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利根4日目・No.4

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streetpoint

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私のやんごとなき王子様












 「玲、あんまり小日向さんに変な事言うなよ」

「だって本当の事だろ?」

「じゃあ俺もあの事バラすけど、いいの?」

「な、なんだよあの事って」

「あの事もあの事も、あの事もバラそうかな。小日向さんガッカリするだろうなあ……風名玲が実は……だったなんて」


 わ、利根君がちょっぴり意地悪だ。

 また違う利根君の一面が見られて、私はなんだか嬉しかった。


「おっ、おい。変な事言うなよ!」

「ふふ、どうしようかな」

「あはは!」


 利根君って冗談言うんだな。なんだか今日はすごく得した気分!

 ていうか、学園の人気者二人に囲まれてる私って、今すごく幸せ者じゃない? よかった、人が少ない場所で。もしファンの子に見られたら何て言われるか分かったものじゃないや。

 それにこうやって笑っていると、色々悩んでいたのがちょっとスッキリした気がする。

 一人笑っていると、利根君が私に尋ねてきた。


「小日向さんは楽しく衣装とか小道具作りたくない?」

「うん、もちろん。楽しく作りたい」

「だったらさ、上手に出来るかどうとか関係無く、俺と一緒に作るのを楽しもうよ。失敗しても皆がいるんだしさ、心配ないよ」


 声は優しいけど、利根君の瞳はすごく力強かった。

 そんな強い視線をまともに受けて、私は体のうちから震えるような感覚がした。

 ああ、こんな風にこの人は誰かを励ますんだな。

 波が光を反射して、天井に白い光を無数に作っている。利根君の姿がその光の下ですごく綺麗だった。


「……ありがとう利根君。私、頑張る! やる前から出来ないかもなんて、甘えてた」


 そうよ、やる前から諦めるなんて駄目よ。昨日の夜さなぎと誓ったじゃない! 悔いのない最高の演劇祭にしようって!

 私は利根君に向かって笑顔を返すと、元気よく立ち上がった。


「ようし! そうと決まれば今から作業手順を考えなくちゃ! 利根君、良かったら手伝ってくれる?」

「もちろん」

「風名君、私、頑張って素敵な衣装作るから! だから、風名君も素敵な演技してね! ……なんて、偉そうだったね」


 風名君は微笑むと、


「俺も頑張るよ。小日向に最高だったって言ってもらえるような舞台に必ずする」


 そう言ってくれた。

 頑張らなきゃ。どこまで出来るか分からないけど、やると決めたからにはやり通さなきゃ!

 振り返ったその海の向こうに、島が見え始めた。



 ここからが本当の始まりなんだ。











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