「果て無きボウケン魂(スピリッツ)!」
【あらすじ】
「命懸けの冒険に、今日も旅立つ者がいる。密かに眠る危険な秘宝を守り抜くために、あらゆる困難を乗り越え進む、冒険者達!」
地球に眠る、大いなる力を秘めた古代の秘宝――
プレシャス。
世界を滅ぼす事も容易く、
それらの秘宝を狙う悪は多くいる。
民間団体「サージェス財団」はプレシャスを回収、悪の手に渡らないように保護や管理する精鋭部隊を結成した。
彼らこそ「轟轟戦隊ボウケンジャー」。
ボウケンジャーのリーダー、明石暁達3人は新メンバーの伊能真墨や間宮菜月と共に、プレシャス「
ゴードムの心臓」の回収に向かう。
入隊テストを兼ねて先行した新メンバー2人だったが、トラップに引っ掛かり大地の震えとともに海底遺跡が浮上。
遺跡内の奥深くにあった石棺の封印も解け、
ゴードム文明の古代人「
大神官ガジャ」も眠りから覚めてしまう。
改めて5人で遺跡に突入したボウケンジャーは目的の「プレシャス」を発見するのだが。
スーパー戦隊シリーズ30作目。
スーパー戦隊シリーズ第30作の記念戦隊となる本作のモチーフは「冒険」、「トレジャーハンティング」。
地球に眠る宝「プレシャス」を巡る正義と悪の争奪戦を描いている。
大きな特徴が、戦隊の目標が「敵組織の打倒」ではない事だろう。
ボウケンジャーの第一任務はあくまでプレシャスの保護で、悪の組織との戦いは「プレシャスを悪事のために狙う者の排除」として展開される。
本作のレッドでもあるボウケンレッド/明石暁は「冷静沈着な頼れるリーダー」として設定されている。
単純一途な熱血漢に設定される事が多かった90年代のレッドに対し、本作で「冷静なリーダータイプのレッド」を採用することには東映でも「今の子供には熱血タイプの方が感情移入しやすい」これでは昭和の戦隊ではないか」という声が挙がったという。
これに対し、チーフプロデューサーの日笠淳は「レッドの枠を狭めるのは良くない。現在でもリーダータイプのレッドは人気を得られるはず」と主張し、結局日笠の意見がそのまま採用された。
明石暁はメンバーの指揮権や人事権を一手に持つ絶対的なリーダーだが、演じる高橋光臣氏の個性も反映された結果、物語の進行に連れコミカルな面も描かれるようになった(Task27での開運フォームなど。)。
作劇上のもう一つの特徴が「ゴードム文明」、「ジャリュウ一族」、「ダークシャドウ」、「クエスター(アシュ)」といった、複数の敵組織が並行して存在する事。
第三勢力的な存在は過去作にも何度か登場したが、「組織」としての敵が複数存在するのは初めてで、時にはボウケンジャーと敵組織で三つ巴や四つ巴の戦いも展開される。
轟轟」の文字が表すとおり、
「乗り物」も本作におけるモチーフの一つで、登場した「巨大メカ」はシリーズ最多となる18種類。
一方、等身大時に乗用するマシンが本作では廃されており、以降のシリーズでの登場は『
特命戦隊ゴーバスターズ』まで待つ事になる。
30作目の記念企画として、ED後には全30戦隊を順に紹介するミニコーナーが挿入されているのも特徴(大人の事情でDVDなどには収録されていない。)。30作品紹介後にはスーパー戦隊スペシャルファイルと題して戦隊にかかわる物を紹介し、最後は次作の獣拳戦隊ゲキレンジャーの紹介で締めくくられた。
本作のVシネマ『轟轟戦隊ボウケンジャーVSスーパー戦隊』ではオリジナル戦士「アカレッド」が登場し、5年後の35作記念作品の『
海賊戦隊ゴーカイジャー』で大きな役割を果たす事になる。
最終更新:2019年09月09日 16:57