警察庁の『漫画・アニメ・ゲーム表現規制法』検討会問題まとめ @Wik

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J-WAVE(FM 81.3)2006/04/13(木)

OP「先週木曜日、児童ポルノから子供を守る運動をしているアメリカの市民団体
   『児童失踪・児童虐待国際センター』が、ICPOと協力して184カ国を対象に行なった
   世界の児童ポルノ規制に対する実態調査結果を発表しました。
   その中で、日本は法律制度の充実度に関するランクで、下から2番目の「不適切な国」に
   分類され、G8主要8カ国中、最下位でした。
   十分に包括的な法整備がなされていると判断された国は、アメリカ、フランス、
   オーストラリア、ベルギー、南アフリカの5カ国。
   日本の児童ポルノ規制の現状は、一体どうなっているのでしょうか?
   そこで今夜は、児童ポルノ規制に詳しい弁護士の山口貴士さんをスタジオにお招きし、
   さらにフランス・パリ在住の日本人スタッフが作るウェブサイト「フランス雑波」の
   編集長、松本卓也さんに電話を繋ぎ、十分な法整備がなされているフランスの
   現状と日本の現状について、お話を伺っていきたいと思います」

内田「先週の木曜日、児童ポルノから子供を守る活動をしているアメリカの市民団体
   児童失踪児童虐待国際センターが、国際政治警察機構インターポールと協力して
   184カ国を対象に行った児童ポルノ規制の実態調査を発表しました。
   その中で日本は法律制度の充実度のランクで下から二番目の不適切な分類に分類され、
   G8主要八カ国なんと最下位だったということです。
   日本の児童ポルノ規制の現状は一体どうなっているのでしょうか。
   リポーターは平尾美穂さんからです」

平尾「今回発表になった実態調査によりますと、184か国中半数を超える95カ国で児童ポルノを
   制定されておらず、児童ポルノの所持が犯罪でない国も3/4、日本を含む138カ国にのぼる
   ことが分かりました。また、十分に包括的になされているとされた国は、アメリカ、
   フランス、オーストラリア、ベルギー、そして南アフリカの五カ国だったそうです。

内田「なるほどねぇ…アメリカは十分な包括的な法整備がなされているとの事なんですけど
   法律と現状というものはまた別に考えないといけないんじゃないんでしょうかね」

平尾「では内田さんは児童ポルノについて取材されたことはあるんですか?」

内田「直接取材したことは実はないんですけど、知人が取材したことがありまして、その時に
   資料として見せてもらったことがあるのですけど、これは現実の意味で児童ポルノに
   あたるかどうか分からないんですけど、小さい女の子が…外国人なんですけど日本の名前を
   与えられてさも日本人であるかのように色んなポーズを取らされて性的な写真集が作られて
   いたんですけど…恐ろしかったですね(てめーその資料で抜いただろ)」

平尾「実はインターネット上で映像を横行しているようなのですが、果たして日本の法規制は
   現在どのようになっているのでしょうか。そこで今夜は児童ポルノの法規制に詳しい
   法律の専門家の方をスタジオのお迎えしました。弁護士の山口貴士さんです」

山口「よろしくお願いします(一同挨拶)」  

平尾「児童ポルノに関しては私ちょっと分からないことだらけなんですが現在日本での
   児童ポルノに関して定義を教えていただきたいです。定義ってなんですか?」

山口「日本の児童ポルノの場合ですと…児童っていうのは18歳未満を指しますが18歳未満を
   相手方とする、または18歳未満による性行為、SEX、もしくは性交類似行為を描写したもの
   もしくは他人が児童の性器を触る行為とか児童が性器を触る行為とか…それであって
   性欲を興奮させるもの、あるいは衣服のもしくは衣服の一部をつけない肢体であって
   性欲を興奮させるものをですね、児童ポルノと言っております。
   児童といいますけど18歳未満ですからちょっと日常の語感とは違うと思います」

平尾「18歳未満は全て入るということですね。
   これはどんな法律があってどんな規制がなされているんですか?」

山口「まあいわゆる児童買春児童ポルノを取り締まる法律というのがありまして、基本的に
   子供を性的搾取から守るというのが主な趣旨の法律ですから、児童ポルノだけでなく
   児童買春もしくは児童に対して金銭もしくは利益を与えるSEXあるいはその周旋すると
   そういった行為についても処罰するという法がなされております」

