崇徳院御製全(50音順)

  • 崇徳院御製164首を50音順に並べたもの。
  • 長歌2首は後ろにまわし、上三句のみを載せた。
  • 表記は勅撰集、久安百首、私撰集、私歌集、物語という順序で決定した。
  • 御製とは思われないものも少なからずあり、確実に御製でないものもあるが(98歌は待賢門院堀河詠、124歌は西行詠、126は西行詠に手を入れたもの)、かまわずとった。
  • リンク先は、個々の歌のデータ(作成中)
  • 165の歌は参考までにあげたもの。詳しくはリンク先へ。



  1. あかずみる竹のうらばのしら雪にをはうちふるなすだくむら鳥
  2. 秋来ればおもひかなしも夕づくよ残おほかるけしきなるかな
  3. 秋立ちて野ごとに匂ふ藤ばかまなかふむ鹿やあるじなるらむ
  4. 秋なれど晨明の月は夏の夜の望よりもみる程なかりけり
  5. 秋の田の穂波も見えぬ夕霧に畦づたひして鶉なくなり
  6. 秋ふかみたそかれ時のふぢばかまにほふはなのる心ちこそすれ
  7. 秋ふかみ花には菊の関なればしたばに月ももりあかしけり
  8. 朝倉やただ徒に帰すにも釣する海士の音をのみぞ啼
  9. 朝日さすみねのつづきはめぐめどもまだしもふかし谷のかげ草
  10. あさみどり八重のかすみや二とせの行きあふ空の隔てなるらむ
  11. あさゆふに花まつころはおもひねの夢のうちにぞさきはじめける
  12. あぢさゐのよひらのやへにみえつるは葉ごしの月の影にや有るらん
  13. あはれてふなげのなさけもかかりなばそをだに袖のかわくまにせむ
  14. 天の河八十瀬の波もむせぶらむとし待ち渡るかささぎの橋
  15. 海士のすむはまのもくづをとりしきて爰にとまるといもしるらめや
  16. 雨ふりて玉ゐる露をはちす葉の花の光と思ひけるかな
  17. あらし吹くきしの柳のいなむしろおりしく浪にまかせてぞみる
  18. 顕れて虫のみ音にはたつれども女郎花にぞ露はこぼるれ
  19. あれはててさびしき宿の庭なればひとりすみれの花ぞさきける
  20. いかでいかでなげきをつみしむくいとてあひみて後に人をわびしむ
  21. いそぎ出でてわがためにとし聞きつればあまき心に受けぞをさむる
  22. いつしかと荻の葉むけのかたよりにそそや秋とぞ風も聞ゆる
  23. いづる息のいるをまつまもかたき世をおもひしるらむ袖はいかにぞ
  24. いにしへは敷く人もなく習ひ来て冱ゆる霜夜の牀となりけむ
  25. いのちにはかへてあひみんと思へどもなれてわかれは惜しからじやは
  26. 岩がねのこりしく山をこえくればわがくろ駒はきになりにけり
  27. 入日さすとよはた雲に分きかねつたかまの山の嶺の紅葉ば
  28. うきことのまどろむほどはわすられてさむれば夢の心ちこそすれ
  29. うぐひすののなくべき程になり行けばさもあらぬ鳥も耳にこそたて
  30. うたたねは荻ふく風におどろけどながきゆめ路ぞさむる時なき
  31. 打ちなびきけふ立つ春のわか水はたがいた井にかむすびそむらん
  32. えだになく山時鳥すゑながら花たちばなをたをりてしかな
  33. 老いぬればわか紫にかざされて藤にも松はかかりけるかな
  34. おきつ波たちわかるとも音に聞くながゐの浦ふなとどめすな
  35. おしなべてうき身はさこそなるみがたみちひるしほのかかるのみかは
  36. おしなべて花のにほひしひとしくは宿のほかをば尋ねざらまし
  37. おしなべてむなしととける法なくは色に心やそみはてなまし
  38. おほかたの色をばいはじ梅の花香をもあだにはちらさざらなん
  39. 大空にわかぬひかりをあま雲のしばしへだつと思ひけるかな
  40. 思ひきや身をうき雲となしはててあらしの風にまかすべしとは
  41. おもひやれみやこはるかにおきつなみたちへだてたるこころぼそさを
  42. おろかにぞことのはならばなりぬべきいはでやきみにそでを見せまし
  43. かきくらしあめふるかはのうたかたのうたてほどなきよとはしらずや
  44. かぎりありて人はかたがたわかるとも涙をだにもとどめてしがな
  45. かくれぬにいつかとまちし菖蒲草けふは引きます物にぞ有りける
  46. かさねきし袖のひとへにかはるにもさだめなき世ぞ思ひしらるる
  47. かぞふればとをちのさとにおとろへていそぢあまりのとしぞへにける
  48. かめあそぶ入江の松にぬるたづはみちよかさぬる物にぞ有りける
  49. から衣かさねし夜半の手枕につきけるしわを形見にぞみる
  50. かりがねのかきつらねたる玉章をたえだえにけつ今朝の秋霧
  51. かり衣そでの涙にやどる夜は月もたびねの心ちこそすれ
  52. 聞くにだに露ところせきふる郷のあさぢがうへを思ひこそやれ
