第0話【美化100%SSバージョン】
歩露が芥藩国に辿り着いたのは、その日の「20:41:23」だった。
その時には、すでに多くの藩国が名乗りを上げていた。
現在の最大規模国家であるとされている、FEG。
現在の最大規模国家であるとされている、FEG。
にゃんにゃん共和国にもその名を轟かせる、よけ作家氏率いるよけ藩国。
彼はそのどれをも選ぶことなく、恐らくは、ただの一辺境国で終わるであろう、芥藩国にやって
彼はそのどれをも選ぶことなく、恐らくは、ただの一辺境国で終わるであろう、芥藩国にやって
来たのだった。
正直、有力な(この時点では推測だが)他国に魅力を感じなかったと言えば嘘になる。
だが、大勢の国民がいる国に行く必要はない、集中するよりは分散した方が上策だろうとも
だが、大勢の国民がいる国に行く必要はない、集中するよりは分散した方が上策だろうとも
思っていた。
しかし、彼が芥藩国にやってきた最大の理由は、それらとは全く関係ないところにあった。
藩王と技手に、借りがあったのだ。
藩王と技手に、借りがあったのだ。
いつかは返すつもりだったし、そのあてもないでは無かったが…。
いつか返すつもりの借りを、持ち続けているのもなんだな、と彼は思ったのだ。
返済は早いほうがいい。
返済は早いほうがいい。
彼が藩国に足を踏み入れると、目の前に藩王が立っていた。横に女の子をはべらしている。
「ようこそ、我が国民」
…ちょっと憎かったので皮肉ってみた。
「藩王自ら出迎えて頂けるとは…。暇なのですか」
藩王は笑って言った。
「なに、人がいないだけさ。技手もまだ到着してない」
「…」
大丈夫かこの国、やっぱりリワマヒ国に行こうかな、と考えて、笑ってその考えを掻き消した。
「ようこそ、我が国民」
…ちょっと憎かったので皮肉ってみた。
「藩王自ら出迎えて頂けるとは…。暇なのですか」
藩王は笑って言った。
「なに、人がいないだけさ。技手もまだ到着してない」
「…」
大丈夫かこの国、やっぱりリワマヒ国に行こうかな、と考えて、笑ってその考えを掻き消した。