アットウィキロゴ
放送が始まる直前の九州ロボの宮崎区画。
かつてテルミが破壊したミヤザキの遺跡はビッグライトで巨大化し、覆った物の時間を巻き戻すタイム風呂敷の力によって無事復元された。
そして入口に入っていこうとするジャック・Oとメフィラス星人の二人。
だがその前に二人の目線は入口近辺に放置された物体に移る。

「なにかでかい岩みたいな生物が死んでますね」
「ある任務で見たことがある、竜のバサルモスだ。
どうやら岩と勘違いされた首輪の付け忘れがこんなところにいたらしい」
「しかし、妙ですね……テルミに殺された割には切り傷も打撲も何もない……」
「死体の状態からしてついさっき死んだもののように新しすぎる」
「まさか、テルミや安倍のシンパや危険な部外者がここに潜んでいるとでも?」
「可能性は十分にある。警戒はするべきだろう」


【バサルモス@モンスターハンター 死亡確認】
死因:ドラゴンネットワークを介したシャドウによるTCの流し込み


バサルモスはオオナズチに情報を流して間もない頃、シャドウがオシリスを騙ってドラゴンネットワークにバラ撒いた、ウィルス(蒼)に脳をやられて死んでしまっていた。
そうとは知らないジャックとメフィラスはいつでもココや紫の救援が呼べるように注意しつつ遺跡の中へと飛び込んでいく。
幸いにも彼らが遺跡探索をする内は、彼らに牙を向く存在は一つもなかった。


「おや……? こんなところに隠し扉が――」











「全ての残存参加者が大阪から退避または死亡全滅しました」
「もう良いわね、フロワロに汚染された大阪を焼き払うわ。
ダークザギ、バリアで周囲を囲った後にライトニング・ザギよ」
『了解』

一方、九州ロボのコクピットではココとモブ兵士、もといダークスパークによって召喚された悪のウルトラマン・ダーグザギが黒いフロワロに覆い尽くされた大阪を見据えていた。
耐性の無い生き物の肉をも溶かす大阪にはもう生存者は一人もいない。
ココは九州ロボの砲台を操作し、ダークザギは花粉が飛ばないように大阪を障壁で囲った後に光線技を放つ。
一斉発射された暴力の嵐は大阪をフロワロごと完膚なきまでに破壊し、数分で日本の地形から消滅することになった。
そのまま焼くと飛び散るであろう花粉もまた、バリアの中で一挙に焼却された。

完全なマップ破壊であるが、これは黒フロワロを他の県に伝播させない手段である。
大阪は拳王連合軍とWB組の戦いや貧乳歌姫による黒フロワロの汚染によって殺し合いが終わった後でも復興不能。
ならば生き残っている土地を残すためにも切り捨てた方が無難だろう。
参加者も近畿が禁止エリアに制定されたために随時脱出しているため、殺し合いの影響もあまりなかった。
そして大阪府を犠牲にした見返りに黒フロワロは完全にこの世から消滅したのだった。

「これでフロワロは良しと」
「そちらは終わったようね」

九州ロボのコクピットにスキマを使って紫が現れる。

「紫、メガへクスとbiimはどうだった?」
「biimは『今更再走したくない』と二つ返事でOK。
メガへクスは裏切る素振りを見せたり、自分を捨て駒にしたら即離反する、という条件で了承したわ」

このカオスロワをゲームに見立てているbiimはともかく、メガへクスとしてはプロジェクト・テラカオスの重要性を理解しつつも、五大幹部とは壁を張っていた。
とはいえ余震だけで母星を滅ぼされた大災害の驚異への危険性はとてつもないものであり、彼の優れた頭脳を使ってもTCを唯一吸収できるテラカオスに縋るしか方法がなかったので、アナキンたちの策に乗るしかなかった。

「他の特務機関員は?」
「残念だけどさっき言った二人以外は誰ひとり戻る気はないそうよ。
やはり一度は陥落し安倍に拠点を牛耳られた件や何度も襲撃を受けて墓場に片足を突っ込む真似はしたくないって」
「残念ね……人材は惜しいけど機密をばらされて計画やアナキンの行動に支障が出たり、テルミの協力者がいる可能性もあるから……消えてもらうしかないわね」

ココは残念そうな、そして冷酷な表情でコクピットに備え付けられたスイッチを押した。
瞬間、主催陣営から離反し地上に降りた特務機関員全員の頭や心臓が爆発して吹っ飛んだ。
ココは人質の他に裏切り防止のために首輪とは別に彼らの脳や心臓部分に秘密裏に爆弾を植え付けていたのである。
ちなみにテルミに使えなかったのは飛竜の体に移し替えられたためであり、(いちおう)ベクターやシックスなどは計画に支障を与えない範囲での裏切りだったので今まで使わなかったのだ。


