芥辺境藩国@wiki

イベント13 中小藩国に愛の手を【歩露物語 第0話】

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第0話【美化100%SSバージョン】


 歩露が芥藩国に辿り着いたのは、その日の「20:41:23」だった。

 その時には、すでに多くの藩国が名乗りを上げていた。
 現在の最大規模国家であるとされている、FEG。

 にゃんにゃん共和国にもその名を轟かせる、よけ作家氏率いるよけ藩国。
 彼はそのどれをも選ぶことなく、恐らくは、ただの一辺境国で終わるであろう、芥藩国にやって

来たのだった。

 正直、有力な(この時点では推測だが)他国に魅力を感じなかったと言えば嘘になる。
 だが、大勢の国民がいる国に行く必要はない、集中するよりは分散した方が上策だろうとも

思っていた。

 しかし、彼が芥藩国にやってきた最大の理由は、それらとは全く関係ないところにあった。
 藩王と技手に、借りがあったのだ。

 いつかは返すつもりだったし、そのあてもないでは無かったが…。

 いつか返すつもりの借りを、持ち続けているのもなんだな、と彼は思ったのだ。
 返済は早いほうがいい。


 彼が藩国に足を踏み入れると、目の前に藩王が立っていた。横に女の子をはべらしている。
「ようこそ、我が国民」
 …ちょっと憎かったので皮肉ってみた。
「藩王自ら出迎えて頂けるとは…。暇なのですか」
 藩王は笑って言った。
「なに、人がいないだけさ。技手もまだ到着してない」
「…」
 大丈夫かこの国、やっぱりリワマヒ国に行こうかな、と考えて、笑ってその考えを掻き消した。
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