警察庁の『漫画・アニメ・ゲーム表現規制法』検討会問題まとめ @Wik

ガイドラインの問題点

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問題点と意見を簡単にまとめました。
反対意見を書く際の参考にしてください。
ガイドライン全文(PDF版)
ガイドライン全文(テキスト版)

問題の箇所は
●「第3 プロバイダや電子掲示板の管理者等に対する違法情報の送信防止措置依頼」(6~8P)の
「(2)構成要件該当性を判断する上での判断基準」の項目。
●「第4 プロバイダや電子掲示板の管理者等に対する公序良俗に反する情報に関する対応依頼」(13~16P)の
「② 第3の2に列挙する違法情報について、違法情報該当性が明らかであると判断することは困難~」の項目。


●ホットラインって何?
警察庁と総務省はネットに蔓延する違法・有害情報を規制するために、『ホットラインセンター』という通報機関を設立しました。
これは一般から通報を受けて、「違法情報」「公序良俗に反する情報」などを対象にプロバイダに削除を促す一種の検閲機関です。
しかしその運用を定めるガイドラインには曖昧な記述も多く、運用次第によっては違法なものだけでなく、二次元による性表現や、小説や漫画などに出てくる犯罪や自殺などの反社会描写などが「公序良俗に反する」として規制される恐れがあります。
現在、総務省・警察庁がこの『ホットラインセンター』の運用ガイドラインについてパブリックコメントの募集をしています。

●この運用ガイドラインの問題点と提言。
問題点(1)……『児童ポルノの定義とその判断基準』
該当箇所…『第3 プロバイダや電子掲示板の管理者等に対する違法情報の送信防止措置依頼』の 
「3 違法情報該当性の判断基準」の②
以下、ガイドライン本文8P目、該当部分より引用

「3 違法情報該当性の判断基準」
(略)
②児童ポルノ公然陳列
次のすべてを満たす場合には、児童ポルノ公然陳列の構成要件に該当する情報と判断することができる。
○児童(18歳未満)に該当する場合
 画像等に描写されている対象者の外見
 (例:陰毛がない、幼児、小学生にしか見えない)
 から明らかに18歳未満と認められる場合
○児童ポルノに該当する場合
 (性器等にマスク処理が施されているものも含む。)
○公然陳列に該当する場合

・提言
(1)児童ポルノ禁止法においての児童の定義とは
「生まれてから撮影されるまで18年経っていない実在する児童」を指す。
しかしガイドラインによって"児童ポルノと該当される画像"は、実在する人物を写した画像(写真など)だけを指すのか、
それとも架空の創作物(絵、CGなど)も含むのか、不透明で分かり難い。
そもそも架空の創作物(絵、CGなど)を使った性表現は、児童ポルノ禁止法(実在する児童のみ対象)の
対象外であり合法情報である。
しかし現在マスコミなどを中心に架空の創作物(絵、CGなど)を使った性表現も
「児童ポルノ」とみなす誤解が広まっており、法令を遵守する意味でも
定義を明確にさせる必要がある。

①:ガイドラインにおける児童ポルノの定義を、児童ポルノ禁止法における定義
(実年齢18歳未満の実在する未成年による性表現など)に合わせている事を明記すべきである。
②:架空の創作物(絵、CGなど)を使った性表現は、児童ポルノ禁止法の対象外であり、
違法ではないから、これは削除対象に含めるべきではない。
『特定のモデルが存在しない絵やCGは対象外である』と明記すべきである。

(2)外見が幼く見える、あるいは陰毛が無いから児童に違いないという判断は、
小柄で童顔で陰毛がない人々への偏見につながりかねない。
(思春期が過ぎても陰部に毛が生えない無毛症は推定で平均14%。)
また外見が幼く見えても実年齢は成人となっている人々も多数存在しており、
実年齢を確認しない外見による判断は、こうした人々への差別を助長するのではないかと危惧される。

①:特に十代後半の年齢は外見では見極めが難しいので、一方的な判断はせず事前に
webサイト管理者に確認し、それでも回答や対応がなされない場合に削除要請や関係機関に
通報などの対処をする、といった柔軟な対応を考慮すべきであろう。

(3)対象者が明らかに児童であり、違法情報と疑わしいものについて
webサイト管理者に削除要請をするのは、証拠の隠滅につながる危険がある。

①:違法情報の疑い濃厚なものはweb管理者には削除を促すのではなく、警察に通報し判断を仰ぐべきだろう。


問題点(2)……『判例から逸脱した「わいせつ」判断基準』
該当箇所…『第3 プロバイダや電子掲示板の管理者等に対する違法情報の送信防止措置依頼』の 
「3 違法情報該当性の判断基準」の②
以下、ガイドライン本文8P目、該当部分より引用

「3 違法情報該当性の判断基準」
(略)
①わいせつ物公然陳列
次のすべてをみたす場合には、わいせつ物公然陳列の構成要件に該当する情報と判断することができる。
 ○わいせつ性が認められる場合
・性器が確認できる画像又は映像(以下、「画像等」という)
・性器部分にマスク処理が施されているが、当該マスクを容易に除去できる画像等
○公然陳列に該当する場合

・提言
ガイドラインわいせつ性の判断基準が司法判例を逸脱した、いいかげんなものであると言わざるを得ない。
過去の判例では「わいせつ」の基準はモザイクの有無では無く、表現された性的描写と思想・芸術性との
バランスで判断がされている。
またに漫画などの絵(二次元)は実写(三次元)よりも性的な刺激が弱いと判例が出ている事から、
同一に論ずる事に疑問が示されている。

わいせつ性判断に関する最高裁判所昭和55年11月28日判決(四畳半襖の下張事件判決)では、
・当該文書の性に関する露骨で詳細な描写叙述の程度とその手法
・右描写叙述の文書全体に占める比重
・文書に表現された思想等と右描写叙述との関連性
・文書の構成や展開
・芸術性・思想性等による性的刺激の緩和の程度
・これらの観点から該文書を全体としてみたときに、主として読者の好色的興味に訴えるものと、
認められるか否かという詳細な判断基準を立てている。}

松文館事件の控訴審判決(東京高等裁判所平成17年6月16日判決 全文→その1その2)も、
この基準は「漫画本を含め図画にも妥当する」ことを明らかにしてる。

さらに、この松文館事件判決では、
・「写真のような実写表現物による表現と漫画による表現を比べると、一般的には実写表現物の方が
、性的刺激の度合いの強いことが多い」こと(つまり漫画などの絵は、実写よりも性的な刺激が弱い、という事)

・「芸術作品のわいせつ性を評価する場合、その作品の性的刺激の度合いを緩和する要素として、
その作品における表現方法、表現手段、から一応切り離して認識することのできる作者の思想等のほかに、
表現方法、表現手段自体の思想性、芸術性があり得る」
とも判示している。
つまり「性器が確認できる」だけで「わいせつ物公然陳列の構成要件に該当する情報と判断する
ことができる」というのは、余りにも最新の議論を無視した、杜撰な基準である。

①二次元(創作物を使った絵やCGによる性表現)と三次元(実在の人物を使った写真などの性表現)
は、判例で出ている以上同一の基準で判断するべきではない。



意見はこちらに送りましょう。
「ホットライン運用ガイドライン」等に対する意見の募集について」
http://www.iajapan.org/hotline/center/20060404public.html

意見募集の〆切りは5/8です!お忘れなく!

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