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無限桃花の愉快な冒険16 - (2010/04/20 (火) 02:24:11) の1つ前との変更点
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ここは海沿いの創発の館(仮)。
時は四月。季節は春。桜は咲き、生物たちの命が再び溢れゆく季節。
窓の外には暖かそうな、思わず猫のように丸くなってしまいそうな陽射しが
ない。
久しぶりに自分の部屋で起床したサムライポニーテール少女、無限桃花が見たものは
所謂ホワイトアウト。猛吹雪であった。
しばし窓の外を見た後、再び寝ることにした桃花。寝つきはいいほうではあるが起きたばかりだとさすがに眠れない。
もう一度外を見る。吹雪。桃花はタイムスリップでもしたのだろうと考えることにした。
控えめなノックがされる。どうやら朝食が来たようだ。声をかけると見慣れた人物が入ってきた。
「おはよー」
「ロr、いや料理長さん。おはようござます」
「ロリ桃花、ね。そうかそうか。君はそういうやつだったか。食事はボッシュートさせていただきます」
「いや、待て。待ってください。すみませんでした」
仕方ないなーと言いながら部屋に入るロリ桃花。荷台の上には二人分の料理が載っている。
他の部屋にも配達があるのかと思ったがそうではないらしく、荷台をテーブルまで持っていくと二人分並べていく。
桃花が椅子をもう一つ持っていく頃には、いつも座っている席にロリ桃花が着いていた。
「それじゃあいただこうか」
「そうですね。いただきます」
ちなみに本日の朝食はごはんとみそ汁とおかずという和風セット。詳しい説明は省くがそれはそれはおいしいもので
思わず頬が落ちてしまいそうな出来である。こんなおいしいものが食べれるのは正しくこの館に住まう者の特権であろう。
「ところでこの天気は一体なんなんだ?」
食後のティータイムに桃花がロリ桃花に訊ねる。
「うーん、突然異常気象になったみたいだけどね」
「突然?」
「そう。昨日までは今日の天気は快晴のはずだったんだけどいきなり天気が崩れて」
ロリ桃花が外を見る。いきなり天気が崩れることはあるだろうが四月に吹雪なんてのはおかしい話だ。
桃花もここに来て決して長いほうではないが、普段の気候から考えると南極だとか北極ではないと思っている。
ならばこの天気。春の吹雪の理由とは一体。
「冬の妖精でも暴れてるのかな」
「確かにファンタジーみたいな天候だが……」
「いやいや、いるよ。冬の妖精」
ロリ桃花曰く、冬の妖精とは冬にやってくる可愛らしい少女(無限桃花ではない)で春になると寒い地方に去っていくらしい。
俄かには信じがたい。確かに無限桃花のいたこともある日本では妖怪などが信じられていた。が、実際にいるとは思っていない。
しかしロリ桃花は至って普通にその話をする。雨が降った後、虹が出ることがあるよ。と同じくらい当たり前に言ってのけてしまう。
「こういうのは図書館にいけばわかるかもね」
「図書館か。行ってみるかな」
残念ながらロリ桃花はこの後も仕事らしく、桃花一人で行くことにした。
部屋の前で別れ、桃花は図書館に向かう。ここの廊下は相変わらずあまり光度が高くない。
薄暗いせいかどこか寒いくらい。両手で体を抱いて少し温まる。寒い。そう、おかしいくらい寒い。
前から明らかに気温に違う空気が流れてくる。どこかで窓が開いているのだろうか。そんなことを考える。
しかしそれがすぐに違うことに気付く。廊下に白い物が落ちていたからだ。それは正しく現在外を埋め尽くしているものと同じ。
「なんで雪が……」
霜を踏むような音が聞こえる。空気が段々と寒いを通り越して冷たくなっていく。
「ふふふ」
少女の笑い声。しかしそこに温かみはなく、ただただ冷たい。冷笑とはまさにこのこと。
「桃花」
背後からの声に驚く。振り返るとそこには室内だと言うのに雪山に向かうかのような防寒具を着込んだ人間が立っていた。
仲間である感じはする。だがいかんせん格好が格好だ。分厚い服のせいで体格はわからず帽子とゴーグルで不審人物にしか見えない。
だが前方からは謎の冷気を伴う少女。仕方ないので不審人物に駆け寄る。
「これを被れ」
ぶっきらぼうに言うと大きな毛布をかけられる。寒さが幾分和らぐ。さらに桃花の体を引っ張り、胸に引き寄せた。
あまりのことに開いた口が塞がらなくなる。桃花は乙女なのだ。不審人物だがこんなことされろとなんだかときめく。
「ふふふふふ」
ときめいている場合ではない。冷気はすぐそこまで来ている。不審人物は桃花を右手で抱き、空いた手で腰に着いていたものを
冷気に向かって投げた。
それは一瞬形をゆがめた後、廊下中に炎をばら撒いた。
そこまで来ていた冷気がなくなる。桃花は不審人物に抱かれたままその場から逃げ出した。
