思っている方はたくさんいらっしゃると思います。
しかし、それは違います。
プルシェンコは自分の敗北に抗議したわけではなく、ライサチェクをけなしたわけでもありません。
彼は、4回転なしでも金を取れるジャッジシステムを批判しているのです。
・プルシェンコ、帰国後ロシアにて行った記者会見内容(ロシア紙より)
プルシェンコはこれ以上議員であることを望まない
バンクーバーオリンピックの銀メダリスト、プルシェンコは今朝サンクトペテルブルクに戻り、
空港での記者会見において、自分は「議員を辞め、スポーツに集中しなければならない」と語った。
「それが僕の上手くやれることだからだ」と彼は説明した。
~議員関連であるため省略~
プルシェンコはまた、彼がオリンピックチャンピオンのエヴァン・ライサチェクに対し、
スポーツマンらしくない振る舞いをしたと指摘した何人かのジャーナリストに対し、ナーバスな反応を見せた。
「多くのメディアとインターネットが、不正確でずさんな引用を行っている。
僕はライサチェクがひどいスケーターとは言ってない。彼は良いスケーターだ。
僕はただ、どうすれば4回転ジャンプなしでオリンピックのチャンピオンになれるのか、理解し難いだけだ」
何人かのジャーナリストの、エフゲニーは、何が進行しているのかを知っていて、
そして彼はルールを知らされていたはずだというコメントについて、彼はどう答えて良いか分からない様子で、
「われわれはライサチェクについて話しているんだ」と指摘した。
彼が金メダル(ロシア国内でプルシェンコにメダルを与える予定のことです)を授与されるであろうというニュースについて、
プルシェンコは「スポーツに復帰することがいかに難しいかわかっている、本当のファン」に感謝を示した。
思い出しておこう。2009年3月の、"Fair Russia"代表Sergei
Mironovがプルシェンコはまもなく議員を辞めるであろうと約束した。
彼は、「我々は、エフゲニー・プルシェンコがモスクワでオリンピックのためにスケーターのチームを用意するのを必要としているからだ」と説明した。
エルヴィス・ストイコのコメント
・stjko.jpg(この夜、彼らはフィギュアスケートを殺した)
http://sports.yahoo.com/olympics/vancouver/figure_skating/news?prov=yhoo&type=lgns&slug=es-thoughts021810
<和訳>
ごめんよ、ライサチェク。君は偉大なスケーターそのものだよ。
でもあれはオリンピックチャンピオンの演技内容じゃなかったよね。
木曜日の夜の男子FSでは、ライサチェクのスケートはのろかったし、彼のジャンプは
エフゲニー・プルシェンコのジャンプ技術に近付いてもいなかった。
4回転ジャンプに挑戦すらしないのに、どうしてオリンピックチャンピオンになれるのだろうか?
4回転を外すなら、なぜトリプルアクセルを片方外し、
もっとたくさんのほかの要素を増やして、ISUが、より「芸術的」なリサイタルとして評価するようにしなかった?
プルシェンコは素晴らしい演技をした。 彼のフットワークは素晴らしかったし、、スピンは
ライサチェクほど良くはなかったかもしれないが、そんなに大きな違いではなかった。
それに彼は他の誰も挑もうとさえしなかった4回転トゥ+3回転トゥを成功させたんだ。
彼がトリプルアクセルを2回跳んだので、すべてのジャンプが揃っていたんだよ。
しかし、ジャッジが下した採点はばかばかしいものだったよ。
そのバカらしい採点のためフィギュアは一歩後退してしまった。
ブライアン・ボイタノは1988年の時点でライサチェクと同じ技術内容で滑ってたんだよ。
ジュニアだって同じプログラムが出来るさ。
子供達は今この採点を見て、『そうか、4回転は必要じゃないな。プレゼンテーション点のためにフットワークを良くして、
2つくらい上手なスピンをすれば、オリンピックチャンピオンになれるんだ』と思うだろう。
ジャッジの採点は、フィギュアスケートを殺したんだ。
今の採点方法では、それほどリスクを犯さなくても安全策を取ってゴールドメダルを獲得することができるからね。
勝つためにやることを抑えるスポーツなんて他にあるか?
