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品質計画

  • 成果物の完成基準として、達成すべき品質レベルを設定する。(応答時間xxx以上、稼働率xxx%以上等)
  • 品質の報告方法(毎週メトリクス値を報告等)や担保方法(ソースコードレビュー、設計書レビュー、試験表レビュー、試験実施等)を決定する。
  • 一定以上のレスポンスタイムを要求されるようなシステムの場合においては、ピーク時の受付件数を明確にしておくこと・システムに依存しない顧客ネットワーク環境に起因する部分は保証対象外とする取り決めをしておいた方が良い。

品質の種類

https://zenn.dev/sway/articles/quality_internal_externalの説明が分かりやすい。
なお、品質を高めるにはQC7つ道具についても理解しておくと良い。

種類 備考 測定方法 関連する規格
利用時品質 実際に利用者が使用する時に感じる品質 利用時の品質モデルを意識する。
ニーズに適合しているか・利用者のエラー変化・習熟前後の時間の変化・ユーザ満足度の変化等を計測する
JISX25022:2018 のp10
製品品質(外部特徴) システムが仕様通りに動く等のシステム振る舞いに関する動的な品質。
実行中ソフトウェアに対する動的特徴を図る
品質8特性を意識する。
システム仕様に関するテストケースの故障数等が一つの例となる
◾️品質6特性(古い)
国際規格:ISO/IEC 9126
日本工業規格:JISX0129-1

◾️外部特徴と内部特徴
日本産業規格: JISX 25000:2010

◾️品質8特性
日本産業規格: JISX25010:2013

◾️製品品質モデル
日本産業規格: JISX25023:2018
製品品質(内部特徴) 設計書やソースコード、試験手順等のソフトウェア製品に関する静的な品質。
静的特徴を検査する
品質8特性の保守性を特に意識する。
設計書やソースコードのレビュー指摘数等が一つの例となる
プロセス品質 開発工程や手順の品質 手順が標準化されているかなどを考える JISX0160:2012 JISX0170:2020 のライフサイクルプロセスあたり

品質作り込み

  • なるべく上流工程の段階で品質を作り込む。
    下流工程になればなるほど、上流工程の問題に遡っての対処や納期までの期間的余裕の時間制約の関係から、品質改善がより難しくなる。
    ウォーターフォールの場合は特に上流工程のミスによる手戻りが大きくなるので注意が必要。
  • レビューの仕方を工夫する。
    • スペシャリスト採用、誤字脱字等を先にレビューし本題のレビューを別途行う
  • 単体テストでは、プログラム内部構造に着目したホワイトボックステストと内部構造を意識せず仕様を満たしているかを検証するブラックボックステストをバランス良く準備する。
  • 結合試験の途中で、利用するミドルウェアを差し替える等の大きな条件変更は極力避ける。理由は問題切り分けの難易度が上がることや、差し替え後のミドルウェア起因で新たな不具合が発生し、混乱する恐れがあるため。
  • 品質データを継続的に取得し、バグ分析や指標値から品質管理の問題になりうる点を明らかにし、対処する。

品質評価

製品品質

  • レビューとバグ摘出の傾向が信頼度成長曲線の終盤の傾向となっていることを確認。
  • 指標値と比べて、レビュー密度(時間)・エラー密度(エラー数)・試験密度(試験数)・バグ摘出率(バグ数)等が妥当であることを確認。
    • 指標値と大きく隔たりがある場合は、その原因調査(直接的原因が何か)および分析(その原因は何故起こったか)を行うこと。
  • チェックリスト分析やゾーン分析等の結果が妥当であることを確認。
  • 必要なデータをメンバーに公開し、メンバーの自覚を促すことも重要。

■参考:各種メトリクス例
工程 内容
設計、製造 レビュー時間、レビュー回数、ページ数、レビュー指摘件数、レビュー密度(ページ数,ソースコード行数等を考慮)
試験 試験数、試験密度(規模や作業工数等を考慮)、バグ件数、バグ密度(試験実施度合い等を考慮)

プロセス品質

アジャイル開発の場合は特にプロセス品質も気にすることが多い。
リリースまでの時間のリードタイム、ベロシティの状況、価値を生み出しているストーリーポイントの量等、色々な視点から評価する。

品質とコストの関係性について

品質とコストはトレードオフ関係にある。効率面も考慮した試験実施を考える場合は下記のような手法も知っておくと良い。
  • 直行表やペアワイズ法


最終更新:2025年03月08日 19:17