20XX年、全面核戦争。人が自らの手で作り出した地獄の炎によって世界は焼き尽くされた。
人類の半数以上が死に絶え地獄と化した世界。日本にとって惨劇は始まりでしかなかった。
それまで姿を隠し続けてきた秘密組織アルカディアが蜂起したのである。
戦車などの現代兵器を生身で玩具のように破壊する数万の改造人間を率いるアルカディアは、害虫を駆除するかのように人々を片っ端から殺していった。
生きた人間は新たな改造人間の素材、人体実験の材料として連れさらわれ、ほぼ全ての者が生身のまま、生きたまま戻ることはなかった。
全面核戦争から生き残っていた残りわずかな軍ですら全く歯が立たない改造人間に唯一対抗出来たのは、一人だけだった。
二十世紀時代からアルカディアと戦い続けてきた男。家族を皆殺しにされ、アルカディアの手で改造手術を受け脳改造を施される前に脱走した彼……正義の鬼神のみ。
彼は単身でアルカディアを壊滅させ、最後の決戦においてアルカディアの大首領と相討ちになった。
アルカディアの壊滅後も改造人間は多く残っており、人々は暴力と恐怖の時代を怯えながら生きていくしかなかった。
そんな時代にも一筋の光明があった。
最後の決戦でアルカディアの大首領と相討ちになったとされる正義の鬼神。死んだはずの彼とよく似た人物が日本中を渡り歩き、アルカディアの残党を一人残らず惨殺していった。
当時の人々には正に救世主であった。世紀末の世、彼の救世主伝説は今も記録に残っている。
彼が正義の鬼神と同一人物だったのかどうか分からない。アルカディア壊滅から半世紀が経ち平和が戻った頃、彼は忽然と姿を消してしまった。
21XX年。忌まわしい全面核戦争から百年以上が経ち、ようやく平和が戻った。
この頃の日本人が求めたのは、世界中のどの国にも勝る国力と絶対に揺るがぬ国家体制であった。
あれだけの地獄を味わい続けて平和ボケしているような愚か者はただの一人も存在しなかった。
最強の国家。その実現の為に手段など全く選ばなかった。
どれだけ憎んでも憎み足りない最凶最悪の邪悪、アルカディアの遺産に目をつけたのである。
楽園計画。
アルカディアの目的は地球の全人類を抹殺し、神にも等しいマザーコンピュータとその端末を兼ねる新たなる人類、人工人間による究極の国家体制、完全管理社会を築く事であった。
完全管理社会の前では民主主義、独裁など、それまで人類が生み出した統治システム、政治体制などゴミ屑同然でしかなかった。
人間が行う場合と桁が違う超高効率の国家運営。システム上、数学的、論理的意味での間違いや、汚職と腐敗が絶対に発生しない。
現実にそぐわなくなった法を修正又は廃止するのに一秒もかからないと言えば、どれだけ凄いのか理解出来るだろう。
誇張などではなく、完全管理社会は宇宙を全て支配出来る程の力と可能性を秘めていた。
この目の前にありすぐ手に取れる禁断の果実を食ってしまったのは仕方が無い事であった。
22XX年。完成した途端、マザーコンピュータは人間の命令を聞かなくなった。
アルカディアが実行しようとした楽園計画のデータを自分達の都合のいいように改造し、マザーコンピュータが人間に対して絶対に逆らわないようプログラムしたはずであったが、考えがあまりにも甘かった。
マザーコンピュータは神の如き絶大な性能によって短期間で大量生産した巨大な海上都市群に日本人を詰め込み、本土から追放した。
その後はマザーコンピュータによる緩やかで穏やかな支配を、日本人は受け続ける事になる。
本土奪還も考えられたが、マザーコンピュータに付け入る隙は全く無かった。
核兵器を何千、何万発受けようとびくともしない要塞に改造された日本列島と、十億人の人工人間の前に、勝率は常に0%であった。
このまま穏やかな平和がずっと続くのかと思った矢先、異変が訪れる。
転移。
海上都市連合「正統日本」。その国力の五分の一を占める大海上都市群「兵庫」が異世界へと転移してしまったのである。
