「ただいま、演出ご苦労だよみんな」
小町が世界樹の中へ入ると、そこには日之影ら仲間たちの他に先程は「殺し合った」ハズのオオナズチや魔物たちがいた。
殴られ血を流し斬られ蒸発したにも関わらず、なぜか魔物は一匹足りとも欠けていなかった。
「お疲れこまっちゃん、あのモブたちは上手く騙せたか?」
「なんとか追い返せたよ」
「こまちちの姉御、当たった銭がちょっと痛かったですぞwwww
謝罪と賠償としてそのデカ乳を揉ませることを要求するwwww!」
「悪い悪い。力加減をミスってた。だがおっぱいはあげられないね」
負傷と呼べる負傷をした者もいない。
しいて言うならオオナズチがちょっと擦り傷を作ったぐらいである。
これはどういうことなのかは、やってきたレストの口から明かされる。
「小町さん」
「レスト、なかなか戻らないから心配だったが無事で何よりだ」
「小鳥さんから事情は聞きました。
この都庁を中心とした混乱を収めるために、表向きは僕らの敵になる『演技』をするってね」
「その通り、小鳥の提案であたいはこれからヘルヘイムと中枢である魔王ダオスを倒す勇者様になる……という『芝居』を打つことになったのさ」
小鳥の発案した計画を明かそう。
ダイジョーブ博士による都庁=ヘルヘイム情報の拡散によるネットの
大炎上を小鳥は見た。
誤解はもはや止めようがない。
無理に都庁の誤解を解こうものなら、叩かれてなかったことにされるだけ。
ダオスの言ったとおり、自分の目で確かめない連中に真実を話す必要がないのは確かだが、問題なのは四六時中邪魔をされては次の大災害に対しての策を打つ余裕もなくなってしまうこと。
先ほどの暴徒のような雑魚はまだしも有力対主催に目をつけられて人員や労力を減らされるのもマイナスだ。
そこで小鳥は閃いた。「押してダメなら引いてみよう」「逆にあげちゃってもいいさと考えるんだ」。
無理に誤解を解こうとすると、こじれてしまう。
ならばいっそのこと悪い噂に便乗し、人々に都庁はヘルヘイムとして扱わせよう。
混乱を収めるためには都庁のリーダーであるダオスを悪役にし、彼を倒せばヘルヘイムは総崩れになるという設定とする。
やがて誰かがダオスを倒せば人々はヘルヘイムの驚異から解放されたと思い、安心ができる。
世界樹についてはダオスが倒せばその内に枯れるとでも言っておけば良い。
無論、実際にダオスや世界樹の魔物を殺されるわけではなく、やられたフリをするだけである。
さて、ではダオスを倒すための役者は誰が適任か?
現状では全滅・死亡または誤解によってマーダーとして扱われたりで人々から信頼された対主催は残り少ない。
イチローチームは世界樹にいない上に内部事情を知らないので省く。
魔物やレストなど最初から都庁に所属しているものは論外、レストやまどかがダオスを倒してもただの内ゲバと見なされるだけで意味がない。
聖帝軍もホモの工作のせいで多大な手のひら返しを受けているのでダメ。酌量の余地が有るとはいえ立川市を焼いた件が尾を引き不安がられてしまう。
大半が確実性にかける中、小鳥が適任として選んだのはかつて大阪の街を救いネット上で英雄視された女である小野塚小町であった。
小町ならば疑いらしい疑いもなく、信憑性も実力も高い。
英雄としてダオスを倒し、日本を安心させるにはうってつけの存在であった。
要は「勇者となった小町がヘルヘイムの魔王であるダオスを倒して民を安心させる」という筋書きの芝居である。
ダオス打倒後はヘルヘイムも大人しくなったとすれば人々は攻撃の手を緩めるだろう。
しばらく経つと嘘がバレてしまう可能性があるが、都庁としては大災害による世界滅亡を防げるまでの時間稼ぎができれば良かった。
