「プロジェクトテラカオス、か……」
ルルーシュはビッグサイトの中で用意された自分のオフィスでほくそ笑んでいた。
彼は安倍明恵を洗脳するというひたすらに血迷った行為を取っていたが、その真相は主催者の情報を入手する為であった。
ルルーシュが懸念していたことは行動が些か遅れ、カギ爪団を手に入れたとはいえ情報戦に於いて遥かに劣っていたことだ。
だからこそ、現在では元であるが当時は主催と繋がりがあるであろう安倍明恵にギアスを使い、傀儡とすることで自分の望む情報を手に入れた。
本当にマジで血迷ったとか、後から後悔したけど利用価値があるから最大限利用しようと思い直したとかそういうことではない。
「なるほどな……世界を救う為に
テラカオスを産み出すか」
安倍明恵は非常に有能であった。安倍さんは理解できなかったプロジェクトテラカオスを全て理解し、あらゆる情報をルルーシュに送ってくれたのだ。
何より夫人自身が
テラカオスであったこともあり、
テラカオスの経過観察にも役立った。
適当に宇宙がやばいからそっち守ってくれと言ったら、勝手に宇宙に行ってくれたしそこから何か変な奴らと心中してくれて始末の手間も省けたし。
とにかく、良い事尽くめであったのである。
「だが、些か眉唾物だがな」
テラカオスにによって大災害から世界を救うという名目自体は御大層だが、果たしてこれが世界を救う存在なのだろうか。
安倍明恵もだが、他にも何名かの
テラカオス候補者たちの情報も手に入れたが全員が決まって好戦的になる。
そして救いどころか殺戮を繰り返しているではないか。
「確証が薄いな……奴らは明確な根拠があるのか?」
残された時間が少ないとはいえ、普通に考えればこの惨状に誰でも懐疑的になるのではないだろうか。
殺し合いの現状を見てきて、プロジェクトテラカオスを把握したルルーシュには納得がいかない。
テラカオスの経過については主催も常に監視を続けた筈だが、この計画に賭けるしかないとはいえ些か盲目的に感じる。
「しかし面倒なことになったな。ナナリーの蘇生の前に片付けねばならない問題が山積みだ」
当初は狂信者に紛れてナナリー蘇生の方法を探して、適当な頃合いに抜け出すつもりだったが世界の危機である以上、ナナリーが暮らしていける世界を確保しなければならない。
元々殺し合いも潰すつもりでゼロの仮面を使って狂信者入りしたのも、ルルーシュの顔で今度は対主催に入る為だったが、こうなるとスケジュールを大幅に変更する必要がある。
「どうする……対主催と接触してみるか」
狂信者入りしたが、大災害への対策と
テラカオスの脅威に対し上手く騒動して当たらせる事は可能か考えた時、ルルーシュはクリアしなくてはならない条件が多いと舌打した。
セルベリアは場合によっては説得すれば動いてくれるだろうが、他の上層部連中が邪魔だ。
セルベリアに討たせるよう煽ってはいるが、その後に例の問題の処理をするにも組織として摩耗してしまうのは避けえない。
その隙を突いて他の対主催に襲撃を受けて、ルルーシュもろとも狂信者が滅びては意味がない。
だからこそルルーシュは危険な橋渡になるが、別の対主催に今後の危険喚起を呼びかけるべきか思案する。
当初の予定通りゼロの仮面とルルーシュの素顔を使い分ければ、マーダーと対主催の立場で動くことが出来る。
「……」
とはいえ、対主催もまた一枚岩ではない。ネットの悪評がないのは
イチローチームだけだが、ドリスコルが新機体のテストに更に天子が現在は追撃中だ。
とても接触できる環境ではなく、拳王軍と都庁とかいうのは情報が錯乱し過ぎて意味が分からない。
聖帝軍もホモが悪評を流したせいで無駄に狙われていて接触は危険、一刻も早くクロの妹のイリヤを洗n……保護しなければならないのに。
「この掲示板、情報の偏りが酷いな」
カオスロワちゃんねるがネット上で唯一生きているSNSだが、ルルーシュは即座にここに書き込まれたレスが信頼に値しない物が多数だと気づいた。
聖帝軍への掌返しのように、殺し合いの極限下にある参加者たちは常に一過性の物に囚われ流されてきている。
更に言えば何処を見ても似たようなレスしかない。例えばヘルヘイムとかいう訳の分からない樹の事は詳しく書かれていても、
テラカオスなどの変異した参加者の情報はほぼ皆無である。
そしてもう一つ、ルルーシュが妙に感じたのは対主催の情報が少なすぎることだ。
これだけの人数が居て、
イチローチーム以外殆ど取り上げられていない。
殺し合いに不都合な情報が隠匿されている可能性があるとルルーシュが勘繰るのに時間は掛からなかった。
ルルーシュはネットを開き、一通りのレスを確認して呆れたように溜息を吐く。
腰掛けた椅子に体を深く埋め、一瞬僅かな時間目を閉じる。
(ネットの規制、普通に考えれば日本政府を始めとした主催の可能性が高いが)
インターネットで情報を規制する者の正体はいまだ不明だが、もしも
