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『チューン、マッドドクタァ……』
「ほわああああああああ、痛たたたたたたたたたたたたた!!??」


そんな苦痛にうめく声が聞こえてきたのは、東京の一角。
と言っても魔物やらDMC狂信者やらがひしめく阿鼻叫喚の地上ではない。
地下の下水道内部に突貫工事で作られたであろう、やや広めの作業スペースだった。

「……これで全員の治療は終わったようだな」
「うぐぐ……死ぬほど痛いとは聞いてましたけどこれほどとは……」
「まきょー」

なんとか身体を起こしながらそう答えたのは、天魔王軍に半壊させられた警察組の生き残りである音無キルコと
まこちーの二人。
その二人を治療したのは、特殊な形状の銃を持ち紫色のジャケットを着た一人の男。
彼の名はチェイス。
またの名をロイミュード№000、そして仮面ライダーチェイサー。
彼もまたこの殺し合いを止めんと戦う、仮面ライダーの一人である。


「それにしても本当に助かりました、私達を助けていただいてありがとうございますチェイスさん!」
「ヤー!」
「気にするな。人間を守るのは俺の使命でもある……残念だが、あのポケモンは手遅れだったが……」


あの天魔王軍との戦いに敗北し逃走した後、キルコ達は水木のアニキを治療できる人物を探していたのだが、
途中満身創痍だったプテラが遂に力尽き落下してしまい、あわや地面に叩き付けられる寸前にその姿を見つけた
チェイスによって救出され、この地下下水道に全員運ばれたのだ。
その後チェイスの支給品に偶然入っていた救急車型のシフトカー・マッドドクターの治癒能力によって、キルコ達
全員が順番に治療を受け続けて回復が完了するまでしばし留まる事となっていた。
ちなみにマッドドクターによる治療は非常に苦痛を伴う物であり、キルコ達は全員が悶絶する羽目になったのだが
それは今は置いておく。


「………どうやら二人とも大丈夫なようだな、安心したゼーッtぐはっ!」
「あわわ、アニキさん大丈夫ですかーっ!?」
「あまり叫ぶな。お前が一番重傷だったからな。完治には時間がかかる」

一時は死の淵に立たされていた水木のアニキも、治療の末現在は会話ができるほどに回復していた。
だがまだ完全にはダメージが消えていないため、ザ・アニキングの行使こそ可能なもののあまりいつものノリで
シャウトしすぎると傷口が開くので本格的な戦闘はまだ無理そうである。
幸い持ち歌1000曲以上を誇るアニソン界の帝王たるアニキなので、しばらくは叫ばない系の歌でサポートに
専念する事で本人は妥協したのだった。

「治療と話は終わったか、チェイス」
「……お前か」

そこに姿を現したのは、チェイスとは異なるもう一人の仮面ライダー。
あのイチローチームと大正義巨人軍のからくりドームでの死闘の中、久保帯人の手から逃れ下半身を失い下水道へと
逃げ延びた仮面ライダーGことゴロリその人である。
彼はあの後自身を修復するための材料を探して下水道内を這いずり回っていたのだが、その途中でチェイスと出会い、
彼に修復の手伝いを頼んだのである。
チェイス自身もこの殺し合いを止め人間を守るために活動していたのだが、クラウザーさんの死をきっかけに
暴徒と化したDMC狂信者達の猛攻に晒され、何とか下水道に逃げ込んだ先でゴロリと出会い、同じ狂信者達を倒す
という面で意見が合致したため彼に協力する事を決めたのだった。
そして現在のゴロリはというと、失った下半身を治すための部品をチェイスが外部から工面してくれたおかげで
現在までの間に完全に修復が完了。
さらに彼は新たな力を『工作』で生み出す事に成功していた。

「お前が提供してくれたデータをもとに工作してみたが、こいつはなかなか使えそうだ。礼を言うぞ」
「……その力でお前はこの後何をする気だ? お前の言っていた久保帯人という人間を殺すのか、それとも
 DMCの信者とやらを全員殺すのか?」
「無論、両方だ。ワクワクさんを無残に工作し辱めたDMCの連中も、あの久保帯人も、そしてワクワクさんが
 死んだ遠因ともいえるこの殺し合いの主催者も、全て皆殺しだ。邪魔をするようならば、恩人であるお前とて
 容赦はしないぞ」

修復された仮面ライダーGには、一点だけ違う部分があった。
それはベルトである。
本来ならばワインボトル状のベルトのバックルは、青色に塗られた車のガレージのような物に差し替えられていた。
彼がチェイスから提供してもらったデータと現物を基に工作で完成させた、マッハドライバー炎である。
しかもこれはゴロリ本人の手でチューンされ、オリジナルより格段に性能が上がっているという代物だった。