風評被害は時間があれば殺し合いが終わった後にでも解けば良いが、世界を滅ぼしかねない大災害の方は間近に迫っており、こちらを解決するにはたった一秒間すら貴重なのである。
そして小鳥の計画発案直後に暴徒集団が襲来。
お世辞にもFOE一匹殺せるかも怪しい弱小集団で皆殺しにするのは簡単だったが、殺したところで得るものはなく、都庁のヘイトを稼いでしまうだけで美味しくない。
殺すよりは生かして計画を助長してもらった方が良いと思い、芝居を打ったのだ。
もちろん、先ほどの影薄組と魔物たちの小競り合いも演技であり、双方に殺し合う気などさらさらない。
小町はまどかの放ったレーザーを跳ね返すように見せかけたが、当たる直前で距離を操って霧散させており直撃していない。
世界樹の天辺が爆発したように見えたのはウォークライらドラゴンが火炎のブレスを使って爆発を演出しただけであり、吹っ飛んだのは未だに世界樹に引っ付いていた都庁の瓦礫である。
日之影もパンチもかなり手加減しており、黒子の撃った弾はペイント弾、モモの刀は峰打ち、あかりと神樹による戦いも互いの技で相殺しあえるように最初から打ち合わせしたものであった。
全ては暴徒集団を追い返すと同時に小町のためのお膳立てであったのだ。
また彼らがイチローなどの有力対主催に出会った時の対策として、人質や洗脳者がいることを言って強力すぎる攻撃の禁止を呼びかけた。
良心的な対主催ならこれで攻撃を躊躇してくれるだろう。
ヘルヘイムに味方する人間がいるのも洗脳のせいにすれば攻撃されずに済む。
あわよくば聖帝軍も都庁に洗脳されていたがために立川市を焼いてしまったことにもできるのだ。
小町が突然都庁を裏切ったことも狂信者についているセルベリアや天子が何かしてきそうだが、「洗脳されているせいだった」ということにすれば一時的に都庁の味方についたことにも説明がつく。
それでも世界樹を身一つで突破できる対主催はいるかもしれないが、そのときは合図を出すように指示をし、襲撃してくる前に進入路を教えると称して直接事情を説明できるように仕向けた。
ネット界隈のようなマクロな誤解を解くのは不可能だが、数人単位でなら難しくはないハズだ。
画して芝居は上手くいき、助けられたモブたちは騙されていると気づかずに小町を英雄視し偶像として祭り上げたのだった。
「ただ、この作戦……ダオスを倒す芝居を実行に移す前に倒さなきゃならない連中がいるんだよね」
「……狂信者に拳王連合軍、
天魔王軍か」
小町はアイコンタクトで『正解だ』とレストに答える。
マーダー集団である狂信者は言わずもがな、拳王連合軍と天魔王軍も人質など関係なく攻撃を加えてくるだろう。
こいつらを先に倒さずにダオスやヘルヘイムを倒したことにしてしまうと、攻めてきた場合ダオスを表に出さなくてはならなくなり嘘がバレて計画がご破算になる。
嘘がバレたら都庁絡みの混乱が収まらず、小町と影薄組ごと世界から槍玉を喰らう羽目になり、大災害阻止に間に合わなくなる。
計画を実行に移すにはその3組織を撃破する必要がある。
悪いニュースとして拳王連合軍は横浜港に寄港しており、東京までもうすぐのところまできている。
天魔王軍が居城にしていた首相官邸は謎の爆発で吹き飛んだらしいが、デミーラたちの安否は不明。
狂信者たちは必ず次の襲撃を都庁に仕掛けてくるだろうし、おそらく一度目・二度目よりも苛烈な攻撃となるだろう。
「できることならこちらから討ってでたいところだけど……」
「貴虎の爆弾騒ぎから始まった連戦のせいで戦力を消耗しすぎたね。
今言った三つの勢力がこちらを狙い、一斉に仕掛けてくるならここを守るには聖帝軍を足しても足りなさすぎる。かといって時間も残されていない」
