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匿名ユーザー

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魔法生物


529 :創る名無しに見る名無し:2009/02/19(木) 11:10:26 ID:/epJk7Ue

PCの画面に英文が走る。
その内容は凡そこのようなものであった。
『魔法生物(マギカ・デミ・ヒューマン)を御存じだろうか。
魔法を仮の生命のきっかけとした生物──機関、または現象とも呼べるかもしれない。
古くは昭和の時代からそのアイデアが考案され、
隕鉄を依代としたアンパン頭のキャラクターが子供達の人気をはくした。
今やその漫画は魔法生物のアイデアの起源と目され、魔法生物学の入門書とされている。
理論化には長い年月がかかったが、技術的な課題は非常に少なく、
中世ヨーロッパあたりでも魔法生物の実例が見られたと言う記述が発見されている。
特に古くから確認されている魔法生物を古代種と呼ぶ。
なかでもプリンは別格の存在であり、
パラケルススのホムンクルスこそ魔法生物のプリンだ、という説もある。
パラケルススの死後もプリンは幾度も再生を繰り返し、現在も街にときおり姿を表す。
サンジェルマン伯爵や不死伝説の起源を辿るなら、それはきっとプリンに帰着するであろう。
ハーメルンの笛吹き、ヘンゼルとグレーテル、まんじゅう怖い、
今あげた童話も皆、魔法生物絡みの実話に関連していると思しい』
「ふぅ……」
PCにプリンの概要を打ち込ちこんでいた学者風の男は、手を休めて、目頭を揉んだ。
魔法生物の危険性を説く論文はいままで読んだことがない。
この学者風の男は、掲載率7.8%のネイチャー誌に寄稿する論文を書いているのだ。
「ふふふ、面白い内容だね」
「!」
男は肝を冷やした。
学者風の男の隣りに、いつの間にか誰かが立っていた。
色白くがっちりとした体躯はマネキンのようにツルリとしていて、頭は──プリンだった。
「ふふ、君は少し知り過ぎたようだ。ふふ、ふふふ」
「あ、や、やめっ、ゆるしてっ、……う、うわああああarrrr!!!!」

ネイチャーに論文は寄稿されず、学者風の男は失踪してしまった。
ただ、学者風の男のいた部屋を後で調べると、黒い色の卵──ピータンの魔法生物が黙って佇んでいたという。

〈了〉

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