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イベント13 中小藩国に愛の手を【芥藩国戦争準備状況報告書】

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【芥藩国戦争準備状況報告書】

作:磐上(PL:岩上)



ここは芥藩王国会議室。



藩王である荒川信介は部屋の端から端をいったり来たりしている。

そしてたまに机の上にある資料を見てはため息をついている。

「・・・金が足りないな。」

ぼそりとつぶやいた。

「藩王、それ三回目です。」

「分かってる・・・・」

今回藩王のサポートを行っているのは摂政の那限逢真ではなく、双海 環である。

逢真は新型I=D設計のために別の所で辻斬燕丸とともに別の場所で奮闘している。

「しかし同盟国を見捨てるわけにも行かないな・・・やれやれ、しばらくはのんびりできると思ったんだが。」

珍しくでこにシワをつくってまで悩む藩王、やはりダラダラしているように見えてきちんと国のことは考えているようだ。

「とりあえず皆さん働いてるみたいだし藩王もバイトでもしてみたらどうです?」

そう言うと双海はお金儲けリストを広げて見せた、金が無いときは藩王も稼ぎにまわる、小国のつらい一面である。

「なんか悲しくなってきた・・・・なんで金がたりないんだ。」

「四回目です。」

「・・・・・・・」






I=D設計開発室。

「諸君、ついにメカの時代だ。」

待ってましたと言わんばかりに盛り上がる技師達、そう彼らは生粋のメカ好きであった。

「ふふふ・・・こんなこともあろうかと、実は前からこっそり書き始めてたんですよ。」

そういうと辻斬 燕丸はどさっと設計図を机に置いて見せた、やけに細かく詳細が書かれている。

得意げに笑みを浮かべる燕丸、しかし次の瞬間設計図がもう一つ積まれた。

「どうやら考えることはだいたい同じらしいな。」

その設計図を用意したのは逢真だった、流石は闇星号の設計者。

火花を散らせる逢真と燕丸、しかしさらに次の瞬間三つ目の設計図が積まれた。

「これで三つ巴・・・・さあどうします?」

スリムなデザインのアメショー、その設計者は松林ぼたんであった。

彼女は藩国に入りたての国民ではあるがその手腕と努力により設計図を間に合わせたのだ。

卓上に並べられた三つの設計図、その後二時間ほど各人は自らのI=Dのすばらしさを激論を続けた。

最終的に藩王の決定にゆだねる事となり、三人に凄い勢い設計図を突き出された藩王は結局三つとも採用することになるのであった。






芥藩王国書斎。

「急げ時間が無いぞ!!」

ゲドーが恐ろしい速度でペンを走らせる。

「わかってるけど・・・なんでこんな物書かなきゃならないんだ?」

歩露がポツリと疑問をつぶやいた、机の上には一つ双海飛鳥が先に書き終えた藩国の戦闘準備状況報告書が置いてある。

「よくわからんがコレが金に換わるらしい・・・金イコール今のうちの藩国の命だ。」

「文章が金に・・・妙な時代になったもんだな。」

そんなこんな話しているうちにもガンガン報告書の山が積まれていく。

「さあラストスパートだ、締め切りは待ってくれないぞ!!」

「ああ、なんとしても藩国滅亡だけは避けてやろうじゃないか。」

そう言うと歩露は三本目の栄養剤のフタをあけた。






王宮ベランダ。

藩王の部屋のベランダ、そこに王猫のコジロー2世がひなたぼっこをしていた。

その姿は一見すれば寝ているように見えるだろう。

「・・・・・・・・」

しかしそうではない、彼はこの藩国の一大事に国民の行動を随時観察し必要ならば藩王に報告する役割をおっているのだった。

国民の行動に目を光らすコジロー二世、だが彼の瞳に作業の手を抜く国民は映らなかった。

「・・・・・・・・・・・」

コジロー二世は満足気に伸びをすると今度は本格的に昼寝に入ることにした・・・・ひと仕事したあとで。






完全に余談だがこの文章を書いている今、私は引っかき傷のせいで顔が痛くてしょうがない、やはりサボりはよくないようである。
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