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イベント32 新人歓迎キャンペーン【ゲドー戦記01】

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【ゲドー戦記01】

作:ゲドー(PL:外道)


 常世とゲドーが格技場で殴り合いをしている
別に喧嘩をしているわけではない
ゲドーが稽古をつけて欲しいと願い出てこうなったのである

ゲドー、唸り来る拳に手を添えて軌道を変える。即座に懐に飛び込み一撃を見舞う
ドスリと重い音がする
常世はうめき声を出し、腰を折る
連撃を繰り出そうとするが身が引けない。つかまれている
蹴りつけて手を剥がそうとするがもう遅い。身体を密着させて押し倒される
常世はまずゲドーの胸に手を押し当て、ゲドーの身体を制す。すぐに起き上がり、突きを構える
ゲドーは対応しきれず亀のように手足をばたつかせる

「しっ!!!」

常世の体重を乗せた突きが入る
ゲドーはヒューヒューと唸る
止めに腹を踏む。呼吸を行えず白目をむく

「オレもまだまだだな・・・」

常世は腹部をさする。触れると鈍痛が響く

「アンジュ、そいつに水でもぶっかけてやれ。オレはちょっくら出て行くわ」

常世は、道場の隅で戦いの様子を見ていた少女にそう声をかけると懐から宝くじを出し、鼻歌混じりに道場を後にする
アンジュ。ゲドーさんちの引きこもりである
常世に言われたとおり、バケツ一杯の水をゲドーにぶちかけた

「起きろクソやろー」
倒れているゲドーの頭にバケツを投げつける
この娘、かわいい外見とはうって変わって、毒舌家である

「……だ、大丈夫か?」
それでいて小心者である。生きづらいわけだ
アンジュはおろおろしだす

「大丈夫ですよ」
ゲドーは寝転がったまま返事をする
「ゲドーは軟弱なんだから無理しちゃダメだ」
「軟弱・・・」

言葉がぐさりと突き刺さる。ゲドーはちょっと泣いた

「な、軟弱でも強くなりたいと思ったんですよ」
「なぜ?」
「守りたいものがあるならば、人は強くなれるものなのです。それを実証した瀧川と言う少年もいます」
「タキガワ?誰だ」
「世界一名の売れてない撃墜王です。運が良ければ、アンジュも出会う事があるでしょう」

「そうか・・・でもやっぱり」
アンジュは、ゲドーの身体に刻まれている痛々しい傷をちらりと見る
「格闘技はゲドーには向いてないと思うぞ」
「猫たるもの、向き不向きなんて細かい事を気にしてはいけませんよ。大切なのは自分がどうしたいかです」
「でも・・・他の方法はないのか?」

ゲドーはニコリと笑い、アンジュの頭をなでる

「な、何をする!」
「アンジュはいい猫になりますね。視野を広げ、物事をしっかり考えるのは大切な事です」
「や、やめろ。このバカヤロー」

バチンと頬にビンタをかます
ゲドーはその痛みにのた打ち回る

「ちょーいてー!!」
「ほら、私みたいな子供にも負けてるじゃないか!弱いんだからやめろ。すぐにだ!」
「いいんですよ、私は悪い猫ですから。効率も何も関係なく、したいことをするだけです」
「じゃあ好きにしろ!」

今度は腹を踏まれる
ゲドーはちょっと死んだ
アンジュは走り去っていった

「う~ん。少し意地悪しちゃいましたかねぇ?」

ゲドーはポリポリとあごを掻く

「稽古、つけてやろうか?」

背後から突然声がする。振り向けば藩国摂政にして技士の那限逢真がいる。
気づけば日も落ち、かげりを見せる時間だ

「これがホントの逢真がとき?」
「下らん事を言うな。で、やるのか?」

愛用のナイフを抜き、身構える
ゲドーの背筋が冷えていく。身構えるが少し腰が引ける

「私は悪い猫です。彼女の優しさを煙に巻きましたからね、断る理由がありません」
「?そうか。いい心構えだ」
「すいません、下らない用事にあなたを呼んでしまいまして」
「気にする事はないさ」

日が沈む。それが開始の合図だった
************

ゲドーはこの稽古の様子を笑顔でこう語る
「軽く5回は死にかけたね☆」
「おじいちゃんに久しぶりに会いました☆」
etc・・・

ゲドー戦績
3戦 0勝 3敗
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