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act.12(白波瀬)

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streetpoint

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就職難民 黙って俺についてこい!










 「ああああああああああああ!!」


 思わず大きな声を上げてしまう私。


「な、なななな、なんてこここ、ことをををを!」

「そんなに焦らないで、水那ちゃん」


 へ? 今なんて……? 白波瀬さん私の事を水那ちゃんって言わなかった??


「おい、うちの社員に気安く声を掛けるな」

「御影山こそ気安いんじゃないのかな、未来の白波瀬グループ総裁夫人に向って」

「なんだとぉ!?」

「どどど、どーゆー意味でしょうかぁ!?」


 動揺する私たち2人を差し置いて、白波瀬さんはいつも通りの柔和な表情だ。


「そのままの意味だよ。父の許可も取ってある。障害は何もない。あるとすれば、ライバル社の社員になんてさせられないって事かな」

「白波瀬……!」

「あれぇ? 悔しいのかな? 御影山、もしかして狙ってた?」

「誰がだ! こんなまな板には興味がない!」

「まな板って酷くないですか!?」

「おい、ちょっと待てよテメェ、なんで水那ちゃんがまな板って知ってんだオラ」

「あ? やんのかコラ」

「やややや、やめて下さーーい! 私がまな板な事なんて一目瞭然じゃないですか!」

「「それもそうだな」」


 な、なんなのこの感じは。白波瀬さんってあんな言葉遣いも出来るのね……。いやいやそんな事より、2人はずっとこんな感じで過ごしてきてたのかしら。ていうか! 未来の総裁婦人? 父の許可は取った? わ、私が白波瀬さんと……?


「け、結婚ーーー!?」


 改めてその考えに辿り着くと、思わず大きな声が出た。


「嫌、かな?」


 その私の反応に、白波瀬さんは困ったような、そしてどこか寂しさすら漂わせながら、遠慮がちに私にそう尋ねる。

 嫌、なわけない! むしろ、それはとっても嬉しくて、それで……。

 頭を横にふるふると振ると、白波瀬さんは満面の笑みを見せてくれた。


「良かった! 有難う水那ちゃん!」


 そう言うと白波瀬さんは、人目も気にせず私を抱きしめた。


「くっそおおおおおおお! 川島ぁ! さっさと俺にも婚姻届を持ってこいーーー!!」

「社長、お相手はいらっしゃるのですか?」

「相手ごと持ってこい!!!」


 そんな無茶な、とその場にいた誰もが苦笑して。

 私と白波瀬さんはそっと、お互いの手を握り締めた。



 もう二度とすれ違ったりしないように。





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