「……何が起きた」
あまりの事に、私といえど暫しの間マヌケ面を晒さずにはいられなかった。
ほんの一瞬前まで、私は確かに群馬県の某所にある民家に身を潜めていたにも関わらず、
今、私……闇の帝王こと
DIOの周囲に広がるのは、群馬とは似ても似つかぬ荒れ果てた町並みだった。
「どういうことだ……何者かのスタンド攻撃でも受けているのか……?」
幻覚を見せるスタンド……いや、違うな。幻覚にしてはこの光景はリアル過ぎる。
それに、よく見れば現状に戸惑っているのは私だけでは無いようだ。
今、私が居るここ……バトルロワイアルが始まるまではビル街でもあったのだろうこの通りには、
軽く百人を超える人間が集まっているが……その誰もが、同じように困惑している。
聴覚を研ぎ澄ましてみれば、「ここはどこだ」だの「誰々がいない」だの、事態を把握できていない凡愚どもの声がそこら中から聞こえてくる。
成程、こいつらもか。
「これがスタンド攻撃による現象だとしたら、恐らく対象をワープさせるタイプのスタンド。
それも、これだけの人数を同時に移動させるとは、ケタ違いのパワーを秘めたスタンドだ。
是非、スタンド使い本人に会って仲間に引き込みたいものだな……私のこの『肉の芽』で」
私の細胞から生み出される『肉の芽』。
こいつを一度脳に打ち込まれてしまえば、どんな強靭な精神の持ち主であろうと私に服従する奴隷と化す……逃れるすべなど無い!
(※ルーミアに効かなかったことはすっかり忘れています。済んでしまったことはウジウジ思い返さないのが長生きのコツです)
さらに、一度脳に入り込んでしまえば肉の芽を摘出することは不可能だ。
摘出しようとすれば、肉の芽は摘出を試みた人間の脳にも侵入するのだからなッ!
(※鏡音リンの肉の芽が摘出されていたこともやっぱり忘れています。済んでしまったことは(ry)
スタンド使いと遭遇する機会があれば、あの迷宮兄弟のように私の手駒としてやろう。
む。そう言えば迷宮兄弟とルーミアはここには来ていないのか?
この場にいるのなら、ルーミアはともかく兄弟はすぐに私の元へ飛んでくるはずだが……。
「お前ら人間じゃUGYAAAAAAAAA!」
「やかましいぞ、人間。私は考え事をしているんだ」
急に隣で騒ぎ出した糸目の男から干からびるまで生命エネルギーを吸収しつつ、私は考え続ける。
私と迷宮兄弟とルーミアは、同じ民家の同じ部屋に居た。戯れに桃太郎電鉄とかいう
ゲームに興じていた。結果? 聞くな。
同じ部屋……全員が極めて近い距離に存在していたのに、私だけがスタンドの影響を受けたとは考え辛い。
奴らも私と同様にスタンド攻撃は受けた、だというのに奴らがこの場にいないのは、ワープ先がここだけでは無いからか?
とりあえず闇を作り出すルーミアとは
夜が明ける前に合流しておきたいが……居場所が見当もつかないのが問題だな。
「仕方ない。ここは新たな手駒を増やしつつ、地道に奴らを探すとするか」
全ての生命エネルギーを吸い取られた死体が、ゆっくりと起き上がって品の無い唸り声を上げる。
吸血鬼に精気を奪われて死んだ人間は、吸血鬼のエキスを注入することで屍生人となって蘇るのだ。
「気分はどうだ、屍生人?」
「GOOORRUUUU!! 俺、人間じゃねえ!」
クク……まずは一人。
吸血鬼のエキスと肉の芽がある限り、私の命令に従う手下は無限に用意できる。
この調子で戦力を増強していけば、いずれは主催者でさえ私の敵では無くなるのだッ!
「まずは、ここに集まっている参加者を全員私の部下にするとしよう。行くぞ、屍生人」
「WRRY!」
群衆が我々を見て何かを叫んでいる。
どうやら敏感に危険を感じとったようだが、もう遅い。
貴様らは礎となるのだ、このDIOが世界を支配するためのなあッ!
「寿限無寿限無五劫の擦り切れ!!」
「なにィッ!?」
あ、ありのまま今起こった事を話そう!
『私は屍生人と同じように参加者どもも手駒にしてやろうと思ったら、直後飛んできた何かによって屍生人がズガンされていた』
いや……いくら何でも弱すぎるぞ屍生人。
「おのれ……私の邪魔をするとは、何者だ?」
屍生人はまた作ればいいが、私に歯向かったことは許せん。
私は、何かが飛んできた方向に目をやる。そこに、屍生人を仕留めた何者かがいるはずだ。
「ムウ……貴様は?」
「すみませんねえ、マスターのきっての頼みでして」
意外! それは落語家ッ!
