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木更津市から北側に逃げたのは、イチロー、DAIGO、蛮、萃香、ロイ、ダイゴ、6/、ラミレス、オシリス、ホルスB、イドゥンの八人と三匹だ。
オシリスの背にはイチロー、DAIGO、蛮、萃香が乗り、ホルスBにはダイゴ、6/、ラミレスが、竜化したイドゥンにはロイが乗っている。
そして、サーシェスに寄生されたホルスの黒炎竜が遠巻きながら一行を追跡してきていた。
間隔こそ攻撃が届かない程度まで広がっているが、かなりの速度で追ってきているらしく、飛行速度を少しでも緩めれば追いつかれてしまうだろう。

「チクショウ、完全には撒ききれなかったか!」
「まずいのはそれだけじゃないホル、ソウルセイバー達とはぐれてしまったホルよ」
「ちなつもいないぞ!」
「久保サン、ナッパサン、ギムレーサン、リオレウスサンモイマセン……」
「落ち着くんだ、はぐれた仲間達はきっと無事さ。何かあっても戦闘力の高いナッパもいることだし」
「ロイ様の言うとおりです」

得体の知れない敵に追跡されているという現状と、仲間とはぐれてしまった事にホルスBと背にまたがっている仲間達が不安を口にし、ロイとイドゥンがそれをたしなめる。
一方、オシリスの背に跨るイチローも頭を悩ませていた。

(僕達はこれどうするべきか……? 活路を考えろ、考えるんだイチロー!)

6/のおかげで一時的に距離は離せたものの、追われている以上は窮地であることに変わりはない。
黒炎竜を触手男から助け出す手立てもなく、これから先にそれが見つかる保証はどこにもなかった。
レーザービームをぶつけて黒炎竜ごと触手男を消滅させる? ……かけがえのない野球仲間を殺す選択はイチローの中では論外であった。
しかし、ドラゴン達のスタミナは無限ではない以上、いつまでもこうして逃げ続けられはしまい。
いずれは仲間のために黒炎竜を殺す選択を強いられるかもしれない懸念がイチローを悩ませていた。

「イチローさん、俺とゼロならホルスを殺さずに助け出すことができるかもしれないッス」
「DAIGO? それは本当かい」

その時、DAIGOの口から光明につながるかも知れない言葉が出た。
仲間達にウルトラマンゼロが封じられているブレスレットを仲間に見せ、ホルス救出の手段について説明する。

「ゼロはこう言ってるッス。
時間が経つたびに力が戻っているのがわかるから、ひょっとしたらもうすぐ変身できるかもと言ってるッス」

ウルトラマンゼロの力は強力過ぎる故に制限によって一度変身すると12時間は変身できないようだ。
だが、ゼロが前に変身したのは一日目の22時で現在の時刻はもうすぐ8時30分になろうとしている。
ブレスレットの中でゼロは失ったエネルギーが時間増しに戻ってくるのを感じ、もうすぐ再変身できると察したのだ。

「あと1~2時間は逃げてください!
そうすればもう一度ウルトラマンに変身できるかも」
「ウルトラマンのパワーは織り込み済みだけど、それでどうやってホルスを助けるんだ?」
「ウルトラマンの力は破壊だけじゃない。ゼロには『ルナミラクル』という力を持ってるそうです」
「ルナミラクル?」

DAIGOの口を借りたゼロの説明によると、ルナミラクルとはかつてゼロが異世界のウルトラマンであるダイナとコスモスと戦った折に二人から授けられた力の一つだという。
コスモスの浄化の力(ルナ)とダイナの超能力(ミラクル)の特性を併せ持ち、怪獣の魂を浄化したり治癒能力によって命を助ける力を有する、言わば救済救助の能力に特化した形態なのだ。
おそらく2チームの中で唯一、黒炎竜を傷つけずに触手男を分離できる存在であろう。

「しかし、奴には魔法が効かない。ウルトラマンの超能力も効かないんじゃないか?」
「イチローさん、ゼロはこうも言ってるッス。
あの触手男から……闇に近い強い邪悪な力を感じるって」
「邪悪な力?」
「ええ、闇に近い存在ってことは、うんと強い光の力があれば触手男の力をはね退けられる、と。
ウルトラマンは光の国の戦士だから触手男の力……ホルスの魔法無効化能力の干渉を受けずに無力化できるかもしれないッス」

