初音ミクと◆6/WWxs9O1sが死んだ。
まあ、とりあえずこれで俺の、「英霊」◆39/WWxs9O1sの目的は、一応は達せられたことになる。
二人が死ねば未来で39/が誕生することはなくなり、奴らの影響で滅ぶはずだった未来も救われたはずだ。
あの6/が実は偽者だったと知ったときは流石に驚いたが、それならそれで特に問題は無い。
その偽者は確かに死んだのだし――この世界を訪れた『本物』の6/氏は、いずれ目的が済めば自分の世界へ戻るだろう。
ならば、この世界にもう6/とミクはいないも同じ。
39/が誕生する可能性は、もう限り無く零に近いと言ってもいいだろう。
しかし、これで全てが終わったわけじゃない。
可能性を完全に絶つためには、まだこの時代で為さねばならないことが残っている。
正確に言えば、まだ殺さなくてはならない人物が残っている。
他のボーカロイドや、6/レプリカどものことじゃない。
殺しておくに越したことは無いが、そちらは後回しでも構わないだろう。
そいつら以外に、最優先で消しておくべき男がいるのだ。
その男を生かしておけば、最悪第二第三の39/が生まれかねないのだから。
「出てきたな」
噂をすれば影。
丁度、その男が建物から出てきた。
こそこそと建物から離れようとしているが、逃がす気など毛頭無い。
俺は潜んでいた路地から飛び出すと、その男の前に姿を現した。
「ん、お前は……」
「お前を殺しに来た。この世界に6/を生み出した諸悪の根源――◆nkOrxPVn9c、
マーラ様の人」
欠片も動揺する気配を見せないのは、さすがと言うべきだろうか。
ボーカロイドや宇宙人と手を結び、6/レプリカを作り上げた張本人、マーラ様の人。
この男は、ここで殺しておかなくてはならない。
「お前は……◆39/WWxs9O1sか。未来からミクと6/を殺しにきた」
「そうだ」
こちらの素性は知られていたか。
だが、目の前の男が書き手である以上、それは驚くようなことではない。
超展開もキバヤシ理論も何でもござれ――それがカオスロワの書き手なのだから。
故に、ここで絶対に殺さなくてはならない。
万一にも超展開で復活したりしないよう――魂まで、確実に。
「成程、6/とミクが死んだから、今度は6/を作りった俺を殺しにきたってことか。
そりゃ当然だわな。俺が生きてちゃ、また6/が生まれかねないんだから」
「理解が早くて助かる。悪いが、未来世界の平和ために死んでくれ」
「いや、それは困るな。6/が死んで、レプリカ達がどんな反応するのか見たいし。
せっかく、予定通りに本物の方の6/氏がこっちに来たってのに」
「安心しな。レプリカも同じように殺してやるから……予定通り?」
たしか……本物をこの世界に召喚できるかは、彼らにとっても半信半疑だったはず。
なのに、目の前の男は、まるで本物が来て当然だとでも言うような口ぶりだ。
「ああ、
KAITOやユーゼスは成功率は微妙って思っていたみたいがな。
ただ、俺は確信していたさ。本物の6/氏ならば絶対、この世界にやってくるってな」
「それは、何故だ?」
「俺が世界中の誰よりも、ともすれば6/氏当人よりも、6/氏のことをよく知っているからさ。
このテラカオスバトルロワイアルで奴が書いた話は何十回も読み返した。奴が登場した話は何百回も読み返した。
奴のことで俺にわからないことは、どうして俺達が奴にこうも惹き付けられるのかってことだけさ。
でなけりゃ、レプリカなんて作れるはずが無いだろう?」
満面の笑みで、男はそう言い切る。
爽やかに狂ったセリフを吐くな……気色悪い。
しかし、実際に6/氏はこの世界にやってきているのだから、その情熱は本物なのだろう。
だからこそ、ここで殺しておかなくては。
「お喋りは終わりだ。そろそろ死んでもらう」
こいつに勝つ手段は、すでに俺の力で『創造』してある。
これを放てば、マーラ様の人は反撃すら出来ずに死ぬだろう。
俺が『創造』した最強にして無敵の必殺技、エターナルフォースブリザードならば――!
「だから、それじゃ困るんだって。
俺はまだ、6/氏を殺せてないんだから」
エターナルフォースブリザード。相手は死――何?
今、こいつは何て言った。
6/氏を殺すと言ったか? 馬鹿な。
それに何のメリットが――俺を動揺させ、隙を作るための虚言?
