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チェンジ・ザ・ワールド☆
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心地よい手

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streetpoint

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心地よい手











 小学校の1年生から数えて通算8年間。無遅刻無欠席が私の唯一の自慢だった。

 中学3年というこの大事な時期、あと半年頑張れば9年連続無遅刻無欠席という輝かしいタイトルをひっさげて、高校へ進学出来たのに!

 ああ、どうして私は大雨の日に傘もささずにテニスなんかしたんだろう。

 いや、傘をさしたままテニスなんて出来ないんだから仕方ない。

 ……いや、その後ちゃんとシャワーも浴びずにさらに濡れたまま、遠回りしながら歩いて帰ったのがいけなかったのかな?

 あれ? 家の近くでずぶ濡れのやけにテンション高い犬と走り回ったのがいけなかったのかな?

 あーやばい、何か頭が働かなくなってきた。

 38度くらいの熱なら平気で学校に行っていた私が、40度ごときで動けなくなるなんて、不覚……


「はっくしゅん!!」


 盛大なくしゃみをし、鼻水を豪快にティッシュでかむ。


 びいいーーーーっ!


 と、


 コンコン


 部屋をノックする音が聞こえた。


「あい」


 鼻づまりだから声がおかしい。

 私のへんてこな返事の後にそっとドアが開き、可愛いテニス部の後輩の切原赤也が顔を覗かせた。


「あれ、赤也。どうしたの?」

「いや、この間先輩が貸して欲しいって言ってたCD持って行ったら、真田副部長が先輩は風邪で休みだって言うんで、お見舞いに来たんすよ」


 そう言ってベッドの脇に座ると、コンビにの袋を見せてくれた。

 もちろんCDも袋の中に一緒に入っている。


「ありがと……」


 まさか赤也が家まで来てくれるなんて思わなかったけど、人間具合が悪い時って誰かに側にいて欲しいものなんだな。

 赤也の顔を見てちょっと嬉しいなんて思ってしまった。自分が人恋しかった事に気付き、熱でぼーっとする頭を振り絞って何か話そうと考える。

 でも思考力が激しく低下しているおかげで、気の利いた言葉は思いつかない。


「先輩でも風邪なんか引くんすね。真田副部長が雪が降るとかなんとか言ってましたよ」

「ひどいよ真田……てか、もう副部長じゃないでしょ?」


 そう、私達3年はつい先日引退したばかりなのだ。

 私が大雨の日にテニスをしていたのも、引退記念とか言ってテニス部の友達と感傷に浸っていたから。

 感傷に浸りすぎてネジがぶっ飛んだんだけどね。


「でももう染み付いちゃって、真田副部長以外に呼べないっすよ。ほら先輩、俺の事は気にしなくていいから、ゆっくり寝てください」


 いつもより優しい口調の赤也に、私はほろりとした。

 ガキで口うるさくて我が儘でワカメ頭っていうのが、赤也に対する私の印象。でも今日はちょっと違う。


「うつるといけないから、帰りなよ」

「大丈夫ですって、俺、先輩の菌ならなんでも吸収するっすよ。人にうつしたほうが早く治るって言うじゃないですか」

「……赤也キモイ」

「はいはい。良い子は寝てください」


 私が顔をしかめると、赤也は私の頭をそっと撫でた。

 ひんやりとした赤也の手が気持ちよくて、私は目をつぶる。


「赤也の手、冷たくて気持ちいい……」

「じゃあ、ずっとこうしててあげます」

「……ん、ありがとーーー」


 私は頬に触れた赤也の手の感触を最後に、意識を手放した。

 赤也、ありがとう。しょうがないから、あんたが風邪引いた時は、私が看病してあげるからね。




                       END







※あとがき※

どうも、最後までお読み頂きありがとうございましたー。
切原君が、珍しく静かですね(笑)
でも風邪引いて辛い時に優しくされたらほろっといくかもしれないです。
てか、男の子と二人きりの部屋で寝ちゃらめー!!
絵はそのうち… 




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