この時代以降に描かれた絵巻物から、これらの固定観念のさらなる確証が得られ
る。鎌倉時代後期(1185~1333)までさかのぼれば、もっとも早期に作られた
絵巻物の中には、7世紀の摂政であった聖徳太子に対する敬意を払いながら、蝦
夷の一団が描かれている。おそらく、その時代の蝦夷のイメージに基づけば、そ
こでの人々はヒゲをつけており、後々のアイヌ人が使っていたのと似ている短い
弓矢を携えている。しかし、彼らの顔は当時の宗教的な絵画に現れていた悪魔に
著しく似ている所があった。聖徳太子の伝説に基づいたこれら一連の絵画は、鎌
倉時代後期から室町時代初期にかけて現れてきたのであり、それらはどれも似て
おり、絵画の中でアイヌ人達がほかの人々と異なっているとか服従しているとい
うことを大げさに表現する風潮がすでに出来上がっていた、ということを示して
いるのである。アイヌ人を魔人のようにとらえるこの風潮は16世紀初頭までに
より広まった、つまり、実際の事を描こうとしない1517年にできた作品によっ
て描かれたのである。
最終文が少しきつい感じがします。あしからず。 辻本悠太
最終更新:2008年05月10日 21:44