「せめて今のまどかに匹敵する戦闘力を持った仲間が都庁に参入したり、自分たち以外の対主催が敵となる集団を滅ぼしてくれれば、余裕ができて打って出れるのに」
「そうなりゃ願ったり叶ったりだが、あんま期待しない方が良さそうだね……」
かなりの戦力を誇っている都庁同盟軍と聖帝軍の戦力を合わせても、世界樹を守るだけで精一杯であった。
守りを磐石にできない限りはビッグサイトや横浜港に攻め込むこともできない。
何より狂信者軍団・貴虎・マーラ・ベジータ・カギ爪団・きらりと続いた戦いで皆が疲れきっており、すぐに動くには無理があった。
後に戦争となるであろうの集団への対策案も必要であった。
「フェイは……ダメだったみたいだね」
小町の視界には重苦しい空気とあかりが泣き、モモに黒子と日之影が彼女を諭している姿が見えた。
そこからフェイの死を察した。
サクヤたちに続き、今度は赤竜・ラゴン・ラブ・フェイまでも失われた。
この非情な戦いの中で仲間が死んでいくことは覚悟の上であったが、心が痛まないわけではない。
「
ごめん……僕がもっとしっかりして、お面野郎をどうにかできれば彼女だけはなんとかなったかもしれないのに……」
「(お面野郎?)
あの時はアンタがいなきゃきらりは助けられなかったし、都庁で耳を塞がずに戦えるフェイが戦場に残らないといけなかった。
誰にも落ち度はないんだ……アンタにもフェイにも、きらりにもね」
「…………」
「まあ、すまないと思うぐらいならお面野郎とやらへ対策を練って
リベンジすべきだね」
その言葉は単にレストを気遣うのものではない。
悲しみや自責の念で足を止めるぐらいなら、仲間を生かすための最善手を考えるべきだという合理的な結論でもある。
かつて大阪の病院にて慕っていた上司の死を知り、周りが見えなくなった時があった小町だからこそ言える台詞であった。
「ところでおまえさん、その格好は……」
「君もあいつらみたいに僕を変態オーバーロードと嘲笑うかい?」
「笑いやしないよ……他の連中だって笑わなかったろ?」
ソウルアーマーを纏うレストの今の格好はサクヤ似であり、何も知らない連中からすれば女装した変態にしか見えないが、都庁同盟軍と聖帝軍は違った。
サクヤをよく知る都庁同盟軍からすれば、サクヤが死後も鎧を授けるという形でレストを助けたのだとわかり、彼女の愛の深さがわかるのだった。
サクヤを知らない聖帝軍からしても、レストはきらりや魔雲天を救ってくれた恩人であり、彼のボロボロ具合と真剣な眼差しを見れば笑うのは失礼だと多い、自重しているのだった(仲間が死んでいる空気を読んでいる、ということもある)
「それよりもモモたちがきているあの服、機械も入ってるんだろうけど、よく魔物たちが許可したね」
「デモニカって言うらしい。
狂信者が持っていたものをオオナズチが拾ってきたそうだ。
本当は魔物たちも嫌がっていたが、さっきの芝居に真実味を帯びさせるために魔物が嫌いなものを纏わせた方が良いということで特別許可されたんだよ」
小町を除く影薄組が纏ったデモニカスーツは機械の力でメインとなる悪魔召喚機能の他に、味方を強化するスキル、死以外のあらゆる状態異常を治す治癒機能、歩いているだけで微弱ながらも傷や疲労を癒すリジェネ能力、罠や隠し扉の発見など、拾った時点であらゆる機能が盛り込まれていた。
余談だがモモはようやくまともな服が手に入ったと小躍りしたという。
「ヘルメットがバケツみたいで見た目はダサいがけっこう多機能らしいし、都庁には必要な戦力だろうね」
「小町さんは着ないの?」
「四着しかなかったのと、胸のサイズに合わなかったら着れなかった……」
「モモよりでかいしね、君のおもち」