平尾「これは男子女子が同じように対象になっているわけですか?」

山口「これは18歳未満という区切りがされているだけなので
   男性女性というのは一切問題視されておりません。」

内田「男の子が対象になることもあるわけですよね?」

山口「それは当然ありえます」

平尾「これは取締りの対象となるものは写真とか映像ですよね…ネットはどうなんでしょう?」

山口「ネット上にあがっている物もですね、要するに視覚的に見ることができるもの例えば写真や
   映像がアップされてれば当然規制の対象にはなります。ただしいわゆる小説であるとか
   音声だけであるとかそういう物はこちらの法律の関係では取締りの対象にはなりません。
   あと児童がですね、実在していない、つまり実在には存在していない被写体については
   日本の法律では規制に対象にはなっておりませんのでいわゆる漫画とかとかですね、
   あとアニメなどは規制の対象外です。ただし描かれてあっても実際目の前で行われている
   児童に対する性行為…そういうのをスケッチしたような描写のものはですね、
   その他のものというカテゴリーで、規制の対象にはなります」

内田「なるほど。違法な行為が現にあってそれが漫画に描いていれば、
   それが規制の対象になるということですね」

山口「違法とは限らないんですよ。例えばですね日本だと十六歳で結婚できますから、
   16歳の女性と22歳の男性が夫婦であって性行為をしていると。これは適法なんですけど、
   これを描写してしまうと児童ポルノになると。被写体は16歳ですから」

平尾「何だか本当に規制の仕方が曖昧というか、よくわからないですよね本当に…
   じゃあ漫画やアニメは規制の対象にならない、対象にならないということですよね?」

山口「はい」

平尾「でも漫画やアニメでも何かかなりキワドイな、と思うこと私すごく多いんですけど
   (てことはキワドイシーンの出てくる漫画とか見てるって事?)
   これはやっぱり児童ポルノとは別の扱いになるということですね」

山口「そうですね。児童ポルノというのは被写体の子供の人権が侵害されると。
   それが映像化されて流通してしまうのはさらに児童を傷つけると。
   そういう趣旨から規制されたものなんですね。
   ところが紙に描かれたものは二次元のキャラクターですね、CGとかだったら3次元かも
   知れませんけれども、それはまあそもそも人権が無い訳ですよね。
   ですからそれらに関しては児童ポルノという範疇に入らないと。
   それからもう一つ問題点がありまして、日本の場合、
   18歳未満という定義をされているんですけど、紙に描かれたものに年齢はないんですね。
   例えば設定を宇宙人にしてますと、これは5歳に見えるけど実は5000歳とかですね、
   幾らでもあり得るわけですよ。あともう一つは体型とかって千差万別だと思うんですけど
   実際には、実寸的には写されているものが子供かどうかというのは小児科医とかに
   見てもらったりするわけですけど、フィクションの年齢というのは実際見極めるのは
   無理なんですよね。
   幼児体系で顔は全く大人とか逆に顔は子供なんだけど肉体は完全に大人と。
   それは幾らでも作れるわけですね」

内田「設定ってことですよね?」

山口「だから規制の対象が早めになってしまって、あともう一つ何を守ろうとしているのか
   それが非常に曖昧になってしまうんですよね。だから私はですね、漫画とかアニメとかは
   規制の対象にするべきではないと思います」

内田「それは国際的にはどうなんですか?」

山口「それはですね、これを取り締まってる国というのもあるようなんですけれども
   国際的なコンセンサスにまで到っておりません」

平尾「単純にそういう映像だとか写真を所持しているのはいいんですか?」

山口「いいかどうかは別として、単に持っているだけでは懲罰にはなりません。
   ただし日本の場合はですね、提供、と言いまして、例えばですね、
   私が今日スタジオに来てらっしゃる平尾さんに見せるという目的で持っていても
   逮捕されてしまうわけですね。人に見せる目的で持っているとか
   そういう場合は逮捕されてしまうわけですね。
   要するに自分で純粋に見るだけの目的であれば規律の対象にならないのですけれど
   他人に見せる目的があったりすると、例えば友達にこっそり見せる目的であったとしても
   それは提供になりえますので事実上単純所持処罰に等しい状況と言えると思います」

内田「提供行為がなくても・・・」

山口「提供する目的があったら駄目です。だから、『僕友達に見せよう』と思って鞄に入れて
   持ち歩いていると。それはもう罪なわけです」

内田「なるほど。家に置いときなさいってことですか?」

山口「持ち歩いても、一人で見て楽しむつもりであれば別に構わないわけなんですけれども
   ただ自分で見るだけなんですよね。見せるという事を目的とした瞬間に所持していたら
   それは犯罪になってしまいますので、事実上単純所持を処罰するのに等しい状況です」