『シグナルバイク! ライダー! ゴロリ!』
「レッツ、変身!」

自身のパーツの一部から生み出した専用のシグナルバイクをベルトに装填し、ゴロリは新たな姿へと変身を遂げた。
赤を基調としたカラーはそのままに、ライダースーツを思わせる形状に変化したボディ。
名づけるならば、『仮面ライダーマッハG』とでも言うべきだろうか。


「お前がこの殺し合いを促進させる勢力と戦うのであれば俺はお前を止めるつもりはない。だが、殺し合いを
 望まない人間達に手を挙げるというのならば……その時は俺はお前を全力で止める」
「安心しろ、無関係な連中に手を出す気はない…………こちらに攻撃してきた場合はわからんがな」
「…………」
「…………」
「ふ、二人とも落ち着いてくださいよ! 私達の敵はたくさんいるんですよ? こんな所で仲間割れしないで
 くださいよ~!!」
「その通りだゼーット! 二人とも気を静めるんだゼーッtごほっ!」
「うわーっ! またアニキさんの傷口が―ッ!?」
「まきょきょー!?」
「……バカなのか、この連中は?」
「……わからん」


なんてやり取りをした後、改めて全員は今後の方針を話し合う事にした。
結論から言うと全員が優先して行いたいのは『DMC狂信者、並びに都庁の魔物の排除』の一点。
現時点では他にも拳王軍だの食人鬼だの殺し合いの危険因子は多いのだが、関東を中心として活動しているこの
二大勢力をどうにかしない事にはまともに身動きが取れないという面から、まずは他の勢力とコンタクトを取り
ながら彼らを倒す事を優先に活動する事となった。
特にキルコ達は都庁の魔物の恐ろしさを肌で感じていた為なおさらである(真実は彼女達と戦ったのは天魔王軍
という別勢力だが、彼女たちは知る由もない)。
ゴロリ自身は久保帯人の捜索を優先したかったが、彼が現在消息不明である事と修復に協力してくれたチェイス
への借りを返すという意味で今回は一端退く事にした。

「……とはいえ、どうやって彼らを攻めましょう? どっちも数が多い上に戦力が未知数、正面から攻めても
 私達だけじゃ絶対返り討ちですよ?」
「どちらも本拠地は既に割れているわけだが、これは難問だゼーット……」
「いや、お前達の情報が正しければ……都庁の方はどうにかできるかもしれんぞ?」
「ええっ、本当ですかゴロリさん?」

いきなりの『私にいい考えがある』な発言に驚くキルコ達を尻目に、ゴロリは話を進める。

「東京都庁は今、巨大な樹木になっているらしいが、それならば突くべき点は一つだ」
「と、言うと?」
「お前たち手伝え。都庁を攻略するための『工作』タイムだ」



それから数刻後。
現在キルコ達は、下水道を後にして地下を掘り進んでいた。
もちろん素手ではなく、ゴロリが余った部品やら何やらを使って完成させたマシン・トライサイクロンに乗って
である。
正確にはトライサイクロンには運転手であるゴロリと助手席のアニキとまこちーが乗車。
その後ろをチェイスの運転するライドチェイサーと相乗りするキルコが追うという状況である。
マシンにはゴロリの手によって凄まじい魔改造が施されており、その武装の一部である大型ドリルを用いて現在
固い地盤を掘りまくっている最中なのだ。
目指すは世界樹こと東京都庁、その地下一帯である。
ゴロリの立案した作戦はこうだ。
相手が巨大な植物と化しているのであれば、正面から無理に切り倒したり燃やしたりするよりも地中を掘り起こして
しまえば根がむき出しになり容易に倒す事が可能である。
仮に根が強固だったとしても、元が建物である以上土台が消えバランスを崩せば倒壊は免れない。
まさに『将を射んとすればまず馬を射よ』というべき作戦である。

「……確かに理に叶った作戦ではあるが、キルコ達が言っていた魔物達が地下にも大量に巣くっていた場合は
 どうする気だ?」
「問題ない。その時はこのベルトに備わっている機能で奴らを無力化すれば迎撃も撤退も十分可能だ」
「……あまり気は進まんな」
「えっ? 何か言いましたかチェイスさん?」
「……何でもない」

作業のついでにゴロリに作ってもらったオリハルコン製のトンファーブレイドを背負い、やや上機嫌のキルコの
問いをスルーしつつ、チェイスが前方に目を向けた時である。


ドゴォッ!!