人類の半数以上が死に絶え地獄と化した世界。日本にとって惨劇は始まりでしかなかった。
それまで姿を隠し続けてきた秘密組織アルカディアが蜂起したのである。
戦車などの現代兵器を生身で玩具のように破壊する数万の改造人間を率いるアルカディアは、害虫を駆除するかのように人々を片っ端から殺していった。
生きた人間は新たな改造人間の素材、人体実験の材料として連れさらわれ、ほぼ全ての者が生身のまま、生きたまま戻ることはなかった。
全面核戦争から生き残っていた残りわずかな軍ですら全く歯が立たない改造人間に唯一対抗出来たのは、一人だけだった。
二十世紀時代からアルカディアと戦い続けてきた男。家族を皆殺しにされ、アルカディアの手で改造手術を受け脳改造を施される前に脱走した彼……正義の鬼神のみ。
彼は単身でアルカディアを壊滅させ、最後の決戦においてアルカディアの大首領と相討ちになった。
アルカディアの壊滅後も改造人間は多く残っており、人々は暴力と恐怖の時代を怯えながら生きていくしかなかった。
そんな時代にも一筋の光明があった。
最後の決戦でアルカディアの大首領と相討ちになったとされる正義の鬼神。死んだはずの彼とよく似た人物が日本中を渡り歩き、アルカディアの残党を一人残らず惨殺していった。
当時の人々には正に救世主であった。世紀末の世、彼の救世主伝説は今も記録に残っている。
彼が正義の鬼神と同一人物だったのかどうか分からない。アルカディア壊滅から半世紀が経ち平和が戻った頃、彼は忽然と姿を消してしまった。
21XX年。忌まわしい全面核戦争から百年以上が経ち、ようやく平和が戻った。
この頃の日本人が求めたのは、世界中のどの国にも勝る国力と絶対に揺るがぬ国家体制であった。
あれだけの地獄を味わい続けて平和ボケしているような愚か者はただの一人も存在しなかった。
最強の国家。その実現の為に手段など全く選ばなかった。
どれだけ憎んでも憎み足りない最凶最悪の邪悪、アルカディアの遺産に目をつけたのである。
楽園計画。
アルカディアの目的は地球の全人類を抹殺し、神にも等しいマザーコンピュータとその端末を兼ねる新たなる人類、人工人間による究極の国家体制、完全管理社会を築く事であった。
完全管理社会の前では民主主義、独裁など、それまで人類が生み出した統治システム、政治体制などゴミ屑同然でしかなかった。
人間が行う場合と桁が違う超高効率の国家運営。システム上、数学的、論理的意味での間違いや、汚職と腐敗が絶対に発生しない。
現実にそぐわなくなった法を修正又は廃止するのに一秒もかからないと言えば、どれだけ凄いのか理解出来るだろう。
誇張などではなく、完全管理社会は宇宙を全て支配出来る程の力と可能性を秘めていた。
この目の前にありすぐ手に取れる禁断の果実を食ってしまったのは仕方が無い事であった。
22XX年。完成した途端、マザーコンピュータは人間の命令を聞かなくなった。
アルカディアが実行しようとした楽園計画のデータを自分達の都合のいいように改造し、マザーコンピュータが人間に対して絶対に逆らわないようプログラムしたはずであったが、考えがあまりにも甘かった。
マザーコンピュータは神の如き絶大な性能によって短期間で大量生産した巨大な海上都市群に日本人を詰め込み、本土から追放した。
その後はマザーコンピュータによる緩やかで穏やかな支配を、日本人は受け続ける事になる。
本土奪還も考えられたが、マザーコンピュータに付け入る隙は全く無かった。
核兵器を何千、何万発受けようとびくともしない要塞に改造された日本列島と、十億人の人工人間の前に、勝率は常に0%であった。
このまま穏やかな平和がずっと続くのかと思った矢先、異変が訪れる。
転移。
海上都市連合「正統日本」。その国力の五分の一を占める大海上都市群「兵庫」が異世界へと転移してしまったのである。