ISUはフィギュアからリスクを取り除いた。私はそれにはうんざりなんだよ。
プルシェンコがいくつかのミスをしたなら、多分確実にライサチェクが金なんだろう。
でもリスクを冒さないプログラムなんてものは私の計算には入ってないんでね。
個人的な感情ではないんだよ。私はエヴァンが好きだから。でも演技を比べて出た結果を見ると、
フィギュアは退化してると言わざる得ない。 私はフィギュアがとても好きだから、このような
ことを言うと自分でも傷つくよ。でもジャッジはゴールドをライサチェクに与えることによって
私の想いを嘲笑ったんだ。
スケーターのせいでこのようなことになっているんじゃないから、誰のお祝いにも水を注したくはない。
これはシステムだからね。
そしてISUは誰が勝つか、誰を負けにするかコントロールしたがっている。
コンポーネントスコアをジャンプの採点より高く出せば良いだけだ。
そして、それはまさに木曜日の夜、パシフィック・コロシアムで起こった。
どうやったらフィギュアを正しい道に戻すことができる? 私には分からないよ。
私はそれについて考えてさえいないんだ。 それは私次第でどうこうできることではないからね。
ISUは彼らが何をしているかを良く知っているようだし。 いや、ISUは自分らが
行ってることを分っていると思い込んでいるんだ。
私としては男子シングルの結果にはガッカリされられたよ。
男子FSについてもう少し・・・
私は高橋大輔がすごいと思ったよ。 彼は4回転に挑戦した。そして4回転に挑戦しようとする
気合もあった。その点では、大輔はライサチェクの上にいるべきだったね。
ジョニー・ウィアーは素晴らしかった。 彼は6位よりも上位にくるべきだ。5位のパトリック・チャン
よりも上にね。ウィアーはチャンより素晴らしかった。少しスピードが遅かったかもしれないが、
彼は自分の力を出し切ったよ。 私は彼に申し訳ない気持ちになるよ。(点数が低かったことに関して)
人々は私が一部のスケーターを叩いていると言っているが、そうではありません。
私はシステムが嫌いなだけで、スケーターを嫌っているわけではないのです。
もし私の意見が偏っていると思うなら……私はかつて『ウィアーのファンではない』と言ったが、
彼はオリンピックでとてもよく滑った。チャンより上位にいるべきです。
私のお気に入り、小塚崇彦は彼に値する得点を得られませんでした。彼のスケートは素晴らしい、
すごいスピン、出場選手中もっとも素晴らしいエッジング。4回転と沢山3回転を跳びましたが、
惜しかったです。
フィギュアはこのような結果になってしまったため、全く尊敬を勝ち取れない。
水増しされた得点、頭を投げつけるかのような感じの歩いているような速度のステップシークェンス。
それは、今システムが必要としているものなのでしょう。
私はアイスホッケーを見ることにするよ。選手達が限界に挑めるからね。 真のスポーツだよ。
・stjko01.jpg (その後、更に出したコメント)
それは西海岸の晴れた土曜日だったが、元世界チャンピオンエルヴィス・ストイコは自分が嵐の中に立たされている事に気づいた。
ストイコは、先週の男子シングルの競技でジャッジを評して彼が言った言葉のせいで、あらゆる方向から叩かれていたのだ。
書き言葉と話し言葉の両方で、ジャッジや新採点システムやオリンピックの新チャンピオン、エヴァン・ライサチェックと
トロントのスケーター、パトリック・チャンに対して厳しい言葉(をストイコが言ったの)だ。
「本当に狂ってる」とストイコは言った。「僕は自分の主張を言っただけで、みんなが激しく非難してくる」
そのリッチモンド・ヒルの出身者(訳注:ストイコ)は、今週、男子シングルの金メダルを
アメリカのスケーター、ライサチェックに与えた事についてオリンピックのジャッジを批判した。
ストイコはオリンピックのディフェンディング・チャンピオンであるロシアのエフゲニー・プルシェンコが、
4回転を着氷した事により最高の賞を与えられるべきだったと考えた。
ライサチェックが、4回転に挑戦すらしなかったのにも関わらず1位になった事が、ストイコを怒り狂わせた。
もう一つ、サン・メディアによるインタビューを受けた時にストイコを腹立たせたことは、
スケート・カナダのハイ・パフォーマンス・ディレクターであるマイケル・スリップチャックに彼が激しく批判されたことである。
スリップチャックは、ストイコはライサチェックに金を与えた事についてジャッジを批判したり、
4回転に挑戦しない事についてチャンをこきおろしたりする資格はないと提言した。
ストイコは彼のヤフー・スポーツのブログで、ライサチェックやチャンのようなスケーターはスポーツを後退させていると言った。
しかしながら、この二日間におけるライサチェックやチャンの支持者からの続けざまの批判にも関わらず、ストイコは一歩も譲ろうとしなかった。
「私は自分の信じる事の為に立ちあがっている」と彼は言った。
「4回転を失くしてしまうのなら、お次は何だ?トリプル・アクセル(を失くすの)か?