ゼロは正体不明の触手男から、かつて戦った邪悪な宇宙人や怪獣と同質の『何か』を感じ取っていた。
その『何か』とは混沌そのものであるテラカオスの力なのだが、ゼロがそれを知る由もなかった。
それでも確証こそないが、相手が闇寄りの力の持ち主ならば自身の持つ光の力で対抗できるのではないかと考えたのである。

「不安もあるけど他に手段もない。オシリス、これに賭けよう!」
「頼むぜDAIGO、ウルトラマンゼロ。ホルスを助けてくれ!」
「ウィッシュ! ウルトラマンの奇跡の力を信じてくれよ!」


サーシェスから逃げるべく、千葉の空を飛行する一行。
はぐれた仲間は気がかりであるが追いつかれれば確実に被害は出る以上、羽を止めて仲間を探す余裕が無いのだ。
そうして一方は仲間を救う唯一の手段のために、もう一方は破壊と殺戮の限りを尽くすために、一行と追跡者との間に緊迫走る空のデスマラソンが始まった。


二日目・8時30分/千葉県木更津市から北側】

【アリー・アル・サーシェス@機動戦士ガンダム00】
【状態】ダメージ(中)、ホルスの黒炎竜Lv8に寄生、狂乱
    魔法無効、粘液による防御力上昇(大)、テラカオス化進行度(大)
【装備】ホルスの黒炎竜Lv8
【道具】なし
【思考】基本:せんそう、センソウ、とにかく戦争だ!
0:手始めに今、追っている奴ら(イチローチームドラゴンズ)を皆殺しにする
1:参加者と主催者は片っ端から虐殺
2:赤いガンダム(ガンダムエピオン)には必ず雪辱を果たす
3:俺のアルケーはどこに行ったんだよ?!
※テラカオス化の影響で『いびきを一回する度に周囲に爆発のエフェクトが発生する』『髭が触手みたいになり粘液による高い防御力を手に入れる』『触手を通した他者への寄生と肉体の支配』能力を得ました
※ホルスの黒炎竜Lv8の肉体を奪ったことで魔法無効化能力を得ました
※主催の一員ですが、すっかり頭の中から抜けてしまいました
※闘争本能を増大させる新型ナノマシンとテラカオス化進行の影響による狂乱状態で、自分の肉体の変化に疑問を持っていません

【ホルスの黒炎竜Lv8@遊戯王】
【状態】ダメージ(中)、常時魔法無効、サーシェスに寄生されてる
【装備】不明
【道具】支給品一式
【思考】
0:うぇwwうぇwwた、たすけてwwww
※サーシェスに寄生されているため、体の自由が効きません
※サーシェスがダメージを受けると、こちらもダメージを受けます



【イチローチーム+ドラゴンズ A】

【イチロー@現実?】
【状態】両腕のダメージ(中)、疲労(小)
【装備】野球道具
【道具】支給品一式
【思考】基本:イチローチームを優勝させる?
0:今は触手男(サーシェス)から逃げる
1:DMC狂信者を倒すために多くの仲間を集める
2:邪魔をしてくるDMC狂信者を倒すまでは試合は保留
3:ハラサンの言っていた予言とは一体……?
4:とりあえずドラゴンズは信用する
5:DMC狂信者の本拠であるビッグサイトを攻略したい
※ネオ・レーザービームは使用すると腕に多大な負担がかかり、あと三球以上使用すると選手生命が終わる危険があります

【DAIGO@現実?】
【状態】疲労(小)
【装備】ウルティメイトブレスレット@ウルトラマンサーガ
【道具】支給品一式、ヴァンガードデッキ
【思考】
0:イチローチームについていく
1:ウルトラマンマジ頼れる
2:ダイゴさんマジリスペクト……意思は引継ぐっス

【ウルトラマンゼロ@ウルトラマンサーガ】
【状態】健康
【装備】無し
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】基本:殺し合いを止める
0:触手男から物凄い邪悪な力を感じる……
1:どうにかしてDMCを止めたい
2:あと数時間待てばもう一度変身できる?
3:変身できたらルナミラクルゼロに変身し、ホルスの黒炎竜を助ける
※制限によって一度に数分までの間しか変身できません
 一度変身すると12時間は変身できません
※二日目10時になれば再び変身ができます

【美堂蛮@GetBackers-奪還屋-】
【状態】疲労(小)
【装備】サングラス
【道具】支給品一式
【思考】
0:イチローチームについていく
1:銀次を探す
2:DMC狂信者達と戦う