テラカオスの情報を意図的に隠し殺し合いの促進を目論むのであれば主催に属する者である可能性が高い。
しかし主催ならば随時ルールを追加し、殺し合わざるを得ない状況を作り出せばいい。
ネットでの扇動は遠回りであり、むしろ何処かから
テラカオスの情報が漏れるのを考えれば、ネットそのものを廃止した方が安全だ。
(わざわざ小手先の情報網を利用しなければならない立場……)
だからこそ、わざわざネットを利用し情報を操る必要があると考えられるのは、ルルーシュがカギ爪団を乗っ取る前に所属していたベクターのような“元主催者”。
あるいはそれに近く、だが参加者以上の情報を握り
テラカオスを知っていて、それを利用する理由がある。だが主催とは違いその目的は恐らくは個人的な利益である存在。
そこまで絞り込めれば、そいつは何処に潜伏するかだ。
都庁はない。奴らは自然至上主義でネット関連を弄る隙は無い。(自然至上主義から実は嘘とも考えられるが)
拳王軍もまたネットであれほど悪評の流れたチームに潜むか甚だ疑問が残る。
イチローや
聖帝軍も疑うべき余地がない訳ではないが、安全地帯ではない。
(この殺し合いで恐らく、もっとも安全な場所は俺が今いる……このビッグサイトを置いて他にない)
突き詰めて考え、ルルーシュは
DMC狂信者の本拠地であるビッグサイトこそがこの殺し合いの安全地帯であると断定した。
少なくとも狂信者である以上、この場で殺められることは少なくキチガイ集団として名が広まったお陰で討伐に現れる参加者は減少し、居ても圧倒的な戦力で撃退可能。
ある意味、逆転の発想だがルルーシュはビッグサイトに来てから他マーダーの襲撃など今のところ危険は感じていない。
そう、狂信者として入ってさえしまえばこれほど安全な場所は存在しないのだ。
(接触する価値はあるが、何分正体が分からない以上、迂闊な行動は危険だ……あるいは……主催にコンタクトを取るか)
対主催との接触も視野にあったが、それよりも主催と連絡を取り
テラカオスを狙う第三者を告げた方が確実性と利用価値が高いと感じた。
主催もその存在を把握すれば即座に対処に当たる筈だ。その中で連中に付け入る隙もあるかもしれないし、狂信者の潜伏者への接触も主催と組むことでリスクを大幅に減らせる。
プロジェクトテラカオスを引き合いに出せば、話くらいは奴らも耳を通すだろう。
(しかし奴らの居場所は何処だ? せめて通信先が分かれば……カギ爪団の指揮もある。あまり時間が長引けば戦場に駆り出されるかもしれない……さて、どうするか)
「随分お疲れだな。童貞シスコン変質異常性癖ナルシスト」
「C.C.今はお前に構っている暇はない」
からかいに来たC.C.をルルーシュは邪険に扱う。
「ところであの洗脳被害者達はどうした?」
「みんなは別のところに待機だ。流石に信者でもないあの娘達をここに入れる訳にはいかないからな」
「……お前、見張ってなくて大丈夫か?」
「どういう意味だ?」
「これだから童貞ボーヤは……どうなっても知らないぞ」
【ルルーシュ・ランペルージ(ゼロ)@コードギアス 反逆のルルーシュ】
【状態】健康、ゼロの服装、妹への欲求(超極大)
【装備】ゼロの仮面、ガウェイン@コードギアス@反逆のルルーシュ(後部座席)
【道具】支給品一式
【思考】基本:ナナリーを生き返らせる
1:カギ爪団に混じりながら
DMC狂信者のクラウザー蘇生方法を探る。
2:ギアスの使用は慎重にする。
3:1の為、ゼロとして行動する。
4:こうなった以上、妹達は責任持って俺が幸せにする。
5:
テラカオスと大災害への対処法を探す。
6:狂信者内の潜伏者を警戒する。出来る事なら炙りだしたいが……
7:主催とコンタクトを取りたい。
8:近い内、ルルーシュとして対主催とも接触したい。
※明恵夫人経由でテラカオスプロジェクトを知りました。
※
テラカオスについてはかなり懐疑的です。
※狂信者内に
テラカオスを狙う第三者の存在が居ることを推理しました
【C.C.@コードギアス 反逆のルルーシュ】
【状態】健康、ルルーシュにドン引き
【装備】ガウェイン@コードギアス 反逆のルルーシュ(操縦席)、スマホ@スマホ太郎
【道具】支給品一式
【思考】基本:ルルーシュの共犯者として行動する。
1:気持ち悪過ぎる。
2:嫌な予感がする。
【橘美也@アマガミ 死亡】
【古手川唯@ToLOVEるダークネス 死亡】
「あんた、何やってんのよ……!」
見る影もない遺体に変わった二人を見つめ、クロエ・フォン・アインツベルンは叫ぶ。
額には脂汗が浮かび、手に持つ双剣は罅割れていた。
「お兄様に相応しいのは私だけ……」
「目を覚ましなさいよ! 洗脳されてるのよ! あのシスコンキチガイナルシスト馬鹿に!!」
クロエが正気を取り戻したのは数分前、ルルーシュに思いを馳せどうやってお兄ちゃんに夜這いを仕掛けるか考えた時だった。
