譜面を構成するファイル
譜面の作成はStepmania本体で行う事が出来ます。曲データ1曲分を構成しているファイルは次の通り。
構成 |
拡張子 |
使用場所 |
補足 |
音楽 |
mp3/ogg/wav |
必須です |
wavはPCMのみ使用可能 |
譜面 |
ssc/sm/dwi/bms |
必須です |
smは必ずUTF-8で保存 |
バナー |
画像(bmp/gif/jpg/png)または動画(mpg/avi) |
選曲画面で使用されます |
動画はMPEG1/Xvid/DivX(~6.8.5)のみ |
背景 |
画像(bmp/gif/jpg/png)または動画(mpg/avi) |
プレイ画面で使用されます |
同上 |
歌詞 |
lrc |
プレイ画面で使用されます |
必ずUTF-8で保存 |
これらをグループフォルダ内の同一フォルダに格納して下さい。
認識しない恐れがあるのでフォルダ名やファイル名には日本語(マルチバイト文字)を使用しないで下さい。
smファイルの作成
作成にはテキストエディタを使います。Windows2000以降ならメモ帳で十分でしょう。
smファイル(譜面データ)の文字コードは必ずUTF-8にします。
保存する時は拡張子を.smにして下さい。
以下にsmファイルとして認識させる時に最低限入れた方がいい設定項目を記します。
※各項目の後の「:(コロン)」と「;(セミコロン)」の間に記述して下さい。
#TITLE:タイトルを設定。入力がなかった場合はフォルダ名から自動で読み取ります。
#ARTIST:アーティスト名を設定。入力がなかった場合は「Unknown artist」となります。
#BPM:0.000の形で小数点第3位まで指定可能。事前にツール等で測定しておきましょう。
4.0ならオプションのAssist内にあるSync Tempoでプレイしながら計測出来ますがお勧め出来ません。
Stepmania付属 EDIT画面での操作
smファイルの編集
以下にEDITを終えた後に細かく設定出来る主な項目を記します。
#TITLETRANSLIT:タイトルの読み方を設定。タイトルソートや文字化け対策になります。
#SUBTITLETRANSLIT:サブタイトルの読み方を設定。タイトルソートや文字化け対策になります。
#ARTISTTRANSLIT:アーティスト名の読み方を設定。アーティスト名ソートや文字化け対策になります。
#LYRICSPATH:歌詞ファイル(*.lrc)の場所を指定出来ます。
#CDTITLE:CDタイトル(バナー右上でくるくる回っている画像)の場所を指定出来ます。
#BANNER:バナー画像の場所を指定出来ます。
#BACKGROUND:背景画像の場所を指定出来ます。
また、下3つは同じフォルダにCDTITLE,BANNER,BACKGROUNDという名前のファイルがあれば自動認識されます。
smで指定したファイルとCDTITLE等の名前がついたファイルが混在した場合は、smで指定したファイルが優先されます。
#DISPLAYBPM:BPM表示を指定できる。
*と書くとBPM表記が不明に
X:Yと書くとX~Yの変速表示になります。
(dwiファイルのときはX..Y)
#CREDIT:コメント欄。何を書いてもゲーム上で影響がありません。
#SELECTABLE:これを「NO」にするとMUSIC SELECT画面で選択出来なくなります。
また、「ROULETTE」にするとルーレットの時しか出なくなります。
この項目はStepMania側の設定で無視される事もあります。
文字化け対策 (国際対応)
標準
テーマは本体のバージョンに拘らず日本語の対応が不完全です。ネットに公開する場合は他のPC環境で文字化けしないよう保険として英語表示も出来るようにしておいて下さい。
例えばメモ帳等でsmファイルを開いて、
#TITLE:ハレ晴レユカイ;
でUTF-8で保存すると日本語表示になりますが、漢字フォントが入っていないと文字化けします。そこで、
#TITLETRANSLIT:HareHareYukai;
を追加してUTF-8で保存すると、漢字フォントが入っていなくても英語フォントで表示できます。
サブタイトルやアーティストも同様に、
#SUBTITLETRANSLIT:;
#ARTISTTRANSLIT:;
の記述を追加して英語で入れれば、最悪でも英語表示は出来るようになります。
(2スレ307さん引用&改変して使わせていただきました)
※但しこれらを指定した場合、ソートはこの3つの設定が優先されます。日本語(aiueo)とアルファベット(abcde)では文字の順序が異なるため選曲画面での日本語タイトルの並び方は滅茶苦茶になります。「別に外国人になんかプレイしてもらわなくてもいい」と考える人は無理にこれらの項目を設定しなくても構いません。