【伊吹萃香@しゅわスパ大作戦】
【状態】疲労(小)、ダメージ(小)強い悲しみ と怒り
【装備】なし
【道具】支給品一式、日本酒×99
【思考】
基本:イチローチームについていく
0:霊夢が死んじゃった……できれば仇を討ちたい
1:監督の久保先生を信頼
2:野獣が死んでメシウマ状態ww……だったのに

【ロイ@FE封印の剣】
【状態】疲労(小)、イドゥンと支援A
【装備】マスターソード
【道具】支給品一式
【思考】
0:イチローチームについていく
1:色々あったが、イドゥンと支援Aになれたのはよかった
2:支援A関係になる女性をさらに増やすぜ!

【ダイゴ@ポケットモンスター】
【状態】疲労(小)、深い悲しみ
【装備】メタグロス
【道具】支給品一式 、コルトパイソン
【思考】
0:イチローチームについていく
1:助けてあげられなくてごめんな、ポッチャマ……
2:きれいな石集めは一時保留
3:南側に逃れたちなつ達が心配

【◆6/WWxs901s氏@カオスロワ書き手】
【状態】疲労(小) 、悲しみ
【装備】胡桃四千個
【道具】支給品一式
【思考】基本:ハラサンの意思を継ぎ、イチローチームを優勝させる
0:進行方向(浦安市)に俺と同じ胡桃使いの気配がする
1:ハラサン……ありがとう
2:大正義を忘れない
3:目立つことも忘れない
4:ナッパ達は大丈夫か?

【ラミレス@横浜DeNAベイスターズ】
【状態】疲労(小)
【装備】野球道具一式
【道具】支給品一式
【思考】基本:ハラサンの意思を継ぎ、イチローチームを優勝させる
1:ホ、ホルスサン…
2:レ、レイムサン、フォーマルハウトサン…

【オシリスの天空竜@遊戯王デュエルモンスターズ】
【状態】ロリコン、健康
【装備】バット、グローブ、ボールを多数
【道具】支給品一式
【思考】基本:ロリにモテるために世界を救う予言の謎を解明し、ドラゴンズも優勝させる
0:今は触手男(サーシェス)から逃げる
1:ホルスを助けたい
2:メンバーの補充をしたいが……(切実)
3:戦力を集めてDMCの本拠地であるビッグサイトに殴り込む
4:イチローチームとはしっかり野球で決着をつけたい
※イチローチームとの情報交換により、正式な予言の言葉を知りました
※オシリスの見立てによると魔力(生体マグネタイト)が集中しているビッグサイトへの直接攻撃は大爆発を招き、東京を巻き込む危険性があるそうです

【白光炎隼神ホルス@パズドラ】
【状態】健康
【装備】不明
【道具】支給品一式
【思考】基本:世界を救うためにオシリスについていく
0:進行方向に素晴らしいおっぱいの気配がするホル
1:そういえばまだ麒麟の奴が放送で呼ばれてないホル
2:貴重なおっぱ(ryソウルセイバーと無事に合流したいホル
3:うざい奴だけどホルスはどうにかして助けたいホル!

【イドゥン@ファイアーエムブレム 封印の剣】
【状態】健康、竜形態、ロイと支援A、ロイを乗せて飛行中
【装備】魔竜石、リザイアの書
【道具】支給品一式、不明品
【思考】基本:野球で優勝して、過去のふがいない自分と決別する
1:ロイ様と支援Aになれたのはよかった
2:南側に逃れた他のメンバーが心配
3:ロイ様が私の上に乗っている……///



木更津から南側にはちなつ、久保帯人、ナッパ、ソウルセイバー、ギムレー、リオレウスの三人と三匹がいた。
彼らは偶然南方向に逃げたため、北方向に逃げた仲間達と違ってサーシェスの標的にならずに済んだ。
ならば彼らは安全なのかと言えば……そうではない。
こちらでも一つの危機が起こっていた。
それは――

「ちょうどいい機会だ。
悪いが、君達にはここで死んでもらう」

――イチローチーム監督、久保帯人の突然の裏切りである。
そして、その言葉を皮切りに吉川ちなつが久保帯人に背後から斬魄刀で串刺しにされた……心臓を貫かれた致命傷である。

「久、保先生、どうして……?」

口から血反吐を吐き、目から涙をこぼしながら、ちなつは問いかけた。

「君のような何の力も持たない存在は俺には必要ない。
あと俺、女嫌いなんだよ。漫画でも織姫とかルキアとか本当は描きたくないんだよ。
本当に理由はそれだけなんだ。悲しいなぁ…(諸行無常)」

