トップページ > コンテンツ > 総合 > 経営 > 経営戦略 > システム戦略の立案 > システム化計画

全体システム化計画

全体システム計画では、例えば以下のようなことを行う。

個別システム化計画

個別システム化計画では、例えば以下のようなことを行う。
  • システム化対象業務の問題点を分析し,システムで解決する課題を定義する。
  • 業務モデルや業務プロセスについて設計する。
  • システム化の目的、範囲を定める。
  • 開発,運用,保守,テスト,移行,環境整備,品質に対する基本的な要件を確認する
  • システム方式を検討する。
  • SLAを検討する。
  • 全体開発スケジュール作成や導入時期を検討する。
  • 投資の費用対効果の予測をする。
  • システム導入リスクを検討する。
    • 例:品質リスク、費用リスク、コストリスク、納期リスク、セキュリティリスク、技術リスク、財産損失リスク、資金回収リスク、人的ミスによる問題発生リスク

参考:

システム方式検討

システム化構想での分類 テーマ
事業戦略 業務改革・改善
システムやツールにはどのような物があるか
スクラッチかパッケージ利用か
改修開発か新規開発か
システム戦略をどのように選定するか
システム移行方式をどのようにするか

※○と△は筆者の主観でのテーマとシステム化構想分野の関連性を記したもの。深い意味はない。

投資の意志決定

IT投資関連の重要用語や計算方法を記載する。
IT投資ポートフォリオ IT投資をリスクや投資価値を類似のカテゴリで分類分けし、企業レベルで最適な資源配分を行う。
PV Present Valueの略で現在価値のこと。将来受け取る金額➗(1+割引率)^n乗で計算される。
これはDCF法とも呼ばれる考え方で、遠い将来に手に入るお金より、今手元にあるお金の方が重要度が高いという考え方に基づくものである。
NPV Net Present Valueの略で、正味現在価値のこと。
PVの総額-初期投資額で算出され、大きければ大きいほど良いとされる。
キャッシュフローで表した時の計算式は下記のようになる。
NPV= \sum _{n = 1} ^{N} \frac{CFn}{(1+r)^{n}} (※nは年数、CFnはn年後のキャッシュフロー、rは割引率)
IRR Internal Rate of Returnの略で、内部収益率のこと。NPVが0になる割引率rのこと。効果価値と投資額を比較できるため、投資判断に役立つ
PBP 投資額を回収するのに必要な期間
ROI Return On Investmentの略で投資利益率のこと。
EVA Economic Value Addedの略で、利益から投資費用を引いたもの
TCO Total Cost Of Ownershipでシステム構築から運用維持までのトータルコストのこと

上記に加え、IT投資の考え方を押さえておくと良い。
考え方は色々あるが、一例としては次のようなことを考えておくと良さそう。
投資の目標設定 売上拡大等、経営戦略として掲げた目標(例:提供価値の拡大、新ビジネスの創出、業務プロセスの改善など)への寄与度をKPIとして設定する
投資の妥当性判断 有効性 投資戦略が目標達成に対して、代替不可能な最適な手段かを検討する
合理性 内外環境分析の結果等と照らし合わせて、以下のようなことを検討する。
1.自社の強みを活かせる部分か成長性の高い部分への投資か
2.競合他社と比べた場合に戦略優位性を確保できる投資か
費用対効果 固定費+変動費から損益分岐点を考える。ROIを考える。初期投資や運用コストなどを見込んでおく
初期投資の削減策を考える。SaaS等で初期投資を抑えながら進める、優先順位をつける、実現方法の見直しを図るなど
実現性 実現性に問題ないか、簡単にできるか、プロセスや制度の変更内容は問題ないか、体制面に問題がないか等を考える。もちろんリスクなども考慮する
投資の評価 事前測定 段階的導入や実証実験をしてみる。
評価尺度 https://www.jipdec.or.jp/archives/publications/J0001239.pdfのp31あたりも参考になる
最終更新:2024年02月25日 17:11