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E98 偵察SS・1 作:ゲドー

最終更新:

takanashi

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もにょもにょとした空間を越えてきた先は大地が広がっていた。
「ゲートリンク越えました。各員状態及び装備チェックを開始します。気持ち悪くなった人いる?」
ぼたんが全員に聞く。
『いませ~ん』
「色調とか変わっちゃった武装は黒ペンで塗っちゃってね。汚しちゃってください」
『は~い』
「使えなくなっちゃった装備はポイしちゃってくださいねえ」
『は~い』
着々と戦闘の準備が進む。装備品を作戦仕様書にしたがって整える。

 

準備完了。
「こんなの使えるのか?」
東堂悠司がレンズ望遠鏡をくりくりと回して覗いている。
「無いよりマシです」
「世界移動も楽じゃないなあ」
東堂は苦笑する。

 

縦列陣形を維持して周囲を警戒しながら進行して行く。
空気が少し変わった気がした。
「警戒チーム広域警戒開始。索敵班は索敵開始です。足跡とか、何でもいいので発見したら連絡お願いします。
持ち帰るのは情報です。戦闘は避けていきましょう。隠蔽用装備も準備しましょうね」
各員情報源となりうるものを探すために警戒&索敵モードに入る。
「僕たち・・・どこまで行けばいいのでしょうかね」
索敵中、霧原涼がそんなことを言った。
「さあな、やれるところまでいくしかないさ」
東堂はそう応える。ちらりと吉田遥の事を思い
「守れるものがまだあるんだ。もう少し、あがこう・・・」
そう結ぶ。
「これやるよ」
東堂は携帯食を渡す。
「子ども扱いしないで下さいよ・・・」

 

索敵を行い、敵の位置を搾り出し警戒しながら進行していく。
情報源(足跡とか)も増えていく。逐一データを取る。
「近いかも・・・」
ぼたんがポツリとそうつぶやく。
「警戒レベルを上げていこう」
それぞれが遮蔽物になりうるものに身を潜める。風景の一部に溶け込むように。
      • 気配を消す。
呼吸を整える。肌で空気を感じ取り、大地の脈動に合わせるように。呼吸をする。

 

ピクん!と耳が震える。
(敵?かな)
みんなと目を合わせる。こくりと頷き、行動を開始する。
地味な作業だ。だが戦闘行動には違いない。緊張でじっとりとした嫌な汗をかく。情報を持ち帰るまでが偵察だ。気を抜いてはいけない。
ぼたん、東堂と軽く目が合った。
東堂は意味も無くぐっと指を立てて笑みを浮かべる。
ぼたんは頷く。作戦行動を続ける。

 

成功しますように。ファイト~。
文責:ゲドー

 


イラスト作成者:海堂玲

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