そう言って久保帯人から刀を引き抜かれたちなつの体は重力に従って地面に倒れた。
返答はあまりにも理不尽なものだったが、ちなつはある程度納得していた。
正当防衛とはいえ、彼女は人を殺めてしまったことに罪悪感を抱いており、ずっと気に病んでいた。
だがそれも終わる……信じていた人間に裏切られて殺されるのは人殺しに相応しい最期だと解釈すれば、幾分か気も晴れた。

(あかりちゃんは……こっちに、きちゃダメだよ……)

死にゆくちなつが最後に思い浮かべたのは、影こそ薄いが親愛に値する赤毛の少女の笑顔だった。
そして吉川ちなつの生は終わりを告げる……

【吉川ちなつ@ゆるゆり 死亡確認】


「ちなつゥーーーッ!!」
「久保帯人……アンタって奴は……!?」
「このオークのオ○ンポにも劣る卑劣漢め!!」
「キナ臭いと思っていたが、まさかこのタイミングで本性を現すとは……」

ナッパが霊夢やフォーマルハウトに続く仲間の死に慟哭し、リオレウスは突然の事態に困惑する。
ソウルセイバーは裏切り者を心の底から蔑み、ギムレーは頭を抱えて冷や汗を流す。
特にギムレーは以前から久保帯人に対して水面下で警戒しており、自分達ドラゴンズがイチローチームのつかず離れずボディガードに回れば、いざ久保帯人が行動を起こしても対処できると踏んでいた。
ところがサーシェス襲来というイレギュラーな事態の発生によって集団は分断されてしまい、久保帯人を見張るどころではなくなってしまった。
対する久保帯人は戦力分断という最悪の事態を逆手に取り、戦力にならないちなつと自分の野望の邪魔になりそうなナッパの抹殺、同じく野望の邪魔になりそうなドラゴンズの力を削ぐことができるまたとない好機として行動に出た。
結果、サーシェスという外的要因によって、警戒していたギムレー達は後手に回ってしまったのだ。

「久保帯人てめぇッ! こいつは何の真似だ!!」
「ナッパ、君は本当に頭の鈍い奴だな。見ての通り裏切ったんだ。
ここにはイチローもいない、オシリスもいない。触手男も北側に逃げたイチロー達を追っていったしね。
今こそ他の仲間には知られずに、俺にとって都合の悪い連中を消す絶好の機会なんだよ」
「貴様……ッ!!」

ナッパは感情のままに怒りをぶつけるが、対する久保帯人は余裕の表情で返した。
次は半ば混乱状態のリオレウスが問いかける。

「お、おい。救済の予言はどうするつもりなんだよ!
野球の試合をして優勝チーム作らないと世界がヤバイんじゃないのか?」
「俺にとってはむしろ、この世界には滅んで欲しいんだ。滅んだ後の世界に俺が頂点に立つためにね……」
「滅んで欲しいなんて狂ってやがるぜ! だが、世界に滅んで欲しいならなんで野球監督になってんだ?!」

リオレウスへの返答から、久保帯人の監督の座についていた理由への考察をギムレーは口にする。

「世界に滅んで欲しいなら普通は監督になって優勝チームを作ろうなんて思わない。
だがもし、最後に残った2チームを全滅させることで優勝チームを無しにして予言の完遂を阻止しようと企んでいるなら、ある程度合点がいく。
仮にイチローチームを全滅させたらあずかり知らぬところで他の野球チームが優勝してしまう可能性もあるわけだ。
だったら1チームを自分の手元において管理し、時が来れば皆殺しにする……そういうことだろう」
「ご名答だよ、ギムレー」
「この腐れ外道め、くたばりやがれッ!!」
「ますます狂ってやがるぜ……」
「アナタって本当に最低の屑だわ!」

的を得ていたギムレーの名考察に久保帯人は拍手をし、そしてナッパ達はありったけの罵声を久保帯人に叩きつけた。

「さて、能書きは良いだろう。
そろそろ君達を芸術ヒィンにしてやんよ!」

ちょっと噛みながらも、久保帯人はついにナッパ達に宣戦布告をする。
そして刀を向けると同時に、その身から強い殺気と霊圧を溢れさせる。
しかしその程度で竦むサイヤ人と竜達ではない。