内田「実際に処罰された例はありますか?」

山口「すいません、不勉強なんでそこまで分かりません」

平尾「アメリカやオランダでは単純に持っているわけでも処罰されてしまうわけですよね?」

山口「オランダは分かりませんけど、アメリカは所持を処罰しています。ただ、日本と違って
   割とポルノグラフィーの定義が明確ですので問題は起きないんですが…」

内田「それはどういうことですか?」

山口「日本の場合ですと、児童が明らかにSEXしていると、あるいは性器いじってると、一見
   明らかに児童ポルノであると言うもの以外にですね、例えば衣服の全部または一部を
   つけない児童の姿であって、性欲を興奮させるものは含まれるわけですね。
   普通の水着ならいいですが、例えばヌードとか、トップレスであるとか
   芸術的ヌードであるだとか非常に取締りの範囲が不明確なんですよね。
   そういう場合単純所持として逮捕してしまうと非常に法律的グレーゾーンが
   広がってしまう、という問題点があると考えています」

平尾「今回アメリカの市民団体である児童虐待国際センターが行った調査では、
   日本はG8中法規制の充実度が最下位という結果だったわけなんですけど、
   これに関しては山口さんはどう思いますか?」

山口「この判断基準の中に、単純所持、単に持っているだけで処罰するかというのがあって、
   それを処罰しない国は基本的に十分でないという結果を出すものなんですね」

内田「ちょうど今話してたとこですね」

山口「ただ、これは各国が法律を制定した結果どれだけ効果があったという議論じゃなくて、
   単にどういう条文があるかということを比べてるだけなのでですね、
   あんまり意味があるという風に思わないわけですよね。それは何故かと言いますと、
   例えばちょっと古い統計なんですけど、2002年人口十万人あたりの強姦事件の
   発生件数で言いますと、日本は10万人あたり1.85件なんですね。
   それに対して今回の(G8では)ベルギーでは23.57件、イギリス22.62件、
   アメリカ32.99件(おいおい…調べた国がそれかよ)と非常に犯罪率が高いわけです。
   そうすると、これらの性犯罪が多い国において厳しい法律が必要なのかも
   知れないわけですが、我が国において果たしてそれらが必要なのかと。
   つまり他の国がやってるからといっても状況が違うわけですね」

平尾「じゃあ結して緩いとは思わないわけですね?」

山口「思いませんね。規制が不十分というかもしれませんが、
   子供が平気で夜遊びできる国なんですよね東京は。これはなかなかないですね」

内田「最近難しいですが…(←条例で。治安が悪くなったわけではない)」

山口「それでも他の国に比べればはるかに安全だと思います」

平尾「そうですよね…ではここで一曲聴いていただいたあと十分に包括的な法整備が
   なされているとさるフランス電話を繋いで、山口さんと意見を聞きたいと思います」

平尾「前半は日本の現状について山口さんにお話を伺ってきましたけど
   フランスの状況はどうなっているのでしょうか。フランスパリ在住の
   日本人スタッフが作るWabサイト「フランスザッパ」の編集長、松本卓也さんと
   電話が繋がっております。松本さん今晩は」

松本「よろしくお願いします」

平尾「フランスの児童ポルノ規制は非常に厳しいとのことなんですけど、
   フランスでは具体的にどのような規制が行われているのでしょうか?」

松本「えー、そうですね。18歳未満がモデルになったポルノ画像の製作ですとか陳列、
   それから販売頒布、それから所持ですね。それも禁じられてます」

平尾「アニメとか漫画に関しては?」

松本「写真とか画像だけでなく絵も規制の対象になったわけですね。
   2002年からだったんですが、ただし芸術作品というのは例外とされていて、
   漫画についても例外と認められるケースが割と多いようです」

平尾「そこらへんはちょっと曖昧な感じが残っていますよね?」

松本「そうですよね。ポルノ漫画とかアニメと言いますと登場人物が何歳か
   はっきりと特定できないので、見た目が子供っぽくても大人の可能性も
   あるということではないのでしょうか」

山口「芸術は例外とされているわけですよね?
   では芸術というのは何が芸術かというのは誰がどのように判断するのですか?」

松本「そうですね…この辺は法文上曖昧なままで(日本もこうなる可能性有があるのでは?)
   やはり判例によっています」

山口「裁判して見なければ分からないということですね…」

松本「そうですね」

平尾「フランスではネットで簡単に入手することは可能なんですか?」

松本「それは何処でも可能だろうと思いますけど、発覚すれば当然処罰の対象になります。
   例えばコンピューターのHD上にポルノ画像が一枚でも保存されていれば犯罪
   ということにはなるのですが…」

