芥辺境藩国@wiki

イベント13 中小藩国に愛の手を【燕丸短編】

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【貴方に私は絡みつく】


「貴方に私は絡みつく」アサガオの花言葉より

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一言で言うと、燕丸は変人だった。歩露が身をもって体験することになる。

「さ、寒い~~~」
暖炉の前で震える歩露。川で溺れて死んでしまうところだった。
何でマンガみたいに川に落ちてしまうのだろうと自己嫌悪に入る歩露。頭をぽかぽか叩く。
ゲラゲラと笑うちょー変人燕丸。お湯呑みを渡した。
「いただきます」
ずずず。黙りこける二人。
「・・・・・・なんでレモンティーなんですか」
笑い出す燕丸。

気まずい空気が漂った。

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「そ、そうだこの植物、アサガオですよね。お花好きなんですか」
耐えられなくなった歩露が切り出す。
「いや、花なんて大嫌いですよ」
笑顔で返す燕丸。どうでもいいが悪い奴である。
「え、じゃ、なんで」
「これの種って下剤としても使えるんですよゲラゲラ」
絶対普通に使わないんだろうなと思う歩露。
「嫌がらせに仕込むとすごいんですよこれ。一発退場ノックアウト。ゲラゲラ」
どうでもいいが笑い方が好きになれない。
はっとなる歩露。
「ま、まさかさっきのお茶に仕込んでないですよね。ですよね」
燕丸は噴き出した。
ああ、悪質な嫌がらせかしら僕を見て楽しんでいるのかしらなんて悪い人だ。
ちょっと涙がこぼれた。
「仕込むのは地位の高い人だけですよ。普通の人にはかわいそ過ぎる」
ほんとかよとツッコミを入れたくなったが、ヤル気が起きないのでもう無視した。
この人をまともに相手しちゃだめだ。
「がんばれ自分。負けるな自分・・・はぁ」
弱々しく部屋に響いた。
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