漆黒の蝿
「ふふふ…これなら…これならこの私でももあいつ等に勝てる…そぉ~だ!これは…いや!これが私の力なのだ!!
今の私なら…そう!!ムーリアンだろうが…いや!あのラーゼフォンにだって勝てる!!」
一色真は笑いだす。。自分に渡された壮大な"力"を思いつつ。
彼の支給品、それは80mはあろう巨大な機械兵器、暗闇の如き黒き体に血走ったかのような漆黒の単眼、通称”シズラー黒”
「フフフ…生き残れる…これならば私は生き残れるぞぉ!!ふふふふははははははは!!見ていろ!!
私はDではない事を証明してやる!!はぁぁぁっはっはっはっはぁ!!あぁぁぁっはっはっはぁ!!」
自分が得たその機体、それそのものが自分の”力”と言わぬばかりにその狭い機体の中で狂った様に笑い出す。
「さあ!早く!早くきたまえ!!誰でもいい!
私のこの溢れんばかりの力を!力を!!早く私がDでは無いと言う事を見せ付けさせてくれ!!!」
自分の新しい力を早く試して見たい、この巨大な、漆黒の巨人の力を。
そこに、巨人からの"視線"からでは、小虫ほどの小さい物が飛んできた。
「ン…?」
真は目を凝らす、よく見るとそれは羽根が生えたような正に小バエといわないばかりのおぞましい小型の戦闘メカのようだった。
「なるほど、ハズレを引いた参加者かぁ…ならこの一色真が君をあの世に送ってあげよう!!」
マニュアルに手を伸ばす、ビーム、ミサイル、武器は大量にある、どれを試す?真はまるで無邪気な子供の様に武器を選択する。
「そうだな…じゃあ…まずは!!!ミサイルだぁぁあぁぁっ!!」
その小型戦闘メカに向けて、機体と同サイズ程のミサイルを必要以上に放つ。
壮絶な爆炎。起きる土煙。
土煙が引いていく。
そこから見える無残な形に変形した山々
「これが…私の力…?・・・やった…はは…凄い!!私は凄い!!私はDなんかじゃないんだ!はははは!!!!」
その圧倒的な力に恍惚の笑みを浮かべる真。
本来の目標は爆破の瞬間上空へ逃げたともしらずに。
頭上から迫る"黒き小バエ"にも気づかずに…
「あはははは!!僕は!!Dじ」
黒き小バエは、一色真の"力"を
その"力"を上回る"憎しみの力"で
真っ二つにした。
会場に響く、2回目の爆音──
開始早々、消えて散るD──
「…ちぃ、奴の服じゃねえ…人違いか」
コックビット内に広がるDだったのもの赤い肉片、
その中から、辛うじて服と分かるものを見つけて呟く彼──フェルナンド・アルバーグ。
「クッ…待っていろフォルカ…俺は貴様に、貴様に絶対復讐してやる…この憎しみを…フォルカァァァァァァアッ!!」
憎しみのオーラ力が、悪しきオーラ力が、彼と彼の機体、ズワウスを包み込む…
【フェルナンド・アルバーグ 搭乗機体:ズワウス(OVA聖戦士ダンバイン)
パイロット状況:健康
機体状況:損傷なし(ハイパー化の兆しあり)
現在位置:A-8
第一行動方針:フォルカを探す
最終行動方針:フォルカを殺し、自分の過去を清算する】
【一色 真 搭乗機体:シズラー黒(トップを狙え!)
パイロット状況:死亡
機体状況:大破】
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第53話「生き抜く、力の限り」 |
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最終更新:2008年06月02日 21:08