山口「児童ポルノの児童を対象にした性犯罪の関係というのは
   フランスでは議論されているのですか?」

松本「そうですね…議論というよりもやはり扱われるニュースというのが児童ポルノ云々よりも
   実際に起こっている子供の性的虐待事件ですね、その方が圧倒的に多いので、それが
   まあ必ずしも児童ポルノが原因であるとかそういう論議っていうのはあまりないですね。
   ただし関係があるということは誰もが分かっているし、
   当然そういう犯罪者達はそういう画像を見てたりするはずです」

山口「なるほどね……」

平尾「大変ですね…フランス人が児童ポルノ自体に興味を持っているとかいないとか…
   そういうのではないですよね?」

松本「そうですね。ただしそれは決して少なくはないんじゃないかと思います。
   というのも、割とその性的虐待事件というのはありますし、性犯罪者の
   社会的なバックグラウンドというのは幅広い、というのがありまして、
   もしかしたらその分数も少なくないと推測できるかもしれません」

平尾「松本さんどうもありがとうございました…これを聞いてみて山口さんいかかでしたか?」

山口「えーと…いかがでしたってどういう意味でしょう?(怒ってる?)」

平尾「曖昧なところはフランスにはあるみたいなんですけど、
   法整備に関しては…でもちょっと日本とは違いますよね」

山口「そうですね…日本の場合ですと子供に対する性犯罪の件数というのは
   減少傾向にあるわけです。一番多かったのは小学生以下に対する強姦事件で、
   1963年で、その時で年間458人、現在2004年自体だとトータル53人までで
   ずっと落ちてる傾向にあります。
   とにかく被害者については減っていますし、成年の強姦被害者についても減っています。
   だから性犯罪について…つまりポルノについて議論できているっていうのはある意味
   幸せなんですよね。それは実際の性犯罪の対処にしなくて、ある意味
   ポルノグラフィーという因果関係が恐らくないであろう、むしろ1963年当時と比べれば
   現在圧倒的にポルノとか多いわけですから、むしろ抑制していると思われる物に
   ついてまで心配範囲にできるというのはお幸せな状況ということですよね」

内田「アメリカだと規制がきついですけども犯罪の状況はきついという事もあるわけですよね」

山口「そうですね」

平尾「残念ながらお時間が来てしまいました。山口さん本当にどうもありがとうございました」

山口「私に理解いただきありがとうございました」


 まとめ <他国と日本の児童ポルノに関する関係>

 アメリカの市民団体児童失踪児童虐待国際センターが国際政治警察機構インターポールと協力して
184カ国を対象に行った児童ポルノ規制の実態調査が発表された。
 その中で日本は法律制度の充実度のランクで下から二番目の不適切な分類に分類され、
G8主要八カ国なんと最下位であった。
 また、184か国中半数を超える95カ国で児童ポルノを制定されておらず、
児童ポルノの所持が犯罪でない国も4/3、日本を含む138カ国にのぼることが分かった。
 また、十分に包括的な法規制がされているとされた国は、アメリカ、フランス、
オーストラリア、ベルギー、そして南アフリカの五カ国であった。

 しかしこれは各国が法律を制定した結果どれだけ効果があったという議論ではなく、
単にどういう条文があるかということを比べているだけである。
 2002年人口十万人あたりの強姦事件の発生件数を例にあげると、日本は10万人あたり1.85件。
それに対しベルギー23.57件、イギリス22.62件、アメリカ32.99件となっている。
 そうすると、これらの性犯罪が多い国においては厳しい法律が必要なのかも知れないが、
わが国において果たしてそれらが必要なのかというと疑問が残る。
 つまり他の国がやってるからといっても状況が違うわけだ。

 日本の場合、子供に対する性犯罪の件数というのは減少傾向にある。
 小学生以下に対する強姦事件で、最も多かったのは1963年で、年間458人。
 対して、2004年では53人と、明らかな減少傾向にある(成年の強姦被害者も減っている)。
 ポルノと性犯罪との因果関係は恐らくない。それどころか、1963年当時と比べれば、現在は
圧倒的にポルノが多いわけだから、むしろ抑制していると思われる。
 こんな物についてまで心配範囲にできるというのは、それだけ幸せな状況という事である。


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