冷静に考えたら妹が6人っておかしいし、そう言えば記憶も飛び飛びな気がすることに気付いた。
そこでルールブレイカーを投影しぶっ刺したところ、ギアスが解けたのだった。
「本当、気持ち悪くて反吐が出そう……もうマジ無理……」
その後、他の被害者達もルールブレイカーでザクザクし最後に残ったのが司波深雪となった時に事件は起きた。
彼女はルールブレイカーで刺される前に魔法で先述の二人を殺害しクロエを攻撃したのだ。
「お兄様の愛を受けておいて、その言い様……やはりお兄様に貴方は相応しくない」
「いや私のお兄ちゃんじゃないし、ただの変質者じゃない」
「人の敷いた法というレールには乗らない。流石お兄様ですわ」
「えぇ……」
あまりの溺愛っぷりにクロエが呆れた隙を突き、深雪は魔法を使った。
「しまっ」
クロエは吹き飛ばされ、先ほどまで全員で待機していた家屋は綺麗に消滅していた。
深雪は少しクロエの遺体を捜索するが、見つからないので早々に探索を打ち切る。
そして横たわった二人の少女を連れて彼女はあろうことかビッグサイトへと向かった。
場面は変わり、ビッグサイト内部。
門番のモブを瞬殺し深雪は足を踏み入れた。
「なんやお嬢ちゃん?」
モブでは手に負えないとの事で待機していた松本人志が繰り出された。
「上層部の人を出して頂きませんか? 少しお話があるんです」
深雪はニヤリと笑い、全身を拘束された美遊・エーデルフェルトと結城美柑を松本に差し出した。
「この娘達、皆さんが手こずった都庁の関係者の身内らしいですよ」
松本は深雪の意図が良く分かった。つまるところ彼女達は人質に使えると、そしてその人質を捕らえた功績に自分も仲間に入れて欲しいということだと。
もっとも松本の解釈は半分正解で半分不正解だ。彼女の目的はルルーシュに相応しくない妹キャラの殲滅。
その為に先ずは、クロエから興味を抱ていたイリヤスフィールフォン・アインツベルンの抹殺に狂信者を利用しようと考えたのだ。
ルルーシュ最大の誤算とうっかりは深雪が並の妹キャラとは違った事である。
深雪の愛は非常に重く嫉妬深い。生き返るとはいえ焼き餅で本当のお兄様を殺したこともある。
そこにギアスの強制力が働き、深雪はルルーシュを独占するために行動を開始した。
「お兄様の妹は私だけで充分ですよね」
【
二日目・18時30分/東京都 ビッグサイト入り口】
【司波深雪@魔法科高校の劣等生】
【状態】健康、ギアスによりルルーシュを大好きな兄として認識中
【装備】深雪のCAD
【道具】支給品一式 サファイヤ@Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ(美遊の支給品で魔法で凍結中)
【思考】基本:妹キャラは皆殺し。
1:狂信者を使い、先ずは都庁を責めさせイリヤを抹殺する。
【松本人志@現実】
【状態】健康、DCS状態+大日本人化、首輪解除
【装備】浜田雅功人形
【道具】支給品一式、メトロン星人人形、グラコスの槍
【思考】基本:浜田の蘇生
0:狂信者のフリをしつつ、浜田蘇生の機を伺う
1:狂信者が関東を統一した後にビッグサイトの内部に侵入し、蘇生方法を奪って浜田を蘇らせる
2:浜田を生き返せないようなら一人でも多くの参加者をあの世に送る
3:深雪を上層部に会わせる。
※巨人の脊髄液@進撃の巨人を取り込んだことで大日本人に変身できるようになりました
DCSの効果などで原作の大日本人よりは遥かに強いです
【美遊・エーデルフェルト@Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ】
【結城美柑@ToLOVEるダークネス】
【状態】洗脳解除、拘束中
【共通思考】
1:逃げたい。
2:本当にあの人気持ち悪かった……
「……全く、どうなってんのよ」
傷を抑えながらクロエは命を取り留めていた。
殺された二人の他に美遊と美柑という女の子がいたが、彼女たちが生きているのかどうか。
「そういえば、ネットの動画でイリヤが映ってたわね……」
クロエが思い出したのは
聖帝軍が悪評を流されたあの動画だ。
少なくともあの動画のお陰でイリヤの場所だけは分かる。
深雪の目的がルルーシュの独占だとしたら、クロエが洗脳中に散々話してしまったイリヤの殺害に現れる可能性は高い。
マーダー軍団と言われていたが、それでも深雪より先回りしてイリヤと合流しなければ。
「待ってなさいよイリヤ……」
【クロエ・フォン・アインツベルン@Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ】
【状態】重症、洗脳解除
【装備】なし
【道具】支給品一式
【思考】
1:イリヤの救出
2:美遊と美柑も助けてあげたいけど
3:本当にもうマジでアイツ無理。
最終更新:2018年06月12日 19:26