特集「あの街が凄い!第○会」
―――自然に囲まれた緑市、××県高杜市―――


高杜市民に「何か観光名所はありますか?」と尋ねたとする。
すると決まってはにかみながら「いや、何もありませんよ」と答える。
私もルポを作成するにあたって、多くの地元住民から同じ様な事を返された。
しかし、果たして本当にそうだろうか。
地元の方々はいつも目にしているから、恵まれた環境に住んでいるのを気づいてないのではないか。
そんな高杜市のスポットを、部外者の立場からルポをおこしてみた。
近くを旅する人は、参考にしてくれるとありがたい。

高杜駅に着いて、まず目に入るのは屋根つきのモール街である。
高杜モール」と呼ばれるそれには多くの店舗が連なっている。
食料衣服はもちろん、家電から映画館まで、一部企業も出店しているアウトレットモールである。
地元商店達も取り込む事により、地域活性化にも成功した珍しい例である。
天候に左右されない為、ほぼ毎日多くの人が行き交いしている。
所々設置されたテラスには、お年寄りが談笑している姿も見受けられる。
駐車場も設置されているが、駅を中心とした市電バス等で徒歩でも大抵の場所には行ける。
南へいくと住宅街、西にいくと工業地帯が連なっている

高杜市を歩いて感じる事は、緑の多さである。
辻々に多くの街路樹が見られ、目印となるような建物のそばには、
必ずといっていいほど植林された木々がある。
そのため四季折々街は花を咲かせ、その容貌を変化させる。
昭和の初め、ここはうっそうとした木々に囲まれた森林地帯だったそうだ。
戦後の復興政策と宅地造成に押され、開拓され今の高杜市となったそうである。
住民の「何もない」とは、昔の事も絡んでいるのではないのだろうか。
植林も、木々を開拓した事のちょっとした罪滅ぼしなのかもしれない。
そうした街路樹の通りを東へ進んで目に入るのが、「高見山(たかみやま)」だ。
高見山の由来は、地元古老に聞く所によると付近で一番高い場所であり
何かあった時は山にのぼって、辺りを見まわした事からきているのだという。
山の中央には神社があり、麓から下がった所には学園がある。

学園は小等教育から大学まで幅広く扱っており、それなりの広さがある。
知名度はあり、郊外からも入学を希望する人が少なくなく、編入試験も受け付けている。
また上記の理由から教諭寮・生徒寮が備わっているが、殆どの者は通学を選択している。
学園には図書館があり、地方都市には似つかわしくない蔵書量を誇っている。
一般解放もされているので、学術的興味のある方は足をのばすのもいいだろう。

高見山の神社は「高見神社」という。
祭ってある御神体は一般の人には閲覧禁止の為、掲載は出来なかったが
木で出来た人型である。大木を削ってこしらえたそうである。
豊穣を司っており、商売や農作物、子宝に恵まれない人は参るとよろしい。
おみくじ百円・絵馬五百円・高見団子三百円
静かで景色の眺めもいいため、境内周辺には親子連れやお年寄りの姿がみられた。
神主夫妻は気さくな方で、忙しくなければ土地の昔話を聞かせてくれるだろう。
静かな木々に囲まれて、団子を頬張りながら世俗を忘れてみてはいかがだろうか。

高杜駅から北西へ向かうと、海岸通りにつく。
フェリーの遊覧船や釣り船などが港に停泊しており、近くには遊泳場もある。
夏には花火大会が開催されているのだが、あいにくシーズンを逃してしまった。
もし見に行こうとする方がいるのなら、遊覧船の予約はお早めに。
海から釣ったばかりの肴を食べながら見る花火は、毎年席が埋まるので注意。
岬には灯台があり海産加工品を扱った店がある。ビールのつまみにひとついかが。
高杜漬(魚の干物に味噌を漬けた物)八百円
赤皮漬(魚肉を醤油に漬けて焼いた物)八百円
遊覧船チケット(一時間廻り)千円

なお、七のつく日と盆には全ての船が港に停泊する。
土地の風習に基づくものらしく、年配の方は船を出すのを渋る。
特に、夜間に船を出すのは絶対に断られる。
釣り船や遊覧船に乗る方は、行く前に日付を確かめるのがいいだろう。

上記が大体のスポットなのだが、知る人ぞ知る穴場がまだあるという。
もし観光されて見つけた方は、当編集部までご一報を。
今回のルポはここまで。すべての旅する方に、安全と平和を。

執筆者 宇蘇 葉玖夫

(初代スレ>>76より引用)



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最終更新:2008年09月10日 01:29