「だが、相手が悪かったな!
おまえはドラゴンズの竜三匹と戦闘民族サイヤ人のエリート戦士を敵に回したんだからな!
それに比べておまえは孤立無援! 勝目があると思うなよ!」
「……待てナッパ! 何か嫌な予感が――」

ナッパはギムレーの静止するよりも早く、掌をクンッと握って久保帯人とその周囲を爆破する。
爆破した周辺に爆煙が立ち込める。

「やったか!?」
「それはどうかな?」
「なに!?」

どこからともなく葬ったと思った久保帯人から余裕を交えた声が聞こえた。
さらに爆煙が晴れるとそこにいたのは久保帯人ではなく、傷ついたリオレウスであった。

「いててて……ナッパ、どうして俺を撃ちやがった?!」
「馬鹿な!? 俺は確かに久保帯人だけを狙って……」

そして、混乱する一行の頭上から笑い声が聞こえた。
久保帯人だ。一行の正面にいたはずの男が、いつの間にか頭上に移動している。

「ハハハハ、笑っちゃうぜ(素)」
「久保帯人、いつの間にそこに?!」
「4対1なのにあの余裕ぶりからして裏がある予感はしていたけど、何か隠し種があるみたいだな」
「その通り。この完全催眠を可能にする『鏡花水月』が手元にある限り、馬鹿力や技の威力だけで俺には勝てはしないさ」

斬魄刀「鏡花水月」――とある死神の元隊長格が使っていた斬魄刀。
その力は相手に完全な催眠状態にしてあらゆる幻覚を見せる反則じみた力を持つ刀である。
この刀を使って久保帯人はナッパを催眠にかけて欺き、リオレウスへ誤爆させたのだ。
頑丈な体を持つ竜でなければ、ナッパの攻撃でバラバラになっていたところだ。

実は久保帯人が野獣先輩捜索隊の盟主になれたのも、この刀を使ってメンバーから偽りの信頼を築き上げたためである。
主催による制限によって仮面ライダーG(ゴロリ)のようなサイボーグや、オシリスやホルスのように幻覚に一定以上の耐性がある者には効かないが、この場に前者はもちろん後者のように幻覚に強い耐性がある者はいない。

「完全催眠だと!?」
「ギムレー、絶大的な力を持つ邪竜のあなたならどうにかできないの?」
「……ダメだ! 首輪のせいか魔力が大幅に制限されている!
邪竜になれれば一時的に力を解放して完全催眠を押しのけられるかもしれないけど、これまた制限のせいなのか、先の変身からしばらくは邪竜の姿になれそうにない」
「打つ手なしかよ! ここは三十六計逃げるが勝ちだ」
「リオレウス、ちなつの仇を前にして逃げろっていうのかよ!?」
「戦うには相性が悪すぎだ! 俺は逃げさせてもらう。
それにこの件を完全催眠に対抗できそうなオシリス達に伝えりゃワンチャンあるかもしれないしな。
これは久保帯人を懲らしめるための戦略的撤退だ!」

リオレウスが久保帯人から逃れるべく、ナッパの非難を押しのけて逃げだした。
だが、彼はすぐに戻ってきた。
しかし、戻ってきたのは決して本人の意思ではない。

「……アレ? なんで俺戻ってきてるんだ??」
「完全催眠によって正しい方角がわからないようにした。
どこへ逃げてもここへ戻ってくるようになってるぞ。
ちなみに助けを呼んでも無駄だ。
周辺にいる者も完全催眠にかけて声や姿も見せなくするだけさ」
「いくらなんでもチート過ぎだろオイ!」

完全催眠にかけられている以上、どこへ逃げようとも同じ場所に戻ってくるのだ。
そして完全催眠がある以上、一行が助けを呼んでも声が他者に届くことはなく、姿も見えないようにすることすらできる。
久保帯人にとって都合の良い幻覚を周囲に振りまくことこそが鏡花水月の恐ろしさであった。

「でも私達にはまだ――」
「――ドラゴンネットワークがある!!」

周辺からの救援が宛にならないならと、ソウルセイバーとギムレーがテレパシーでの情報発信を試みる。
通信をキャッチしてどこか遠くから友好的なドラゴンが駆けつけてくれるなら御の字だ。
最悪でも、北側に向かったイチローチームとオシリス達が久保帯人が危険人物だと知らせられると踏んでの通信だった。

