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チェンジ・ザ・ワールド☆
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La la lu…

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streetpoint

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La la lu…















 とても清々しい天気の夕方、喫茶珊瑚礁の開店準備をしていた佐伯が窓を開けて空気の通り道を作っていると、吹き込んで来た風の奥から微かに鼻歌が聞こえて来た。

 どこか懐かしいそのメロディーに、佐伯は知らず目をつぶって聞き入っていた。


 いつどこで聞いたんだっけ? ーーーおふくろかな? ……いや、違うな……。


 彷徨う記憶の断片は繋がらず、懐かしさだけが胸に残った。

 振り返るとその鼻歌の主である少女、海野比奈は、カウンターの掃除をしながら楽しそうに一人踊っていた。


「なあ」


 突然声を掛けられ、比奈は驚いて動きを止める。


「え? あ、なあに? 佐伯君」

「その歌。なんて曲だっけ?」

「あ、聞こえてた?」


 恥ずかしそうに肩をすくめる比奈に、佐伯は首を傾げる。


「そんだけしっかり音出してたら、嫌でも店中に聞こえる」

「そっか、そんな大きく歌ってたんだ……」

「で、なんて曲なんだ?」


 近づいて来た佐伯に、比奈は今度は声を出して歌い始めた。


「La la lu……La la lu……Oh,my little star sweeper……I'll sweep the stardust for you……ラ・ラ・ルーって言う子守唄だよ」


 比奈のその歌声がすごく透明で、佐伯は鼻歌以上に惹き込まれた。

 笑顔の比奈とその子守唄がすごくマッチしていて、もっと聞きたいと純粋に思ってしまう。


「ララルー、か……なあ、俺、その歌なんか聞いた事ある気がするんだけどさ、有名な曲だよな?」

「うん、すごく有名な曲だよ。私が小さい頃、お母さんがいつも歌ってくれてて、今でもこうやってつい口ずさんだりするくらい」

「そうだよな……」


 でも佐伯の記憶の中の母親は、この歌を歌ってはいなかった。


 では一体誰が?


「あ、窓の方も拭いとくね」


 ぼんやりと一人思案に暮れる佐伯を置いて、比奈は先ほど佐伯が開け放した出窓へと軽やかに近づく。

 その後ろ姿を見送り、佐伯は思い出せないもどかしさを抱えながら仕事を再開した。

 カウンターの中に入って先ほど出来たばかりのケーキを等分に切り分けて行く。

 我ながら上出来だとナイフを入れるケーキの完成度に満足していると、また比奈が先ほどの子守唄を歌い始めた。


 バカの一つ覚えだな。


 などと思い顔を上げた所で佐伯は思わず息を飲んだ。

 開け放たれた窓から差し込む夕日とその向こうに見える海。そして楽しげに歌う比奈の姿が重なって、まだ幼かった頃に出会った一人の少女の姿がフラッシュバックしてきたのだ。


「あ……」


 ……思い出した。

 そうだ、あの時の女の子が歌っていた子守唄だ。


 どうして泣いてるの? ……君は、人魚なの?


 親とはぐれて一人泣きじゃくる可愛らしい少女に、夕暮れの灯台でそう問いかけた。

 何とか泣き止んで、それでも寂しさを紛らすために歌っていた。

 どおりで聞き覚えがあるはずだ。だって初恋の少女が歌っていたのだから。

 そして漸く思い出した少女の顔に、目の前で澄んだ歌声を響かせる比奈をしっかりと重ねて呟く。


「La la lu……La la lu……かーーー」


 ふと笑みがこぼれる。


 なあ、お前はいつ思い出すんだ? 俺は思い出したよ。







                        END




=あとがき=

どうも~。最後までお読み頂き、ありがとうございましたー!
佐伯君で、お題は「子守唄」でした。
なんかGS2って2人ともあまり過去の記憶の事を出さないんで、こんな感じで佐伯が先に思い出してたらいいなー。
という気持ちで書いてみました。
えりさんからときメモGS2の二次小説が読みたい!と嬉しいご要望を頂いたので、リクエストの佐伯を久々に(笑)
ラブラブではなく、微笑ましい感じにしたかったんです……これから佐伯がヒロインにストーカー並みにデートに誘ってくる感じです。
こんなんなりましたけど、いかがでしょうか??(笑)




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