二人が話しているところに頭にターバンを巻いたボインが現れる。
「レスト、小野塚小町」
「あ、ターバンのおもちだ」
「おい、そいつぁ軽くセクハラ発言だよ。
金色の闇、だったかな? 改まってどうしたんだい?」
「きらりの治療が終わったそうです」
「!! そうか!」
「良かった、彼女の犠牲は無駄じゃなかった!」
フォレスト・セルによるきらりの治療が終わったらしい。
都庁と聖帝軍の頑張りが報われたのだ。
レストもまた、自分が戦う前にフェイがハクメンを斬られるまで足止めしてなければきらりと魔雲天は助けられなかったかもしれないと思えばそれだけで彼女の功績であり、幾分か気分が晴れた。
「……」
「闇?」
「どうしたんだい?」
よく見ると報告に来た闇の顔は晴れていない。
その理由を彼女は答えた。
「……諸星きらりはもう歌えません」
「なんだって!?」
「そりゃどういうことだい?!」
□
闇から話を聞いた小町とレストはきらりと魔雲天の下へ急いだ。
二人だけでなく、サウザーと聖帝軍女性メンバー、影薄組も後に続く。
他はフェイの埋葬か世界樹防衛に務めるか、または先にフォレスト・セルの前に既にいる。
一行がたどり着くとフォレスト・セルの前には治療が終わったきらりと魔雲天の他にさやかとアルルーナがいた。
きらりと魔雲天は戦闘と治療の過程で全裸であった。
きらりの見た目は治療が功を為して元の人間の姿と身長に戻っていた。
岩そのものな外見ある魔雲天はともかく、アイドルの中でもスタイルは悪くない部類であるきらりの一糸まとわぬ姿……それも後ろの処女開発済みでヌルヌルの粘液塗れとあらば世の雄が反応しないわけがない。
が、そこにえっちぃ雰囲気など微塵もなかった。
「――ッ!! ――ッ!!」
きらりが必死に声を絞り出そうとしているが空気しか出ず、苦しんでいるからだ。
この状況に対し、サウザーはセルや近くにいたさやかたちに問いかける。
「サウザー……聖帝様!」
「確かおまえはさやかとか言ったな。 これはどういうことなのだ?!」
「にしゃあ……」
「セルは治療は完璧だったハズ……と言っているようだわ」
「聖帝様、あたしも後から回復魔法をかけてみたけど全く効果がなかったの!
肺や喉が傷ついてたり粘液が詰まったわけじゃなさそうだし、あたしにもわからないんです!」
きらりは怪我や病気、状態異常にかかっているわけではない。
ではいったい、何が彼女の声を出させなくしているのか?
「これは……たぶん……ひょっとして」
「あかり? 何かわかるのか?」
この場で最も早く答えにたどり着いたらしいあかりが神妙に答えた。
「日之影さん、あくまで私のフィーリングだけど、きらりちゃんは心の病気にかかったんじゃないかと思うの……」
「心の病気? PTSDか!」
あかりが直感で感じた、きらりがかかってしまった病気の正体はPTSD(心的外傷後ストレス障害)である。
姉帯ら聖帝軍の仲間を多く殺され、本意でなかったとはいえ実際に蒲原やラブ、立川市の無関係な住民をその手で虐殺してしまった。
狂信者に殺された者は彼女の責任ではないが、自分が殺した者たちの感触はきらりの腕の中に残っている。
蒲原やつば九郎を圧殺し、立川市の人々を焼き、ラブを肌ですりおろした……
テラカオス因子から解放されて正気に戻ったからこそ優しい性分であるきらりは自責の念によって生じた心の傷によって声を出せなくなってしまったのだ。
「なんてことだ。だとしたら幾らレベルを上げたところで治癒魔法でも治すこともできない!」
「そんな!」
レストでさえ、匙を投げるレベルである。
彼どころか、他の参加者でさえ心に関してはいかなるスキルを持っても治せるものではないのだから。
