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イベント09 物語で見る各国の戦争準備状況【戦闘準備百景・・・・から一歩離れて】 - (2007/03/06 (火) 21:20:06) のソース
*【戦闘準備百景・・・・から一歩離れて】 ***作:ゲドー(PL:外道) ここはにゃんにゃん共和国、芥辺境藩国にある巨大漁港グレテル港のはなれにある寿司屋、寿司処ニャント停。 店内はガラガラである。 黒スーツに黒サングラス、黒ハットと言う風体の男が席に座る。 「御注文は・・・」 頬に秋刀魚傷を負った、いかつい亭主が刺身包丁を研ぎながらぶっきらぼうにそう言い放つ。 「ドッグフード巻きを一つ」 亭主が一瞬、ピクリと動きを硬くする。 「・・・・お客さん冗談言っちゃあいけねえよ」 「キャットフード巻きでもいいが?」 男は不適に笑う。 「ふん、奥にきな・・・」 そういって男は店の奥へと通される。 ********************** 茶の間に通され、男は座るよう勧められる。 男は帽子を脱ぐ。すると犬耳がぴょこんと飛び出す。 「まあ、ゆっくりしてきな」 そういって亭主はドッグフード巻きを男に出した。 「ああ、すまないな」 男は出された寿司をぺろりと平らげた。 「まだいるかい?」 「ああ、頼む」 「店がはやらんのはこの傷のせいさ」 「いや、普通にまずいぞ」 「なら食うんじゃねえ!!」 男は叩かれた。 「で、状況の方はどうなんだ?新天地での旅行はどうだったんだ、何を知れた?」 「まあ待ってくれ」 男はそういうと、封書を取り出し亭主に渡す。 「状況は良くない・・・両国共にだ」 「そうか・・・」 「ああ、この地は呪われているのかもな。 にゃんにゃん共和国では謎の要塞艦が出現。わんわん帝国側には根元種族の兵器と思われるものが出現。 無差別に暴れまわって狂ったように人やモノを壊しまくっている。 すでにフィクサノートが何人か死亡してるって話だ。いや、死んでなかったか?まあ、とりあえず。 大規模な戦争が起こるって話さ」 男は茶を飲み一息つける。 「どのぐらいの被害が出そうなんだ?」 「全国合わせて資金約330億。燃料は約300万トンは失われる。あと、その他もろもろだな」 「ウチは不況確実だな・・・」 「ああ。小藩国は国の維持自体が難しくなる。適応能力が高いのが辺境藩国の強みだろ? 予想されてた旧国の大不況に比べりゃ幾らかマシだろ。乗り切れるさ」 「簡単に言ってくれるな。野良犬が・・・」 亭主はため息をつく。 ただいま、と声がする。トタトタと小さな足音が聞こえてくる。亭主の子供が遊びから帰ってきたのだ。 「ちびは元気なようだな?」 「元気なもんさ。この前なんて元気すぎて砂漠で迷子になったほどだ。 しかし、こうも絶望的だと、伝説にでもすがりたいものだ」 「ソードエンブリオってか?」 男は笑った。尻尾をパタパタと振る。 「笑い事じゃないだろう。俺達、芥辺境藩国民はだな・・・」 「いや、すまんすまん。アンタがそんなロマンチストだとは知らなかったよ。だが、 そこまで悲観的になる事はないさ。天領からも金が動いてるって話だ」 「潤うのは大藩国ばかりだろ?俺達みたいな小藩国は吸収されるのを待つばかりさ・・・」 「いや、だからそう悲観的になるなって。いい話もある。両国で新型のアイドレスが開発されてるんだが、 そのデザインコンペが始まっている。それで採用されたものには報酬が出るそうだ。 芥辺境藩国には闇星号を作ったノウハウがある。勝てるさ。これで戦力は増強される。 謎の要塞艦にも勝てる。藩国規模の収入も入る。バンバンザイじゃねえか。下ばっかり向くなって」 「そうだな・・・ああそうだ!その通りだ!!」 「そうだ、その意気だ」 ガラガラと戸を開ける音がする。客が来たようだ。 「すまねえな。客が来たみてえだ」 「構わんさ」 亭主がカウンターへと戻る。 「ああ、那限さんじゃねえですか。お涼さんに大車座さんも。 疲れた様子ですが・・・え?新型のデザインコンペですか?それに出撃も控えてるって!!ええ、わかりやした。 今、美味いもん握りますからね」 男はふっと笑った。 「あ、犬のおじちゃんだ」 「おお~チビ。元気だったか?」 チビは男のひざの上に座る。 「あ、ドッグフード巻きだ!食べてもいい?」 「ああ、いいぞ。でもチビにはまだ早いんじゃねえか?大人の味だぜ」 「そんなことないもん。僕好きだよ、ドッグフード巻き」 「そうか・・・好きかい」 チビはバクリとドッグフード巻きを食べた。 「美味しいか?」 「うん!!」 「チビ。いつか、もっと美味い本場仕込のドッグフード巻きをおじさんがプレゼントしてやるからな」 「ええ!?本当!ありがとう犬のおじちゃん」 チビは満面の笑みでそう答えた。 「おお。いつか・・・・な!」 男はそういってチビの頭をなでた。