Offset~bpmの特定
まず、どうしても微変動が生じてしまう音楽があります。普通に演奏している物は人間がやってるからずれて当たり前、仕方ありません。
一方、打ち込み(DTM)の曲は(意図的にずらしてなければ)ずれていません。
ゲーム曲等は打ち込みの曲が多いです。
まずOffsetの特定
最初にEDITに入った後、F11とF12キーでオフセットを合わせる訳ですが、1小節目に出だしの音を合わせます。
拍子の最初から始まってない曲は、拍子の最初を1小節目に合わせるようにして下さい。
この時、普通に曲を聴いて合わせようとするとほぼ間違いなくずれてしまうので、まず最初に矢印を一つ置き、次にMainMenuのSong Optionを選択してRateをx0.3にし、Assist Tick(F4)をオンにして改めて曲を聴き、合わせましょう。
曲を聴いて微調整を繰り返せばほぼ合わせられるはずです。
この時.smファイルを開いて直接編集すれば1/1000秒単位で合わせられます。
このレベルでずれていても人間はまず気がつきません。と言うかズレなんて判りません。
出だしがぼやけてはっきりしない曲の場合は、この方法で大体でいいのでoffsetを合わせた後、はっきりする音が出る所(スローで聴いてドラムやピアノ音がはっきり聴こえる所)で改めて合わせて下さい。
BPMを特定した後であれば、曲を聴きながらF11/F12で調整すると楽ですね。勿論AssistTickはオンで。
ちなみに、Stepmaniaに標準で入っているAssistTickには、音声ファイルの先頭に若干の無音部分があるようです。
ちゃんとオフセットを合わせたはずなのに判定がずれていると感じるときは、それを考慮に入れる(ぴったりのタイミングよりわずかに遅らせる)といいかも知れません。
※人により感覚が異なるためAssistTickを用いてのタイミング調整はお勧め出来ません。
BPMの特定(BPMが一定の曲)
まず曲を普通に聴いて大体のBPMを合わせます。
BPM調整→聴いて譜面とのズレがないか確認→BPM調整…と繰り返すと大体合ってきます。
この時、譜面に矢印を小節の最初に置くか、4分ノート(赤矢印)をズラーッと並べ、Assist Tickと比較すると分かり易いです。
次に曲の最後の方(一番最後ではなく、その少し手前の方が望ましい)のドラム音に合わせます。
Offsetの時と同じく矢印を置いてRateをx0.3にし、Assist Tickをオンにして完全に一致しているかを確認します。
一致してない場合はBPMを1/100単位で微調整して下さい。.smファイルを直接編集すると、同じく1/1000bpm単位での調整が可能です。4.0ではEDIT上で直接数値を入力出来ます。
※本家DDRでも1/100単位でズレている曲は結構多いです(例:AM-3P:130.02、Be Lovin:185.05、Frozen Ray:155.95etc…)。
後は好きなように矢印を配置すれば出来上がりです。
余談ですが、普通に聴いたら速過ぎてはっきり聴き取れない部分もRateをスローにして聴くと聴き取る事が出来るので譜面制作に役立てて下さい。
但し聴き取れないレベルの細かさでノートを配置すると足で踏めない譜面が出来上がる恐れがあります。
ボーカルに合わせた配置にしようとしても少しずれている場合もスローにして64分ノート等を使えば強制的に合わせる事が出来ます。
因みに.smファイルを開いて直接編集すれば192分ノートまで設置する事が出来ます。このレベルなら音合わせ譜面でもズレは感じないと思われます。
BPMの特定(BPMが揺れている曲)
大きく分けて3つの方法があります。
- スローで曲を聴いてズレないようあちこちで調整する(1小節毎や、ずれがある箇所毎)。手間と時間がかかる。
- 最初と最後だけ合わせて途中は64分ノート等を使って無理矢理合わせる。レーダーの変速度が上昇する問題あり。
- 多少のズレは無視してしまう。どうしても合わない部分だけに使う最後の手段。
基本は1.で調整し、合わない部分は2.を使うのが無難です。余程の事がない限り3.は避けて下さい。
このタイプの曲は調整の労力がBPM一定曲の比ではないのでそれなりに覚悟して望んで下さい。しかし完成した時の喜びは格別です。
選曲画面のBPM表示は#DISPLAYBPMで平均値を指定すれば表示上は微変動を誤魔化せます。
計算によるBPMの特定
- Audacityを使用
- LAMEのパス通すかWAVEに変換するかして音楽ファイルを開く
- 特定の区間(始点・終点は小節の始まりであること)の始点・終点の時間を出来るだけ正確に計って区間の時間を計算
- 区間を再生して耳で小節数を数える
- 小節数からビート数を計算
- BPMを求める
