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我輩は何者であるか - (2010/10/24 (日) 11:41:09) のソース
*我輩は何者であるか 作者:wHsYL8cZCc 投稿日時:2010/10/23(土) 04:44:19 ---- 我輩は謎の生物である。名前はまだ無い。 こう言うとパクリだなんだ言われそうだが、このフレーズは既に使い倒されている。今更引用した所であの文豪がとやかく言うはずも無いし、何より使い古された表現ではないか。 使い古された表現。つまりはクリーシェだ。何も問題は無い。 私は女神達との共同生活において、その姿を逐一目撃している。 あまりに神とは掛け離れた生活スタイルはどうかと思うが、私もあまり人の事は言えまい。 それに、猫とも犬とも狸ともつかぬ謎の生物である私と平気で生活し、 かつ私の鳴き声から私が言わんとする事を理解する辺りは十分神がかっていると言えるのではないだろうか。 ちなみに私は人語を解するが、人語は喋れない。身体の構造は超えられない。私の舌は人類が持つ語彙を表現するには機能が足りなかった。 私が何者かと問われれば、私ですら解らないと答えよう。 なぜなら私は謎の生物である。一部ではねこたぬき等と呼ばれては居るが。 猫とも犬とも狸とも取れる私ではあるが、私はそのいずれでも無い。種も科も属も、もしかすると界すら常識の外に居る可能性がある。 なぜなら私は女神と共同生活をしているからである。 最近はめっきり寒くなってきた。身体を伸展させフォルムを変えるのも一苦労である。ひなのの足に脚を乗せ、その間から上を見上げては見たがどうという事は無い。私はそもそも人では無いし、神であるかも知らないのだ。 何の感情も無い。 あと一ヶ月もすれば、あの女神は蜜柑を皮ごと食べるという驚異の食生活を披露してくれるだろう。 その時私は、こたつに入りのんびりそれを眺めるのだ。 私は謎の生物である。名前は募集中だ。 ---- [[発子・クリーシェ単発作品まとめに戻る>発子・クリーシェ単発作品群]]