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「うーむ、工業の街と聞いて川崎にやってきたが
 なかなか洗脳装置を直す部品が見つからないな。縄は見つかったが」
「焦ることないですよミクトラン様。
 今は不遇でも、ミクトラン様ならきっと世を統べることができます」
「ん、そ、そうだな」

縄を持つミクトランとその縄に首輪を繋がれた弱音ハクの二人は、洗脳装置を直すために川崎をぶらついていた。

すっかり暢気な気分で東京湾沿いの道を歩く二人。その行く手を遮るように、ミクトランの見知った顔が現れた。

「しばらくぶりだのう。ミクトラン」
「ハクちゃんも一緒だったんだね」

織田信長とルカ。二人の顔に知り合いと再会できた喜びはない。

ミクトランは二人を見て一瞬体を強張らせたが、すぐに作り笑いをして二人に話しかけた。
「信長、それにルカ!約束の場所に行けず済まなかった。実は……」
「何も言うな」
ルカがパニッシャーを構えたのを見てミクトランの笑みが凍りつく。

「変ッッッ身!!」
ルカがグレネードを撃つと同時に、仮面ライダーアクセルがハクをミクトランから引き剥がした。
「ッ!?」
一人残されたミクトランはグレネードの直撃を受ける。

「いきなり……何をする……」
爆炎の中、よろよろと立ち上がるミクトラン。常人ならば即死するはずの爆発だが
強靭な肉体と、とっさにストームブリンガーを盾代わりにしたおかげで彼は死なずにすんだ。

「ネタはすべて上がっておるんじゃ、偽ミクトラン」

そう言いながらミクトランに拳銃を突きつける信長。その後ろでは、ルカが救助したハクを抱きかかえている。

「お前が7期のミクトランとは別人であること。
 7期ミクトランの名を利用してこの世界を支配しようとしたこと。
 お前が口封じの為にMEIKOを殺したこと。
 そしてハクを洗脳して、ユキやリツを含む無辜の人々を殺させたことも!
 その上……己の欲望を満たすためにあのような酷い行いを……」

怒りのあまり魔王と呼ぶに相応しい顔になった信長の声が震えている。

「今では日本中、いや世界中がお前の鬼畜生にも劣る行状に憤っておる!
 最早この世界にお前の安息の地は無いと心得よ!」

「まさか……あの放送のせいか……」

色ボケしていたミクトランにも、ようやく事態の深刻さが理解出来てきた。

「ワシらの他にも何百何千もの心有る者たちがお前を討とうとしているだろう。
 だがせめて、この場でお前を殺すのがMEIKOを守れなかったワシの贖いきれぬ罪滅ぼしじゃ。
 裁きは死者スレで受けるんじゃな」

そして信長はミクトランに向けて発砲した。

「おのれ!ウっ!」
剣で弾丸を弾くミクトラン。だがすべてを打ち落とす事はできず、何発かが手や足を打ち抜く。
「こ、こんな所で終われるか!」
信長を斬ろうとするミクトラン。だがその間に仮面ライダーアクセルが割って入った。
「貴様も信長の仲間か!」
「悪党は……振り切るぜ!」


ミクトランとアクセルの戦いを、ハクは呆然と見ていた。
「ハクちゃん」
その光景をもう見せないように、ルカはハクを抱きしめた。
「つらい事だけど、聞いてね。ハクちゃんは操られていたんだよ、あいつ……ミクトランに」


戦いはアクセルの一方的な優勢だった。最初にグレネードの直撃を受けたミクトランは、もう立っているのがやっとの状態だった。
テルィーマンも、本来ならば弱っているものを徹底的に叩くような男ではない。
しかしこの相手はそうしなければ危険な存在だということを、彼は理解していた。


「MEIKO姉さんはあいつに殺されたんだよ。ユキちゃんやリツちゃんも、あいつが殺したんだ」
ルカの胸の中でハクは震えていた。ルカは心を押し殺して、ハクに真実を伝える。

「ハクちゃんは今、あいつのことを偉い奴だって思ってるかもしれない。
 だけどね、それはあいつに洗脳されているからなんだよ。それはハクちゃんの想いじゃない」

ハクの目からポロポロと涙が零れた。
ルカはハクを強く抱きしめた。抱きしめることしかできなかった。
「すごく悲しくて、苦しいことだけど……目を覚まして、ハクちゃん」


「ウゲッ!」
ボロボロになった天上王ミクトラン。その体にアクセルの回し蹴りが決まった。
半死半生の態で道路に転がるミクトラン。その様はもう襤褸雑巾に近い。
オーバーキルかと思ったが、完全に無力化するためにテルィーマンはマキシマムドライブを発動させる。
「絶望が……お前のゴールだ!!」

その時、乾いた銃声が響いた。


「ハクちゃん……」

ごめんごめんなさいルカ姉さん。
 本当はね、ずっと前から気がついていたの。自分が操られていることも
 ミクトラン様がMEIKO姉さんを殺したんじゃないかってことも
 ユキちゃんや、リツちゃんだって、ほとんど……いいえ、全部私が自分の意思で殺したのよ」
「…………」
「ミクトラン様は……生まれて初めて私に自信を与えてくれた。
 例えその目的が洗脳で、その自信がニセモノだったとしても。
 それに……私は、本当に、ミクトラン様のことが……