BPM=ビート数×60÷秒数
7. 誤差を考慮して適当な値に直す
例えば24.28秒~42.13秒の2区間が9小節だった場合…
- 2区間の時間は 42.13-24.28=17.85秒
- 9小節あるので 9×4=36拍(4/4拍子の場合)
- BPM(1分間に何拍あるか)は「2区間の拍数÷2区間の秒数×60」で求められるので
36÷17.85×60=121.0084
4. 誤差を考慮して、おおよそ121BPM
BPMの特定(専用ツール使用)
BPMの特定(BMS系の場合)
bms/bme/bml/pms/dtx/gdaファイルを見れば一発で判ります。但し、変調子の曲だった場合は若干注意が必要です。
曲ファイル自体の編集
使用する曲ファイルの長さが2分30秒以上の曲はロング、5分以上はマラソンと曲選択時に表示され、それぞれ2曲、3曲分扱いになります。これはStepMania.ini(3.9系)またはPreferences.ini(4.0系)のLongVerSecondsとMarathonVerSecondsの項目を直接弄る事で設定を変更する事が出来ますが、ネット上に公開する等の場合は、特に曲への拘りがない限り標準設定に合わせて2分30秒未満に収めた方がいいでしょう。
SoundEngine Free等のサウンド編集ソフトを用いて繰り返し部分(たとえば「曲の2番~ラストまで」等)を削ったり、曲の途中でフェードアウトさせる等して丁度いい長さにして下さい。
歌詞ファイルの編集
歌詞のある曲はプレイ中画面下に字幕を表示する事が出来ます。
テキストエディタ等で歌詞を打ち込み、拡張子を.lrcにして保存して下さい。
以下に例を示します。
[0:01.23]歌詞1
[0:12.34]歌詞2|歌詞3
[COLOUR]0xFFFFFF
[1:23.45]歌詞4
…(以下ずっと歌詞と時間を指定していく)
この内容でプレイすると、曲が流れてから1.23秒後に「歌詞1」という字幕が表示され、
12.34秒後に「歌詞2」「歌詞3」という字幕が2行になって表示され、
1分23.45秒後に「歌詞4」という字幕が白色で表示されます。
歌詞が表示される時間は、手持ちのメディアプレーヤー等で確認するか、サウンド編集ソフトで確認するか、後述のタイムタグ入力ソフトを使って下さい。
2行以上使って歌詞を表示したい場合は歌詞の間に「|(縦線)」を挟んで下さい。
試しに10行分打ち込んでみましたが表示可能でした。
文字の色を変えたい場合は[COLOUR]0xRRGGBBのように16進数で色を指定して下さい。
何も指定していない場合(例なら歌詞1~3の部分)はdefaultテーマの場合、緑色で表示されます。
例の[0:01.23]のような時間表記をタイムタグと呼びますが、
Lyritorのようなソフトを使えば簡単にタイムタグを入力する事が出来ます。
但しStepMania上での書式は
[00:00.0]、
[00:00.00]、
[00:00.000]の何れか(1/10~1/1000秒単位)なのでテキストエディタで修正する必要があります。
@TimeRatio等のタイムタグの下に出来る追加情報は消してしまって構いません。
尚、3.9系と4.0系では実際のプレイ画面での歌詞表示タイミングに互換性がありません。
4.0は歌詞の長さに拘らず次のタイムタグまでの時間に合わせて表示時間が自動調整されますが、3.9ではこの機能がない上に表示を終えると消えてしまうため場合によっては歌詞を細かく分割する必要があります。
逆に3.9ではその影響で問題のない「長い間奏」が4.0ではその時間も含めて表示時間を調整してしまうため、間奏の頭で空タグ(タイムタグだけの行)を挿入しないと表示が異様に間延びしてしまいます。
公開時の注意点
- 違法なファイルを含む譜面をアップロードしない。
- EDITで作成時に生成される「*.old」というファイルを削除する。
- エクスプローラが自動生成するサムネイルキャッシュ「Thumbs.db」も削除する。システムファイルは通常非表示なので注意。
- .smと.dwiは両方入れておく。特にBGAnimationを設定している場合は低性能PCユーザーのために。但し地雷、ロール、リフト、ヒドゥン、フェイクを使用している譜面は必ずdwiを削除する(これらのステップ種に非対応のため)。また使用している事を必ず書く。
- 画像はBMPだと容量を食うのでPNG/GIF/JPEGの何れかに変換する。
- 動画は320×240位、大きくても640×480までにする。StepManiaの標準解像度が640×480なのでそれ以上大きな動画にした場合、環境によっては何らかの不具合が発生する可能性があります。またファイルサイズも20MB未満に抑えた方が良いでしょう。
最終更新:2011年06月17日 11:50