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側にいるよ

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streetpoint

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側にいるよ






 「どうしたの?」


 隣りから心配そうな声がして、比奈は顔を上げた。


「……ちょっと緊張しちゃって」


 歩く速度を少し落として、真嶋が優しく微笑んだ。

 綺麗な顔。

 何度見ても比奈の心を震わせるその美しい瞳は、酷く繊細な真嶋の心を映しているようだ。


「大丈夫。僕が一緒にいるだろ? 君は何も心配することはないさ」


 今日、比奈は真嶋の両親に挨拶をしに行く。

 付き合い始めてまだ数ヶ月、ようやく真嶋と肩を並べて歩けるくらいの自信がなんとかついて来た所だというのに、新たな壁が比奈の行く手を阻む。


「でも、お母様に嫌われたら……」

「僕が選んだ人なんだ、両親だって喜んで迎えてくれるさ」

「ーーーそうかな?」

「そんなに自信ない?」


 ない。

 はっきりと比奈は心の中でそう答えた。

 だが、もし口に出してしまったら本当に駄目になってしまいそうで、怖くて俯いた。

 真嶋と並んで歩けるような容姿ではないし、スタイルだって良くない。

 何故、真嶋が自分なんかを選んでくれたのか、未だに分からないくらいなのに。

 親に会うというのは、将来的な事の意味が暗に込められているのだと思ってしまい、嫌でも緊張する。


「ーーー僕は、君に随分と酷い事をしてしまった……」


 ポツリと真嶋が言う。

 その声に比奈はドキリとした。

 まだ比奈を傷つけてしまった事を後悔している真嶋。

 誰よりも優しくて傷つきやすい真嶋だ。どんなに比奈が大丈夫だと、許していると言ってもずっと後悔しつづけるに違いない。

 ふと真嶋が足を止めた。

 比奈もつられて足を止める。


「僕にこんな事を言う資格はないけど、僕は君の側にいるよ……ずっと」

「太郎君……」


 比奈は嬉しかった。

 確かに真嶋に傷つけられたし、苦しい思いもした。

 でも自分と同じ、いや、それ以上に真嶋も傷ついているのだ。

 この傷は他の誰にも癒せない。

 誰でもない、自分たち二人以外には。

 比奈は微笑んで真嶋に手を伸ばした。


「私も、ずっと太郎君の側にいるよ……ずっとずっと、太郎君が嫌だって言っても、側にいるから」


 真嶋は伸ばされた手を握り、悲しそうな顔をして笑った。


「僕が嫌だなんて言う訳ないだろ? 君の方こそ、嫌だって言っても僕は君の側から離れないよ」


 不思議と先ほどまでの不安と緊張が消えて行った。

 歩き出した隣りを歩く大好きな人の横顔を見て、ふと笑顔になる。

 自信なんて、誰にもないんだ。

 未来の事が分かる人間なんて、一人もいないのだから。


「太郎君」

「なんだい?」

「私、頑張るから」

「……君のそういう所が、僕は好きだよ」


 また綺麗な顔で微笑む。

 繋いだ手から伝わって来る想い。

 この人が側にいてくれるなら、どんなことがあっても頑張れる。

 辛かった過去も、これから訪れる未来も。






                  END




あとがき

どうも、お読み頂きありがとうございます。
真嶋……分からない。。
これはお友達のえりさんのブログ2万ヒット記念に
プレゼントとして書かせて頂いたものなんですが、
真嶋の性格がいまいち掴めませんでした(笑)
でもすっごい繊細で面倒くさい傷つきやすい人だと思うので、
付き合い出したらすごく優しいだろうなー。
と勝手に思って書きました。
それに、やっぱり相手の親に会う時って普通はすごく緊張するだろーなー。
とか考えながらのお話です。

うん、ごめんなさい。



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