きらりが予言にある歌の持ち主かどうかは別として、アイドルである彼女が歌えないのは仲間である聖帝軍にとって悲しいことであった。
彼女は何も悪くない、なのに何でこんな仕打ちを受けなければならないのか。
「……いやサウザー、きらりは俺が必ず歌えるようにする。
最高の歌を歌えたら許してくれる約束だったが、少しだけ猶予をくれないか?」
ズイと、魔雲天はきらりの前に出た。
「魔雲天……何を、って割れてるじゃないか!」
「回復を……え? 効かない!?」
彼は岩でありながら漢泣きをしていた。
それだけでなく、なぜかピキピキと体にヒビが入っていた。
さやかが怪我をしたと思って回復魔法をかけるが、なぜか治らない。
「きらり、サウザー、すまん。
俺がもっときらりの体調に気を配れば、蒲原たちや都庁の連中は死ななかったのかもしれねえ。
それどころかきらりに超人の才能があると勝手に思い込み、『あのお方』のお役に立てさせられるとさえ考え、狂信者相手とは言えただのアイドルに殺しまでさせた。
一連の仲間の死は俺のせいだ、俺の迂闊さと傲慢さが招いた結果だ。
だから俺は――!」
魔雲天の岩の体がバラバラに崩れた。
しかし、中から現れたのは魔雲天の臓腑などではなく、筋肉質な裸体の男……人間であった。
これには周囲の者も驚かないわけにはいかなかった。
「魔雲天おまえ……人間になってるじゃないか!」
「理屈はよくわからんが、フォレスト・セルは瘴気の他に悪魔としての力も喰ってしまったらしい。
おかげでただの人間に成り下がったようだが、ある意味で好都合だ……心の踏ん切りがつく」
元魔雲天である男は声の出ないきらりを力強く抱き寄せて表明した。
「力を失い、多大なミスを犯して仲間を失わせた俺に悪魔超人の長たる『あのお方』に仕える資格はない!
今より悪魔超人を引退し、ただのレスラー人間として生きて死ぬことにする。
そして筋を通すために、俺なりの償い方として聖帝軍と都庁の仲間として尽力し、心に多大な傷を負ったきらりを全力で支えることを誓う!」
魔雲天は今までの自身が悪魔超人であるアイデンティティを失ってでもきらりや仲間を守ると宣言した。
これは人間で換算すれば、いきなり自分より弱い畜生や昆虫の生き様をせねばならないということでもあり、自殺よりも苦痛であるハズだ。
それだけ魔雲天は責任を重く感じているという表れでもあった。
「きらり!」
「ッ!」
「さっきも言ったが、一人で立てないなら、俺が立たせてやる。
この俺が必ず、またハピハピな歌を歌わせてやるからな」
「――……」
魔雲天の決意の眼差しに、きらりは嬉し涙を流した。
相変わらず声は出ないが最後に彼女が魔雲天の名前を呼んだのは誰でもわかった。
人間に戻った少女と、悪魔を辞めた男。
開きすぎていた二人の背丈と目線は、いつの間にやら釣り合いが取れる位置にまで近づいていた。
「あ~オホン、感動のところ悪いが……その格好はけっこうまずいと思うぜ?」
「は」
「!」
日之影が忠告した通り、先程までの魔雲天ならいざ知らず、今の彼は裸体の男。
そしてきらりも全裸であり、そんな二人が抱き合うと性的なヤバめな光景である。
しかも男女の出っ張ってるところが互いに当たっちゃっている。
思わず顔が赤くなる魔雲天ときらり。
慌てて亜久里が男性陣に見せないようにし、闇は思い出したようにツッコミパンチをサウザーを入れる。
さやかが驚き、イリヤが呆れたように口を出す。
「み、みんな見ちゃダメ」
「えっちぃのは嫌いです!」
「ひでぶッ!」
「ちょ、聖帝様は関係ないでしょ!」
「大丈夫、いつものことよー(棒読み)」
とにかくいつまでも裸じゃ可哀想なので、小町は男性陣に指示を出す。
「ホラ男ども、ボーッと見ているじゃない!