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#left(){[[無限桃花の愉快な冒険15]]}#right(){[[無限桃花の愉快な冒険17]]}
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[[クロスオーバーまとめに戻る>桃花クロスオーバー]]
ここは海沿いの創発の館(仮)。
時は四月。季節は春。桜は咲き、生物たちの命が再び溢れゆく季節。
窓の外には暖かそうな、思わず猫のように丸くなってしまいそうな陽射しが
ない。
久しぶりに自分の部屋で起床したサムライポニーテール少女、無限桃花が見たものは
所謂ホワイトアウト。猛吹雪であった。
しばし窓の外を見た後、再び寝ることにした桃花。寝つきはいいほうではあるが起きたばかりだとさすがに眠れない。
もう一度外を見る。吹雪。桃花はタイムスリップでもしたのだろうと考えることにした。
控えめなノックがされる。どうやら朝食が来たようだ。声をかけると見慣れた人物が入ってきた。
「おはよー」
「ロr、いや料理長さん。おはようござます」
「ロリ桃花、ね。そうかそうか。君はそういうやつだったか。食事はボッシュートさせていただきます」
「いや、待て。待ってください。すみませんでした」
仕方ないなーと言いながら部屋に入るロリ桃花。荷台の上には二人分の料理が載っている。
他の部屋にも配達があるのかと思ったがそうではないらしく、荷台をテーブルまで持っていくと二人分並べていく。
桃花が椅子をもう一つ持っていく頃には、いつも座っている席にロリ桃花が着いていた。
「それじゃあいただこうか」
「そうですね。いただきます」
ちなみに本日の朝食はごはんとみそ汁とおかずという和風セット。詳しい説明は省くがそれはそれはおいしいもので
思わず頬が落ちてしまいそうな出来である。こんなおいしいものが食べれるのは正しくこの館に住まう者の特権であろう。
「ところでこの天気は一体なんなんだ?」
食後のティータイムに桃花がロリ桃花に訊ねる。
「うーん、突然異常気象になったみたいだけどね」
「突然?」
「そう。昨日までは今日の天気は快晴のはずだったんだけどいきなり天気が崩れて」
ロリ桃花が外を見る。いきなり天気が崩れることはあるだろうが四月に吹雪なんてのはおかしい話だ。
桃花もここに来て決して長いほうではないが、普段の気候から考えると南極だとか北極ではないと思っている。
ならばこの天気。春の吹雪の理由とは一体。
「冬の妖精でも暴れてるのかな」
「確かにファンタジーみたいな天候だが……」
「いやいや、いるよ。冬の妖精」
ロリ桃花曰く、冬の妖精とは冬にやってくる可愛らしい少女(無限桃花ではない)で春になると寒い地方に去っていくらしい。
俄かには信じがたい。確かに無限桃花のいたこともある日本では妖怪などが信じられていた。が、実際にいるとは思っていない。
しかしロリ桃花は至って普通にその話をする。雨が降った後、虹が出ることがあるよ。と同じくらい当たり前に言ってのけてしまう。
「こういうのは図書館にいけばわかるかもね」
「図書館か。行ってみるかな」
残念ながらロリ桃花はこの後も仕事らしく、桃花一人で行くことにした。
部屋の前で別れ、桃花は図書館に向かう。ここの廊下は相変わらずあまり光度が高くない。
薄暗いせいかどこか寒いくらい。両手で体を抱いて少し温まる。寒い。そう、おかしいくらい寒い。
前から明らかに気温に違う空気が流れてくる。どこかで窓が開いているのだろうか。そんなことを考える。
しかしそれがすぐに違うことに気付く。廊下に白い物が落ちていたからだ。それは正しく現在外を埋め尽くしているものと同じ。
「なんで雪が……」
霜を踏むような音が聞こえる。空気が段々と寒いを通り越して冷たくなっていく。
「ふふふ」
少女の笑い声。しかしそこに温かみはなく、ただただ冷たい。冷笑とはまさにこのこと。
「桃花」
背後からの声に驚く。振り返るとそこには室内だと言うのに雪山に向かうかのような防寒具を着込んだ人間が立っていた。
仲間である感じはする。だがいかんせん格好が格好だ。分厚い服のせいで体格はわからず帽子とゴーグルで不審人物にしか見えない。
だが前方からは謎の冷気を伴う少女。仕方ないので不審人物に駆け寄る。
「これを被れ」
ぶっきらぼうに言うと大きな毛布をかけられる。寒さが幾分和らぐ。さらに桃花の体を引っ張り、胸に引き寄せた。
あまりのことに開いた口が塞がらなくなる。桃花は乙女なのだ。不審人物だがこんなことされろとなんだかときめく。
「ふふふふふ」
ときめいている場合ではない。冷気はすぐそこまで来ている。不審人物は桃花を右手で抱き、空いた手で腰に着いていたものを
冷気に向かって投げた。
それは一瞬形をゆがめた後、廊下中に炎をばら撒いた。
そこまで来ていた冷気がなくなる。桃花は不審人物に抱かれたままその場から逃げ出した。
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