交易所と漁猟場の発展は、アイヌ人と倭人の関係に重大な影響を与え、そのことは同様にアイヌに対する倭人の認識に変化をもたらした。経済的、政治的な関係の増加する組織化に伴われ、アイヌとの接触は継続期間と度合いの両方において増した。そのような変わり行く関係は依然として広くいきわたる華夷思想の世界観の中で解釈され、華夷思想の蓄積されたイメージは古代の野蛮な蝦夷から近松の空想的な登場人物(亡霊)にまで及んでいる。しかし関係が進むにつれて、このようなイメージそのものが修正されるようになった。これはイメージや固定観念が物理的な関係を積極的に反映している単なる表面的な現象であることだけでなく、それらは現実を証明し、かつ正当化したので継続中の弁証的な過程の中でその関係そのものに影響を及ぼしていることも暗示している。例えば、高い利益を必要とすることにより推進されたアイヌへの残酷な搾取は、彼らが人間でなく劣っているものとしてすでにみなされていたという事実により促進され、その結果として起こるアイヌの退廃という光景は彼らが犬から伝来したという神話を強めた。この信念はさらなる非人間的な扱いと搾取を正当化した
最終更新:2008年06月01日 21:24