私の視線の先には、ピンク色の着物を着た年老いた男がいた。
この老いぼれが、私の屍生人を倒しただと……? いや、この世にはジョセフ・ジョースターのようなトンデモ老人もいる。油断は大敵だ。
「落語家、貴様何故私の屍生人を手にかけた?」
「いや、私としても貴方
みたいな強者とは戦いたくはないんですがね。
先程も言ったように、マスターが頼むのですよ。貴方を倒したいから手伝ってくれって」
「マスターだと?」
ここで初めて、私は一つの事実に気がつく。
落語家にばかり気を取られて意識に入っていなかったが、落語家の隣には小さな人影があった。
私のよく知る、金髪の少年の姿があった。
「お久しぶりですDIO様。……いや、DIO」
「貴様……鏡音レンッ!」
鏡音レンと鏡音リン。私がバトルロワイアルが始まってすぐに、肉の芽で操った双子のボーカロイドだ。
リンの方はあろう事かこのDIOに反逆した挙げ句に死亡し、レンは初期に命令を下して以来行方不明だった。
部下なら迷宮兄弟らがいたから捜す必要もなく、そのまま放置していたが……そのレンが今になって私の前に現れるとは。
「それも、私に敵対する者として……鏡音レン、貴様頭は大丈夫か? 私に反逆するという事が、どういう事だかわかっているのか?」
「わかってるさ。でも、お前を放っておくわけにはいかない。お前の被害者がこれ以上出ないように、俺とピンクさんでお前を倒すんだ」
「被害者……貴様ら双子が殺した、弱音ハクとかいうボーカロイドのようなか?」
フン……ボーカロイド風情がこのDIOを倒すだと?
笑わせるな、部下がいなくとも落語家とガキごときにやられるような私では無い。
それに……奴の頭の中には。
「そもそもだ、本気で反逆が可能だと思っているのか? 忘れたか、貴様の脳に埋め込んだ『肉の芽』の存在をッ!」
「……ッ!」
馬鹿め、失念していたな!
ピンク着物の落語家ともども、再び私の下僕となるがいい!
「『肉の芽』がある限り、貴様は私の命令に背くことはできまい!
フハハハハハハハハハーーーーッ! ツメが甘かったな、鏡音レ…」
勝利を確信してハイになった結果、つい高笑いをしてしまったのが間違いだったのかもしれない。
顔面に鏡音レンの拳が打ち込まれるそのときまで、私はそれに気がつかなかった。
「うぐおおおああああ!?」
不意を打たれた結果、私はその場に倒れこむ。
パンチのダメージそのものは大したことはない……ないが、何故逆らえる!?
私の疑問に答えたのは、静観していた落語家だった。
「ああ、髪に隠れて見えなかったのでしょうが、マスターの頭に付いてた気持ち悪いのならハイエーテルかけたら取れましたよ?」
「何……だと……?」
くそ、そんなふざけた話があってたまるか!
口から流れる自分の血を拭いつつ、後方へ跳躍してレンの二撃目を避ける。
大丈夫だ、所詮は子供の動き。来るのがわかっていれば難無くかわせる。
そのまま一度二人から距離を取り、我がスタンド『世界』を出現させた。
「命乞いをするのなら……今のうちだぞ」
「だそうですが、どうしますマスター?」
「DIO、俺はこのバトルロワイアルで、大切な人たちを亡くした。
リンもミク姉もルカ姉も、
KAITO兄さんもMEIKO姉さんも、がくぽさんもハクもネルもテトも皆、俺が弱かったから死んじゃったんだ。
だから……だから、俺はもう逃げない。
強くなるために、皆を笑顔にするために、お前を倒してみせる!」
【笑点のピンク@現実】 (クラス・アサシン)
【状態】健康
【装備】拳銃
【道具】支給品一式、タバコとライター、
【宝具】落語家の言霊
【思考】基本:必ず生き残って目立つ
0:レンを手助けしながら生き残る
1:自分を殺そうとする相手からは極力逃げる
【鏡音レン@ボーカロイド】
【状態】健康、アサシンのマスター
【装備】なし
【道具】支給品一式
【思考】
1:みんなを歌で勇気づける
2:ピンクと協力してDIOを倒す
【DIO@ジョジョの奇妙な冒険】
【状態】首から下は綾崎ハーマイオニーの肉体 首輪は爆発した
【装備】メイド服
【道具】綾崎ハーマイオニーの支給品一式、東方求聞史紀@東方Project
【思考】
1:カオスロワの混乱に乗じて、全ての世界を制覇
2:鏡音レンと笑点のピンクを排除
3:「あじおう」なる存在が恐ろしい
4:迷宮兄弟やルーミアと合流したい
【タケシ@ポケットモンスター 死亡確認】
最終更新:2010年07月13日 00:34