いや、だとすれば、今攻撃してこないのはおかしい――ということは、本音――いや、だから理由が無い。
「理由なら、あるさ」
「!?」
「6/氏に興味を持って、色々と調べているうちに思ったんだよ。
これほどまでに俺を魅了する6/氏を、この手でぶち殺してやりたいって。
6/レプリカを作り、レプリカによる殺し合いを――6/氏戦争を始めたのも、実際に6/氏を殺すためのシュミレートに過ぎないのさ。
レプリカ連中と、本物に限り無く近い力を与えられたレプリカ6/の戦いは、結構有益なデータを俺に提供してくれた。
まあ、レプリカ6/が死んだ以上はその余興もおしまいだ。
ここからはずっと俺のターン。俺の生み出したレプリカと、本物の6/氏の命の奪い合いが始まるのさ」
まるでトリックを暴かれたサスペンスドラマの犯人のごとき自白。
テレビの中であればある意味微笑ましい光景だが――◆39/WWxs9O1sにとっては笑えない冗談だ。
「……狂ってるな、お前」
「狂いもせずにロワに参加出来るかよ?」
俺は気付いた。
この男と、これ以上話しても無駄。何の益も無いと。
そもそも、彼が本物の◆6/WWxs9O1s氏に勝てるはずがない。
戦闘になったとして、KAITOは当然◆6/WWxs9O1s氏に付くだろう。
それに対し、マーラ様の人側の戦力は現時点で生き残っている数名のレプリカと、本人しかいないというのに。
さらには、彼がレプリカである偽者の6/が、すでに本物の◆6/WWxs9O1s氏に敗北、死亡しているというのに。
「その戦力差でどちらが勝つかは明白。それすら理解できないなら、戦っても無様に殺されるだけだ!
喰らえ! エ タ ー ナ ル フ ォ ー ス ブ リ ザ ー ド !!! 」
「おいおい、戦る気かよ。
ところで一つ聞きたいんだが」
決まった! 相手は死ぬ!
「俺が作ったレプリカが0/から13/までの14体だけって、誰か言ったのか?」
―――――!?
激痛。
その瞬間、激痛が体中を駆け巡った。
「こ……これは……?」
理由は判りきっている。
俺の身体に、万年筆が突き刺さっているからだ。
それも、一本や二本じゃない……文具専門店のショーケースが丸ごと空になるような量の万年筆が、俺を襲っていた。
体のいたる箇所から血液が噴水のように湧き出て、俺の周囲を紅く汚す。
これはまさか、マーラ様の人の攻撃――でも、奴に攻撃するそぶりなんてなかったはずなのに――?
「考えてもみな、14体しか作れなかったとして、それを全部バトルロワイアルに投入する馬鹿がどこにいる?
『
1975』にもちゃんと書かれてるのにな、『パロロワの適当な書き手を数十名拉致したのだ』って。
ちょいと卑怯かもしれないが、こいつらが俺の力さ、◆39/WWxs9O1s。
こいつらはKAITOもユーゼスも知らない、俺が対6/氏戦に対して用意してた切札、トップシークレット。
まあ、もうその出血じゃ、見えもしなけりゃろくに聞こえてもいないだろうがな」
【◆39/WWxs9O1s@未来 死亡確認】
さあ、遊びの時間は終わりだ。俺の愛する偽者達。
ついに目標が、真の◆6/WWxs9O1s氏がこの世界に姿を現した。
命令は唯一つ。◆6/WWxs9O1s氏を徹底的に存分に誠心誠意真心込めて抹殺して差し上げろ。
KAITOもボーカロイドどもも、
織田信長も
空気王も、勿論他の参加者も、お前らを邪魔するならば血祭りに上げてやれ。
お前達偽物の力を、本物に見せつけてやれ。
お前達偽物の力を、この俺に見せつけてくれ。
ここからは――戦争の時間だ
【
二日目15時/新惑星東京】
【マーラ様の人@カオスロワ書き手】
【状態】尻から出血(治療済み)
【装備】拳銃、メイド服
【道具】ノートPC、支給品一式
【思考】
基本:数十人の6/レプリカを指揮し、本物の◆6/WWxs9O1s氏を殺す
1:邪魔をする奴は殺す
2:6/のレプリカ(0/~13/)たちは隙を見て回収
3:咲夜さん達のことは……まあいいか
※6/レプリカを作ったのは彼です
最終更新:2009年11月09日 00:31