「無駄だ。俺が完全催眠だけに頼る男だと思ったか?」

しかし、その通信も久保帯人から放たれた圧倒的な霊圧によって阻害されてしまう。

「なんてデタラメなパワーなの!?
おまけに霊的な力でドラゴンネットワークが繋がらない!!」
「こいつを倒さないとどうにもならないということか……ッ!
まずい、これは非常にまずいことになったぞ」

強すぎる霊圧は久保帯人がただの卑怯者ではなく、理不尽級の力を持った実力者であると一行に悟らせた。
その気になればヘルカイザーや触手男も簡単に殺せたであろう。
今までは戦闘力のない一般人を装うために、わざと実力を隠していたのだ--今回のように、仲間を背中から刺すチャンスを伺うために。

完全催眠によって下手に攻撃すると同士討ちになる。
同じく完全催眠によって逃げることもできず、ドラゴンネットワークによる救援も望めない。
南側に逃れた一行は、サーシェスに追われないことと引き換えに絶望的な戦いを強いられることになった!

戦慄する一人と三匹に対し、サングラスの下で余裕の笑みを浮かべながら久保帯人は言った。

「安心するんだ、君達の分も俺やイチロー達で頑張って殺し合いの打破はしておくよ。
仲間と合流できたら君達の死はDMC狂信者のせいだとみんなには伝えておく。
そうすればオシリスやホルスB達も、DMC狂信者の殲滅に躍起になってくれるだろうさ」



「だが、お前らはもう生きて帰れねぇからな?」

果たして三匹の竜とサイヤ人は、この悪意に満ちた男に打ち勝つことができるのか!?


【二日目・8時30分/千葉県木更津市から南側】
【イチローチーム+ドラゴンズ B】

【ソウルセイバー・ドラゴン@ヴァンガード】
【状態】健康、巨乳
【装備】不明
【道具】支給品一式
【思考】基本:世界を救うためにも、オシリスについていく
0:裏切った久保帯人を倒す
1:人間のオチ○ポには絶対に負けたりしない
2:都庁軍討伐は後
3:都庁軍は絶対に信用しない
※♀です

【ギムレー@ファイアーエムブレム 覚醒】
【状態】ダメージ(中)、人間形態
【装備】トロンの書、鋼の剣、邪竜の鱗
【道具】支給品一式、不明品
【思考】基本:野球で優勝して、自分の信者を増やす
0:裏切った久保帯人を倒す
1:完全催眠を使う久保帯斗にいかにして勝つか……
2:試合の邪魔をするDMC狂信者を倒すために、本拠であるビッグサイトを攻略したい
※外見はデフォルト設定の銀髪青年です
※制限により、しばらく邪竜形態でいることはできません

【リオレウス@モンスターハンターシリーズ】
【状態】ダメージ(大)、混乱気味
【装備】不明
【道具】支給品一式
【思考】基本:へたれイメージ払拭のために野球で優勝する
0:裏切った久保帯人を倒す
1:オシリスに着いて行く
2:実はレイアと仲直りしたい

【ナッパ様@ドラゴンボールZ】
【状態】健康、野球脳、激しい怒り
【装備】なし
【道具】一人用のポッド
【思考】基本:ハラサンの意思を継ぎ、イチローチームを優勝させる
0:裏切った久保帯人を倒す
1:よくもチームメイトを殺したな! 久保帯人!
2:野球を邪魔するDMCは許さない
3:バーダック生きてたのか
4:あのガキ(光熱斗)にはいつか報復する、野球で
5:ベジータはそのうち探す
6:無事でいてくれよみんな……



【久保帯人@現実?】
【状態】疲労(小)、イチローチームの監督
【装備】斬魄刀「鏡花水月」@ブリーチ
【道具】支給品一式、サングラス、SMプレイ用の道具一式
【思考】基本:世界を滅ぼし天に立つために主催者を殺す
0:邪魔なドラゴンズの面子とナッパをここで始末する
1:ナッパ達を始末次第、イチロー達と合流
2:監督としてイチローチームを上手く操り、他のチームを全て全滅させる
3:イチローチームが優勝を勝ち取る寸前で裏切り、儀式(野球)を台無しにさせる
4:殺し合いを促進させてしまうDMC狂信者は消しておきたい
※鏡花水月の完全催眠と強い霊圧により、ナッパ達は外部への救援を望めません
※鏡花水月は制限により、耐性のある者やサイボーグなどの機械の体を持つ者には効きません
最終更新:2015年02月13日 12:46