あなたはどんな病気をいつごろ発症したのだろうか。
精神疾患は様々だ。ここに来ている人にはどんな病名が医師から
宣告されている事だろうか。
精神疾患の中には一過性のもので完治する病気もある。
しかし、発病以前の生活に戻れるものはごく僅かなんじゃないだろうか。
例えばうつ病だが、確かに良くなる。
しかし「完治」=「発病以前のようにバリバリ働ける」と思うと大きな落とし穴がある。
1度うつ病を発病した人は安定しても再発しやすい。
薬と通院の必要性がなくなると、うつ病の人は真面目なタイプが多いので
また全速力で頑張ってしまいやすい。
そもそも発病以前のライフスタイルに問題があって発病したのだ。
その生活に戻れば再発する。治療は発現してしまった症状を安定・消失させるもので
あなたをよりタフにするものではない。
うつ病の通院・服薬の必要性がなくなっても
常日頃から再発を避けるようにしなければならないと思う。
他の障害も同様である。症状が治まっても、何らかのストレスによって再発しやすい。
そういう意味では1度精神障害を発症したら、自身の症状が再発しないよう
日常的に気をつけるべきだと思う。
また、統合失調症やその周辺領域の障害の場合
「寛解」という状況にあっても服薬治療を続ける事が一般的に望まれる。
統合失調症は再発を繰り返す度にまた「寛解」へ持っていくのが難しくなる。
前置きが長くなったが、私は精神疾患を発症したら、
精神疾患を抱えながらの未来設計をした方が良いと考えている。
誰しも病気になったら、その病気を治して、
発病する前の自分に戻り再出発したいと考えるのが自然だと思う。
しかし、あえて私はその考えは捨てて欲しいなと思う。
精神疾患は風邪などのように数日や数週間で治るものではない。
また手術などで治療が可能なものではない。
(外科治療可能なてんかんについては恥ずかしながら詳しい事を知らないので
ここでは言及を避けることとする。)
「休養すればじきに良くなる」という事はおそらく無いと考えた方が良い。
先にも述べたとおり、症状が軽くなっても、再発予防の為に発症以前と同じように
生活することは避けなければならない。
だが、ここで強調したいのは、あなたが精神疾患を発症したからといって
もう働く事が出来ないというわけではない。
あなたは働ける。
あなたらしさを持って、新しいフィールドで活躍する事が出来るのだ。
発症してもそれまでの仕事を何とか続ける人もいるだろうが
大抵どこかに皺寄せが来て、その生活をやめるか変えざるを得なくなると思う。
仕事を辞めて自宅静養したり、入院して重点的な治療を受けたりすることもある。
そういった場合に「症状がなくならないと仕事なんて出来ない」と思い込み
また周囲も本人に対しそう思い込ませた結果、療養の期間が恐ろしく延びてしまい
気が付いたら何年もの時を特に家で何もしない時間に
費やしてしまうなどというケースがある。
療養期間の長さは、あなたが働こうとした時に足かせとなる場合も少なくない。
無論、また症状が激しいのに療養をストップし、
無理にでも働くというのでは良くなるものも良くならない。
しかし「症状が完全に落ち着くまで療養する」という必要は無い。
ある程度服用している薬に慣れてきたら、社会復帰への計画を開始すべきである。
「ゆっくりやすむ」のは結構だが、ゆっくり休みすぎていないか自分に問うべきだろう。
発病からあなたの新しい未来が始まっているのだ。