 好きなの」

「…………そう、それがあなたの選んだ道なんだね。
 誰に操られたわけでもない、他の誰の考えでもない、あなた自身の意志」

その時
ルカは確かにハクに向かって微笑んでいた。


まるでスローモーションのように、ルカの身体がゆっくりと倒れる。
その向こうには、銃を持った弱音ハクが立っている。
彼女が持っているワルサーP38は歌愛ユキの支給品を回収したものだった。
倒れたルカの腹部が、真っ赤な血で染まっていく。

「ルカァ!!」
「なんだと……」
叫ぶ信長と動きが止まる仮面ライダーアクセル。その機に、天上王は最後の力を振り絞った。
「うおおおおおおおおおおおお!!」
渾身の横薙ぎがアクセルのエンジンブレードを、エンジンメモリごと叩き折る。
テルィーマンはその勢いで弾き飛ばされ、変身が解除された。
「あああああああああああああ!!」
そして目にも留まらぬ速さで、ミクトランは信長の拳銃を握っている右手を切り落とした。
しかしそれが限界だった。全ての力を使い果たし、ミクトランは地面に崩れ落ちた。


「これが私の選んだことだから」
ミクトランを素早く介抱したハクは、ルカのパニッシャーを海の中に蹴落とす。
そしてテルィーマンのアクセルドライバー、アクセルメモリ、信長の拳銃も海に投げ捨てた。 


うめく信長とテルィーマンを無視して、ミクトランの体を引きずりながら一番近い道路まで出ると、運よく一台の高級スポーツカーが通りかかった。
ハクは発砲してその車を止める。
「この車を頂戴」
「悪いな、この車3人乗りなんd」
躊躇なく乗車していた全員を射殺すると、ハクはミクトランを乗せて発車した。
【骨川スネ夫@ドラえもん  死亡確認】
【スネ夫のパパ@ドラえもん  死亡確認】
【スネ夫のママ@ドラえもん  死亡確認】


「織田信長!大丈夫か!」
「ワシのことはいい!ルカを、ルカを助けるんじゃあ!!」
右手の切り口を押さえながら、鬼気迫る表情で叫ぶ信長。
ルカを抱きかかえたテルィーマンは、その体から命が急速に失われつつあることに戦慄する。
「一刻も早く治療を受けなければ……このままでは……助からない」


「ハ……ク……お前は……どうして……」
「しゃべってはいけません。傷に障ります」
ミクトランを乗せた車を、ハクは当てもなく走らせる。
当てなどあるはずがない。この世界はもうこの人の敵でいっぱいなのだろう、そんな事を考える。
「ハク……すまない、私は……」
「今は休んで、怪我を治してください」
ストックホルム症候群という言葉を聞いたことがある。
私はそれに罹ってしまったのだろうか。
でも、もうそんなことは関係ない。
私はこの人と共に行く。例え世界中全てを敵に回すことになったとしても。
優しさに背いて、家族を殺して、自分で選んだ道だから。

【一日目・午前9時00分/神奈川県川崎市/天候・晴れ】

【ミクトラン@テイルズオブデスティニー】
【状態】ダメージ(大)、ハクに対する罪悪感
【装備】ストームブリンガー@テイルズオブデスティニー2
【道具】支給品一式、参加者からの強奪品×それなりに
【思考】
 0:…………
 ※7期とは別人です

【弱音ハク@VOCALOID】
【状態】健康、覚悟
【装備】機関銃@現実、ワルサーP38@現実、縄、高級スポーツカー
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】
0:ミクトランを守る
※7期とは別人です

【織田信長@歴史】
【状態】ダメージ(大)、右手損失
【装備】なし
【道具】支給品一式、壊れた石ころ帽子
【思考】
基本:異世界のKAITO達とその家族を守り、できれば主催を討つ
 0:ルカの命を助ける。
 1:KAITOの家族を探す。
 2:巡音ルカ、テルィーマン(照井竜)と行動する
 3:テルィーマン(照井竜)の仲間を探す
 4:ミクトランをぶっ潰す
※7期から参戦です

【巡音ルカ@VOCALOID】
【状態】ダメージ(大)、意識不明、腹部に銃撃
【装備】なし
【道具】支給品一式
【思考】
 0:……
※7期までとは別人です

【テルィーマン(照井竜)@仮面ライダーW】
【状態】ダメージ(中)
【装備】靴紐
【道具】支給品一式
【思考】
0:ルカの命を助ける。
1:信長、ルカと行動する。
2:殺し合いを止める
3:左達と合流したい
4:ルカの家族を探す
5:自分を改名したおじさん(姓名判断士)を探して元の名前に戻す
※テルィーマンに名前を変更させられました。
最終更新:2011年02月19日 17:44