私は、彼らが(ジャンプの間に要素を)いろいろ加えようとしてるのは理解してる、
しかしチャンの誰でも4回転を跳べるというコメントはバカバカしい。そんなのは単なる逃げ口上だ。
オリンピックで4回転にトライした男たちは誰でも、それがどんなに難しい事か知っている」
チャンは、スケートは新しく正しい方向へ、つまり、ジャッジが4回転に点を与えようとばかり努力するのではなく、
込み入ったスピンやフットワーク等の要素にきちんと大きな点を与える方向へ、向かっていると言った。
「彼はここ(5位)に値しない。フットワークは4回転よりも難しいと言う事は全然意味が分からない。
パトリックにその、全ての他の要素とやらに4回転を一つ加えるように言ってくれ、そしたらちゃんと話し合おう」とストイコは言った。
「聞いてくれ、パトリックは良くやっているよ。彼はつなぎの要素を素晴らしくやっている、
しかし、リスクがないんだ。私はスポーツに退化してほしくないだけなんだ。
もしそうなるのなら、コスチュームがもっと重要になり、
みんなはよりきらびやかに、より奇抜になって得点を稼ごうとするようになるだろう」
ストイコは、自分がスケートを大切に思うからこそ、そして、彼の志に同意する多くのスケーターや
コーチや役員たちは波風を起こす事を恐れすぎていると信じるからこそ、意見を発しているのだと言った。
「このスポーツでは、人々は話す事を恐れている」とストイコは言った。
「つまりこういう事だよ。殆どのチャンピオンがコメントをしゃべる事に苦労している。
しかし、話す事は神に与えられた権利だよ」
ストイコはお辞儀をして、自分の方がより支持者を集めているという事を付け加えることで、
4回転を跳ばないスケーターに(得点を)与えているように見えるシステムに対する攻撃を続けた。
「私を非難した一人の人につき、私は3人の支持者がいる(訳注:非難した人より支持者が3倍多い)。
道で私に近寄ってきて握手をしてくれる人たちだ」と彼は言った。
・ストイコ発言を受けてのジェフリー・バトルの呟き
_jeff.jpg,
僕はよく振り付けされた、エンターテイメント的なミュージカルプログラムで楽しむのが大嫌いだ!
スケートをすることで必要なものは、
次のジャンプに備えるために呼吸を整えてポーズをとることだ!
僕はもう、これからは本当のスポーツを観戦することにするよ。
それは、心の奥底から、内面から滲み出るものだからね!
・ライサチェックが金メダルと知ったカート・ブラウニングの呟き
_kurtb.jpg,(ちなみにカートはクワド大好きなはずなのだが)
おめでとうライサチェック!
エヴァンはオリンピックに相応しい、驚くほど素晴らしいリーダーで、金メダリストだよ!
プルシェンコが挑戦してくれたおかげで、この金メダルは更に特別になったんだ!
良いヤツは勝つってことさ。
・yuki saegusa のつぶやき
・エヴァンが勝ったわ!自分で勝ち得たの!エヴァン・ライサチェック、おめでとう!
本当にすごいスケートで、本当にすごいチャンピオン!
・エルヴィス・ストイコがどうしたっていうのよ?
・産経新聞の記事
・タラソワの発言
・田村明子女史の記事(Web版Numberより)
・ ロシアフィギュアスケート連盟会長、ヴァレンチン・ピセーエフピセーエフ
6月のISU総会にて、ジャッジの不透明性について議題にあげる予定である要旨。
・このように、かなり議論が紛糾しています。
他選手、関係者コメントも報道が有り次第随時上げてゆきます。