  53. 君をだにも人づてならでおとしめば我が身のとがも嬉しからまし
  54. くみてとふ人なかりせばいかにして山井のみづのそこをしらまし
  55. 雲のなみあまの川瀬にたたねどもなにあらはれてすめる月かな
  56. くらぶ山木のしたかげのいはつつじただこれのみや光なるらん
  57. くれなゐに涙の色はふかけれどあさましきまで人のつれなき
  58. 木枯しにもみぢ散りぬる山めぐりなにを時雨のそめんとすらむ
  59. 心ざしふかきあさきをほととぎすしるしあらせて声をきかせよ
  60. ここもまたあらぬ雲井と成にけり空行月の影にまかせて
  61. 梢さへたのむかげなく枯れにけり花のすがたのねにしかへれば
  62. ことならばさてこそちらめ桜花をしまぬ人もあらじと思へば
  63. 琴の音に引きすますなるその駒を神や心にのりて行くらん
  64. ことわりや嵐の山に咲く花は心のどかににほはざるらむ
  65. このごろのをしのうきねぞあはれなるうはげの霜よ下のこほりよ
  66. こひこひてたのむるけふのくれはどりあやにくに待つほどぞひさしき
  67. こひしなば鳥ともなりて君がすむ宿の梢にねぐらさだめむ
  68. これをこそくものうへとはおもひつれはるかに月のすみのぼるかな
  69. さきの世の契りありけんとばかりも身をかへてこそ人にしられめ
  70. さしぐしもつけのはなくてわぎもこがゆふけのうらをとひぞわづらふ
  71. さ月山ゆずゑふりたてともす火に鹿やはかなくめをあはすらん
  72. さまざまにちぢの草木のたねはあれどひとつ雨にぞめぐみそめぬる
  73. 五月雨にはなたちばなのかをる夜は月すむ秋もさもあらばあれ
  74. 五月雨はたな井にもりしささ水のあぜこすまでになりにけるかな
  75. 賤の女がかたみしるべく日をつめどまだうらわかなてにしたまらず
  76. しののめの明行く空にかへるとておつる涙やみちしばの露
  77. 過ぎがてにみれどもあかぬ玉津島むべこそ神のこころとめけれ
  78. せをはやみ岩にせかるるたき川のわれてもすゑにあはむとぞ思ふ
  79. たか瀬舟よしふり立てよ大井川きしの紅葉をいかがすぐべき
  80. 田子の浦のいはねにかかる藤なみはみちくる塩のこゑをかるらん
  81. たづねつる花のあたりになりにけりにほふにしるし春の山かぜ
  82. たなばたに花ぞめごろもぬぎかせばあか月露のかへすなりけり
  83. 玉よするうらわの風にそらはれてひかりをかはす秋のよの月
  84. ちかひをばちひろのうみにたとふなり露もたのまばかずにいりなん
  85. 月かげのいるさへひとのためならばひかりみねどもたのまざらめや
  86. 月きよみ田中に立てるかりいほの影ばかりこそ曇りなりけれ
  87. 月清みゆるぎの杜にゐる鷺のたたずはよそにいかでわかまし
  88. つみしれる人やすむらん川瀬にはやなきりすててあみのめもみず
  89. つららゐてみがける影のみゆるかなまことにいまや玉川の水
  90. ときはなるかげはありともこのよにてまたばいつかはあふのまつばら
  91. 年ふれどかへらぬ色は春ごとに花にそめてし心なりけり
  92. なげくまにかがみの影もおとろへぬ契りしことのかはるのみかは
  93. なさけなきかりこの耳にさを鹿のこよひの声をいかできかせん
  94. なほざりのあはれも人のかくばかりあひみしときにきえなましかば
  95. 名をだにもきかぬみのりをたもつまでいかでちぎりをむすびおきけん
  96. 子の日すと春の野ごとに尋ぬれば松にひかるる心ちこそすれ
  97. 根はふかくおもひそめてきおく山のいはもとすげのすげはなけれど
  98. はかなくもこれを旅ねとおもふかないづくもかりのやどとこそきけ
  99. はかなさは外にもいはじももうたのその人かずはたらす成りにき
  100. はしたかのそらしもはてずひきすゑて仮初にだに逢ひみてしかな
  101. 初春の梅をだにこそ求めしかおもへば今はひとつこのはな
  102. 花はねに鳥はふるすにかへるなり春のとまりをしる人ぞなき
  103. 浜ちどり跡はみやこにかよへども身は松山にねをのみぞなく
  104. はやせ川みをさかのぼるうかひ舟まづこの世にもいかがくるしき
  105. 春きぬとはにふのこやもそめくなりよはひもくるるかへりみはせで
  106. 春くれば雪げの沢に袖たれてまだうらわかき若菜をぞつむ
  107. はるごとにたかきに移る鶯やくらゐの山のありすなるらん
  108. 春すぎば岸の山吹のこらじを頼むかげとて蛙鳴くなり
  109. 春の野に雪げの水はながるれどつれなくもゆる下蕨かな
  110. 春のよはふきまふ風のうつり香を木ごとにむめとおもひけるかな
  111. はれぬれど枝もとををにしづりしを木の下かげは猶雪ぞふる