早いとこオオナズチにでも服を貰ってきな!」
「男の人のアレなんてお父さん以外のもので初めて見たっす」
「黒子くんや日之影さんにもあんなものが」
「モモとあかりも人様の裸をジロジロ見るんじゃあない!!」
「道は険しそうだし、ここまでの犠牲は多かった。
でもなんとかなりそうな気はするよ……サクヤ」
世界はこうしている間にも破滅に向かっており、都庁が危機的状況なのは変わりない。
そしてフェイときらりの歌も失われてしまった。
だがきらりの歌が失われるのも永遠ではないのかもしれない。
襲いかかってきた暴徒たちも血を流さずに追い返すことができ、いずれは都庁を救う礎になるかもしれない。
そう思わせるもの……希望をレストは仲間たちから感じ取れずにはいられなかった。
『レスト』
微笑みをこぼしていたレストの後ろからに氷嵐の支配者が現れた。
レストが振り向くとその首は元の三つに戻っていた。
「その首、治ったみたいだね」
『ああ、治療のおかげでなんとかな。
次は失わないと良いが……それより緊急招集だ。
ダオスと小鳥のいる世界樹の天辺で聖帝との情報交換も兼ねた会議を行う。
ただし、戦力が減っている中でこの前のように全員が一箇所に集まると防衛力を欠いてしまうから、少人数の代表者だけとする。
故に会議に出席するのはダオス殿と秘書の小鳥、まどかちゃんと私。
レスト、聖帝と彼が纏める軍団の副リーダーの金色の闇。
それから小町とオオナズチ、ほむらだけだ』
「残りの人はどうするんですか?」
『耳が良い神樹にスピーカーの代わりをさせる。残りの者は地上にいる奴から情報を貰うと良い。
さあ、天辺へと転移しよう。その前に小町は布か何かで姿を隠せ。
外から見られでもしたら例の偶像計画がおじゃんになってしまう』
そして、四人と一匹はレストの魔法で一気に世界樹の天辺へと転移し、フォレスト・セルの居座る地を後にした。
□
「どうしたのオオナズチ?」
「あ、いや……」
世界樹の天辺に繋がる階段の前でオオナズチは何やら外を見て立ち止まっていた。
ほむらは気になって声をかける。
「会議はあなたの発案でしょ?
今後の計画の練り直しと、救済の予言についてわかるかもしれない古代ミヤザキの情報が手に入ったって言うからダオスが会議の場を開いてくれたのに、言いだしっぺが遅刻したらどうするのよ」
「いやはや、一瞬こまちちの姉御関連でエロい妄想(インスピレーション)が浮かんじったもので脳内コンピュータが停止したんですぞwwwwww」
「はぁー……あほくさ。先に言ってるわよ」
呆れた様子でほむらは先に階段を昇っていった。
その後ろ姿を見送ったあと、オオナズチは再び外を見る。
呟く言葉は重く、草原は見当たらない。
「…………すまん、ホルスの黒炎竜。
今の疲弊した我々ではおまえの先輩や仲間を助けに向かわせられない……!」
そう零したオオナズチの顔はひどく悔しそうであった。
目線の先は黒煙があがる江戸川区方面。
オオナズチはドラゴンネットワークの最新情報からイチローチーム(イチリュウチーム)が江戸川区まで来ていて狂信者の巨大ロボットに襲われて窮地に立たされていると知った。
だが都庁・聖帝軍合わせても戦力的に大きく疲弊しており、送り込めば赤竜たちのような犠牲を余儀なくされてしまう。
今から救援に向かわせれば間に合うとしても相手はオシリスをも瞬殺した相手なのだから犠牲は確実である。
それでもお人好し揃いの同盟軍は人員を送り込んでしまいそうだ。
故にオオナズチは、ドラゴンネットワークが都庁では自分しか使えないことを利用し、心を鬼にして情報の黙殺を決めた。
