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イベント13 中小藩国に愛の手を【歩露物語 第2話】

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第2話【主人公登場】


 那限逢真はファンタジーである。



 闇星号は複数の何かと戦っていた。

 肉眼では捉えられないが、アイドレスとは同サイズらしい。

 だが、スピードが違った。敵の方が早い。
 敵の一撃がガンポッドを砕いた。
 これで武器はSカトラスのみだ。

 見えない敵が、大量のミサイルを放った。

 那限逢真は少しだけ目を閉じ、開いた。青く輝く瞳。
 そして、ファンタジーを開始した。

 闇星号の超精度センサーが稼動し、膨大なデータを収集、分析し始める。
 2秒で分析結果が出るが、それでは遅い。だから、那限逢真はそれを埋めた。
 絶技・短期予知。
 2秒後の分析結果を確認、一瞬で理解し、思考する。

 伊達にロンリータイムズから知識を受け継いできたわけではない。

 闇星号の動きが変化した。

 まず、目の前の白兵型の腕を一振りで斬り飛ばし、重要器官に剣を突き入れ、一瞬で絶命させる。
 そして、ミサイルの群れの中に跳躍した。
「…生物兵器だ。近接信管なんて上等なものはついていない」
 魔法のように弾幕をかいくぐり、最後のひとつを、すれ違いざまに斬りつける。
 闇星号の背後で爆発が起こり、さらに機体を加速させた。

 想定以上のスピードで接近した闇星号に、後方の怪物たちは対処できないまま、突き殺される。
 その死と同時に、体内の自爆用器官が作動し、土地と敵を汚染し、巻き添えにする…
 ことはない。
 器官は、最初の一撃で破壊されていた。センサーと短期予知がそれを可能にしていた。

 真っ向正面から、5体の怪物は暗殺された。
 ただ、センサーに優れただけの機体は、那限逢真を相棒にすることで、ファンタジーを具現化するのだった。



 呆然としたままの歩露と、平然としている藩王の前に、闇星号が立った。

 ハッチが開き、闇星号のパイロットが飛び降りてきた。
「那限逢真、到着しました」
 藩王は微笑を強くして、ご苦労様と言った。
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