  112. ひさかたのあまのかぐ山いづる日もわが方にこそひかりさすらめ
  113. ひたすらにいとひもはてじかばかりの月をたもてる此世なりけり
  114. 一たびもききし御法を種として仏の身とぞ誰もなりぬる
  115. ひまもなくちるもみぢばにうづもれて庭のけしきも冬ごもりけり
  116. ひれふりし松浦の山の乙女ごもいとわればかり思ひけむかも
  117. 吹く風ににほふのみかはむめの花うすくれなゐの色もなつかし
  118. ふく風も木木のえだをばならさねど山はやちよのこゑぞきこゆる
  119. ふたつなきのりの契をちとせまで谷の水にやむすびおきけん
  120. ふる雪はたにのとぼそをうづむともみよのほとけのひやてらすらん
  121. 星とのみまがへるきくのかをるかは空だき物の心ちこそすれ
  122. ほととぎす夜半に鳴くこそ哀なれやみにまどふはなれひとりかは
  123. 時鳥なきつる杜の一えだはあかぬなごりのかたみなりけり
  124. 程とほみかよふ心の行くばかり猶かきながす水ぐきの跡
  125. 松がねの枕もなにかあだならむ玉のゆかとてつねのとこかは
  126. 松山やなみに流れてこし船のやがて空しく成にけるかな
  127. みあれにはたれかはかけぬいかばかりひろき恵のあふひなるらん
  128. みかりするかたののみのにふる霰あなかままだき鳥もこそ立て
  129. 見し人もすみあらしてしふる郷にひとりつゆけき女郎花かな
  130. みちのべのちりに光をやはらげて神もほとけのなのるなりけり
  131. 道もせに誰がおりしけるにしきぞもえぞしらすげのまのの萩原
  132. 水ぐきのあとばかりしていかなればかきながすらん人は見えこぬ
  133. みみちかくしかのそのにてとくのりにかつがつかりのよをばいでにき
  134. 都出でていくかになりぬ東路の野原しのはら露もしみみに
  135. 都にはこよひばかりぞすみの江のきしみちおりぬいかでつみ見ん
  136. みる人に物のあはれを知らすれば月やこの世のかがみなるらむ
  137. むさしあぶみふみだにもみぬものゆゑに何に心をかけはじめけん
  138. むしのごとこゑたてぬべき世の中におもひむせびて過ぐる此かな
  139. もがみ川つなで引ともいな舟のしばしの程はいかりおろさん
  140. 紅葉ばのちりゆくかたをたづぬれば秋も嵐のこゑのみぞする
  141. もろ人の御祓のかずを川の瀬にながるるあさのほどにてぞ知る
  142. 八重ざくらひらくるほどをたのまなむ老木も春にあはぬものかは
  143. 山ざとは月もこころやとまるらんみやこにすぎてすみまさるかな
  144. 山里は谷のふるすの近ければいづさいるさにうぐひすぞなく
  145. やまたかみいはねの桜ちるときは天の羽衣なづるとぞみる
  146. 山吹の花のゆかりにあやなくもゐ手の里人むつましきかな
  147. やみのうちににきてをかけし神あそびあかほしよりや明けはじめけん
  148. 床の上にたえずなみだはみなぎれどあぶくま川とならばこそあらめ
  149. ゆきにこそねやのあふぎはたとへしか心の月のしるべなりける
  150. 夢の世になれこしちぎりくちずしてさめん朝にあふこともがな
  151. 世中に猶ありあけのつきせずととけば心のやみぞ晴れぬる
  152. 夜をこめて谷のとぼそに風さむみかねてぞしるきみねのはつ雪
  153. 夜をさむみ心づからやなく千鳥おのが羽風にむすぶこほりよ
  154. わが心たれにかいはむ伊勢のあまのつりのうけしく人しなければ
  155. わが恋はをののえくちし人なれやあはで七世も過ぎぬべきかな
  156. 我がやどにひともと立てる翁草あはれといかが思はざるべき
  157. わぎもこが思ひさぐるにしたがはで恋はかみなき物にぞありける
  158. 和田つ海のおもひしふかき塩あひはけさたちかへる涙なりけり
  159. ゑひのまに情かけけるしら玉をしらではかなくまどふべしやは
  160. をしみかね入りぬる夜半の月なれど猶おもかげはとどめおきけり
  161. をしむとてこよひ書きおくことの葉やあやなく春のかたみなるべき
  162. 女郎花月の光に思ひいでておのがさかりの秋やこひしき
  163. いにしへの すまのうらわに もしほたれ……
  164. しきしまや 大和のうたの つたはりを……
  165. 思ひきや木のまろ殿を尋きてあはで空しく歸すべしとは

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最終更新:2011年06月29日 06:54
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