「何だ、どうした?」
「ゲェーッ、巨大なダンジョンが現れたゼーット!」
「まきょ!?」

ナビによるとそろそろ都庁の地下に入るという時に、トライサイクロンは突如として謎のダンジョンの中に
飛び出してしまった。
ご存知の方には言うまでもないが、ここは都庁の世界樹の地下に存在するダンジョン・真朱ノ窟である。
都庁の地下に関する詳細な情報を持っていなかったゴロリ達は、思惑に反してこの迷宮に足を踏み入れてしまった
のだ。

「ま、まさかこんなダンジョンが地下にあるなんて……」
「待て、様子が妙だ。見ろ」

違和感に気付いたチェイスが指差す先には、無残にも倒れ伏した何かの死骸のような物が見えた。
それはこのダンジョンを守る魔物の一角である銀色の巨大な蟹・メタルシザースと、巨大な白血球と赤血球・
ルーカサイト&レッドコーパスルの死骸だった。
どれも何者かから攻撃を受けた形跡があり、どの個体も死後間もない様子なのが見て取れた。

「真新しい魔物の死骸……どうやら俺達以外にも先客が来ているようだな」
「あれ? でもなんかこの魔物、私達が見たのとはだいぶ雰囲気が……」
「おい、聞こえるかお前達。この向こうから戦闘音らしきものが聞こえるようだぞ」
「えっ、本当ですか? もし都庁の魔物と戦ってる人達なら……」
「無論、助けに行くゼーット!」
「まきょー!」
「……予定は少々狂うが、まあいい。とにかく行ってみるか」


ゴロリに促され、警察組残党一行+αはマシンを駆り、ダンジョンの奥深くへとひた走った。
―――――誤解に気付かぬまま、その先に何が待っているのか知る由もなく。


二日目・9時00分/東京都・都庁地下南部】

【警察組残党+α】

【音無キルコ@新米婦警キルコさん】
【状態】ダメージ(小)、疲労(小)、強い悲しみと怒り
【装備】トンファーブレイド(オリハルコン製)
【道具】支給品一式
【思考】基本:主催を成敗して殺し合いを止める
1:都庁地下の戦闘音の出所を探す、仲間がいるなら加勢する
2:都庁軍は必ず倒す、都庁軍と戦える仲間を探す
3:ジバンさんとウッチーさん、フェイ・イェンちゃんの仇は必ず取ります……!
4:ビックサイトのDMC狂信者も気になるが、危険な都庁の魔物を倒すのが先
5:主催者の本拠地を探す
6:ハル先輩達、無事かなぁ?
※オルゴ・デミーラ率いる天魔王軍を都庁軍の一派だと誤解しています
※プテラは力尽き、死亡しました


【まこちー@ぷちます!】
【状態】ダメージ(小)、とても深い悲しみ
【装備】きあいのタスキ
【道具】支給品一式
【思考】基本:まきょー
1:キルコについていく
2:ウッチー、ジバンさん、緑色のロボットさん(フェイ・イェン)を悼んでいる
3:真とちひゃー、765プロの面々、はるかさんの死に深い悲しみ
4:襲われたら全力で戦う


【水木一郎@現実】
【状態】ダメージ(中)、本調子じゃないゼーット!
【装備】赤いマフラー、マイク、ライオアタッシュ
【道具】支給品一式
【思考】基本:俺の歌で殺し合いを止めるゼーット!
1:ダンジョンの向こうに仲間がいるなら助けるゼーット!
2:早く回復したいゼーット! 
※スタンド『ザ・アニキング』を呼び出す事が可能です。
 アニキの歴代の持ち歌のヒーロー達をヴィジョンとして呼び出し能力を行使できます。
※まだ本調子ではないため、あまり絶叫しすぎると傷口が開きます。

【ゴロリ@つくってあそぼ】
【状態】トライサイクロンを運転中、完全修復完了、仮面ライダーマッハG
【装備】仮面ライダーGの剣@仮面ライダーG、マッハドライバー炎、シグナルバイク(ゴロリ)、
    トライサイクロン(魔改造済み)@スーパーヒーロー大戦GP
【道具】支給品一式、工作道具もろもろ、シグナルバイク各種
【思考】基本:見敵、必殺
1:今は警察組と協力して都庁を攻略する
2:DMC信者を皆殺しにする
3:久保帯人は次に会ったら殺す
※マッハドライバー炎を装着した事で仮面ライダーマッハGへとパワーアップしました。
 基本的な能力・スペックはほぼ仮面ライダーマッハと同等です。

【チェイス@仮面ライダードライブ】
【状態】正常、仮面ライダーチェイサーに変身中、ライドチェイサーを運転中
【装備】マッハドライバー炎、シグナルバイク(チェイサー)、ブレイクガンナー、シンゴウアックス、
    ライドチェイサー
【道具】支給品一式、シフトカー(マッドドクター)
【思考】基本:人間を守る
1:この殺し合いを止める
2:地下の戦闘音の主を確認する
3:もしゴロリが凶行に及んだ場合は必ず止める


※キルコ達が聞いた戦闘音は暁美ほむら&オオナズチと呉島主任組の戦闘音です。
最終更新:2015年08月19日 11:43