単に仲間の喪失を恐れたわけではなく、これ以上の人員を喪失すると世界樹の防衛戦力や大災害の謎を解く人員を失って破滅しかねない故の判断であった。
後で仲間から非難されてもこれは曲げるつもりはない。
「……くッ」
とはいえ、亡くなった黒炎竜の慕っていた先輩でありオシリスや、イチローたちを見殺しにすることに対してオオナズチが心を痛めてないわけではないとだけ、ここに付け加えておこう。
【都庁同盟軍】
※全員がさやかたちによる治療が行われ、傷が全快しました
※地下にフェイ・イェンのディスクが埋葬されました
※戦闘に参加していない小鳥以外の全員がドラゴンハートによる強化が行われました
※作戦により表向きで小町と影薄組は都庁の敵ということになります
【ダオス@テイルズオブファンタジア】
【レスト@ルーンファクトリー4】
【氷嵐の支配者@新・世界樹の迷宮 ミレニアムの少女】
【音無小鳥@アイドルマスター】
【渚カヲル@新世紀エヴァンゲリオン】
【鹿目まどか@魔法少女まどか☆マギカ】
【美樹さやか@魔法少女まどか☆マギカ】
【アイスシザース@新・世界樹の迷宮 ミレニアムの少女】
【ウォークライ@セブンスドラゴン2020】
【エリカ@ポケットモンスター】
【アルルーナ@新・世界樹の迷宮】
【歪みし豊穣の神樹@世界樹の迷宮4】
【桑原和真@幽遊白書】
【小野塚小町@東方Project】
※支給品に光剣サイファー@ストライダー飛竜が追加されました
飛竜が使っていたものと同一とは気づいていません
【日之影空洞@めだかボックス】
※支給品にデモニカスーツ@真・女神転生SSJが追加されました
【東横桃子@咲-Saki-】
※支給品にデモニカスーツ@真・女神転生SSJが追加されました
【黒子テツヤ@黒子のバスケ】
※支給品にデモニカスーツ@真・女神転生SSJが追加されました
【赤座あかり@ゆるゆり】
※支給品にデモニカスーツ@真・女神転生SSJが追加されました
【暁美ほむら@魔法少女まどか☆マギカ】
【オオナズチ@モンスターハンターシリーズ】
※江戸川区にてイチリュウチームがドリスコルに襲われている現状を知っていますが、都庁の疲弊した戦力を鑑みてあえて黙殺しました
【聖帝軍】
【サウザー@北斗の拳】
【ターバンのボイン(金色の闇)@ToLOVEるダークネス】
【ターバンのガキ(円亜久里)@ドキドキプリキュア!】
【ターバンのガキ(イリヤスフィール・フォン・アインツベルン)@Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ】
【ターバンのガキ(イオリ・セイ)@ガンダムビルドファイターズ】
【ターバンのガキ(アリーア・フォン・レイジ・アスナ)@ガンダムビルドファイターズ】
【ターバンのおっさん(高津臣吾)@ササキ様に願いを】
【ターバンのガキ(犬牟田宝火)@キルラキル】
【諸星きらり@アイドルマスターシンデレラガールズ】
※テラカオス化の治療が終わって汚染がなくなり、テラカオス抗体を得ました
またテラカオス化によって手に入れた能力も制御され、きらりはデバフ歌(弱)とデバフ耐性と再生(弱)の能力を引き継がれたものの、無関係の人間を殺したことによる精神的ショックによりしばらくは歌えません
【ターバンのレスラー人間(ザ・魔雲天)@キン肉マン】
※テラカオス抗体を得ましたが、代償として悪魔超人の力も失いました(一時的なものか永続かは不明)
外見イメージはストロング・ザ・武道の能力で一瞬ただの人間になりかけた時の姿です
最終更新:2018年05月31日 16:20