「燃え立つ激気(げき)は正義の証!」
【あらすじ】
「獣を心に感じ、獣の力を手にする拳法『獣拳』。『獣拳』に、相対する2つの流派あり。1つ、正義の獣拳・激獣拳ビーストアーツ!1つ、邪悪な獣拳・臨獣拳アクガタ! 戦う宿命の拳士達は日々、高みを目指して、学び、変わる!」
獣拳は獣の力を心に感じ、獣の力を手にする拳法。
古代中国で誕生したこの拳法はある時を境に正義の志を学ぶ流派「激獣拳ビーストアーツ」、邪悪で強大な力を求める流派「臨獣拳アクガタ」へと分かれた。
現代、激獣拳はスポーツメーカー「スクラッチ」を組織、最新のスポーツ科学を使い、その技を進化させていた。
一方、臨獣拳は理央(黒獅子リオ)という青年に率いられ悪の組織「臨獣殿」を再興していた。
樹海で虎に育てられた青年「漢堂ジャン」は「スクラッチ」の女性重役「真咲美希」と偶然出会い、才能を見出され「ゲキレンジャー」の一員、ゲキレッドとなる。
ジャンは「宇崎ラン」、「深見レツ」といった若きゲキレンジャーの仲間達と共に、「マスター・シャーフー」を始めとした「七拳聖」との修行を通じて「心、技、体」を磨き、学び成長していく。
対する臨獣殿の「理央」も強さを求め、腹心の部下となる女性拳士「メレ」と共に、かつての大乱により封印されていた「三拳魔」を蘇らせ、彼らとの修行などを通じ力を増していく。
2つの流派の物語は邪悪な心を有し、永遠を生きる悪意との因縁めいた戦いへと変じ、長きに渡る2つの流派の因縁は1つの終焉へと向かっていくのだった。
スーパー戦隊シリーズ31作目。
放送時間帯を日曜朝帯に移してから、11作目を迎えた本作はモチーフを中国武術と動物に置いた作品となった。
「獣拳」と呼ばれる架空の拳法を題材にし、過去に袂を分かった正邪2流派の相克の中で両派の拳士が学び成長していく姿を描いている。
敵側に戦隊側と同格の比重を持たせ並列に描写する事により、大河ドラマ的なストーリー展開を目指した。
スタート時は3人編成の戦隊だが、中盤から追加メンバーが加わり5人戦隊となる。
戦隊メンバーは正義の流派「
激獣拳ビーストアーツ」が組織したスポーツメーカー「スクラッチ」に所属し、敵対する邪悪な流派「
臨獣拳アクガタ」は悪の組織「
臨獣殿」として暗躍。
物語はゲキレンジャーの活躍により、
獣拳の流派が1つに戻るまでを描いたもの、戦隊の5人、敵側の3人が主人公格の登場人物となり、例年どおりオーディションにより選ばれた若手俳優8人が演じた。
「過去の因縁」を感じさせるストーリー展開やトラックスーツ的なベルトのない戦隊スーツをシリーズで初めて採用するなど。
随所にカンフー映画の影響が見られ、アクションは等身大の戦闘に加え、巨大戦においても肉弾戦を主にする格闘がメインとなる。
また、巨大戦時には「バエ」によるプロレス中継的な実況が加わる演出が採用された。
玩具展開の主力となる巨大戦の戦隊ロボは動物の姿を模したアニマルモチーフで、スポーツ用品をデザインに取り入れている。
次々と新たな機体が合体を繰り返し合体数を増していく近年の作品と異なり、3体合体を基本とし、追加パーツ的な4体目を戦闘形態に合わせて選び付け替える「換装型」の合体形式をとる。
実質的に『地球戦隊ファイブマン』以来の視聴率不振を起こし、関連商品の売上も不振だった事から次作の『炎神戦隊ゴーオンジャー』は原点回帰を狙う作風になった。
普通のライバルキャラではなく「臨獣拳側の主人公」として扱われている理央とメレのキャラクター描写や、幻獣拳が登場してからの全ての過去の悲劇が「ロン」に収束する終盤の展開は一定の評価を得ている。
最終更新:2019年11月26日 17:45