【宮永咲@咲-Saki- 死亡確認】
※特務機関員でした
【まだ登場していない特務機関員 全滅】
※この話以降、追加の特務機関員は登場できません


「元は幽香の発案だけど、えげつないやり方ね」
「メガへクスとbiimは本当に良い選択をしたわ」




同時刻、九州ロボの某所。

「……メガへクスさん、なんか今寒気がしませんでしたか?」
「私にそんな感情はない……と言いたいところだが、今、確かにそれらしきものを感じたぞ」

たった一つの選択により命拾いをすることになった特務機関員二人。
彼らは嫌な気配を感じ取りつつも、黙々と仕事を続けていた。
biim兄貴は残ったモブ主催兵士をRTA走者として肉体的にも精神的にも強化し、メガへクスは九州ロボを修復・改造を行っている。

「それにしても、こいつらは匿うだけ邪魔じゃないか」
「こいつら……ああ、九州にいた『参加者』ですね」

biimとの雑談を交えながらメガへクスが修復の過程としてとある扉を開けると、中から数千数万単位で大量の参加者が入ったカプセルが出てきた。
皆、容器の中でコールドスリープされている。
彼らはかつて奴隷として主催に働かされていたが、九州ロボが禁止エリアに指定された際に首輪を爆破されて全滅されたと思われている。
実際には九州が禁止エリアに指定されたと同時に全員眠らされ、九州ロボの奥地に封印されていたのだ。
この事実を知っている者は参加者にはおらず、九州ロボに残っていたひとにぎりの人員だけである。
biimやメガへクスもつい先ほど、紫に教えられたばかりである。

狸組のはやてたちが脱出した時にはまだ奴隷として使われていたおり、脱出の際に全滅した奴隷もごく一部。
テルミもまた飛竜への憑依して暴れている間は情報を必然的に主催からシャットアウトされていたために知らず、襲撃した超人血盟軍も隠されている彼らの存在には気づかなかった。



「これだけの人数がいるとコールドスリープにかかるエネルギーが無駄だ。
全員爆破で良かったのではないか?」
「いやいや、彼らは大災害と殺し合いで滅茶苦茶になった日本や世界を復興させるための貴重な労力です。
モブばかりでネームドキャラはいない、テラカオス化も陰性で戦闘はからっきしなクソザコナメクジですが、これだけの数がいれば復興には問題ないでしょう。
最悪、本州の参加者が全滅してもここにいる彼らだけ生き残れば世界滅亡だけは防げるんですから」
「……大災害をテラカオスで止める計画が成功すればな」

コールドスリープ中のモブ参加者を匿うことは、現状では九州ロボのエネルギーの一部を食ってしまうほどのマイナス要素とも言えた。
だがbiimの言ったとおり、計画が成功して大災害を防いでも本州サイドの参加者が殺し合いの中で全滅してしまう可能性は0ではない。
それを見越して九州に取り残されて禁止エリアで全滅するはずだったモブ参加者を、未来に必要な労力として残すことにしたのだ。

「それにぃ、彼らはいざという時は対主催への人質としても有効ですよ?
善意で動いている彼らは九州ロボを破壊しようものならここにいる人質の方々も皆殺しにするんですからね?
……まあ流石に狂信者と拳王連合軍辺りは関係なく攻撃してきそうですけど、それ以外の組織の攻勢は確実に減りますよ」 

お饅頭じみた顔で黒い笑顔を浮かべるbiim兄貴。
九州ロボのスペックは驚異だが、ダオス・ゼオライマー・イチローなどバリアや装甲を破れる攻撃力を持った存在は数多くいる。
だが、いざという時は人質がいると教えさえすれば、余程の非情な心の持ち主でない限りは攻撃できなくなるだろう。
そう言った意味でもモブを匿ったことは有用である。

「なるほど、役立たずに見えて有用性はあるのだな」
「そういうことですよ。
 超人血盟軍の時は間が悪かった……完全な奇襲であちらに教える暇はなかったし。
 そもそも教えた時点で侵入されている以上、人質が救助されてこちらが不利になるだけでしたからね」

カプセルの前で立ち話をする特務機関員二人であったが、そこへひとりのモブ兵士がやってくる。

「あの~、biim兄貴様、水を差すようで恐縮ですがそろそろ……」
「そうですね。あなたたちを最強のモブ件RTA走者にするための強化訓練を再開しますか」
「私もそろそろ仕事に戻ろう」

biimとメガへクス、及びモブ兵士はそれぞれの仕事に戻った。








しばらく時間が経ち、九州ロボのコクピット。
そこにはココと紫に加えて遺跡から情報を持ち帰ったジャックとメフィラスがいた。

「ジャック、戻ってきて早々だけど悪いニュースがいくつかあるわ」

神妙な面持ちでココはジャックにそう言った。

「それは計画に支障を来すレベルか?」
「ええ……そう言ってもいいかもしれないわね。
 あなたたちは遺跡の中にいたから放送が聞こえなかったかもしれないけど、ニャル子が死んだわ」
「ニャル子さんが……」

仲間の死にショックを受けるメフィラス星人を尻目にココとジャックは話を続ける。

「アナキンは無事か?」
「そっちは上手くイチローチーム、いや、イチリュウチームへの潜伏ができたわね。
ニャル子の犠牲は無駄じゃなかった……彼女ができなかった分、真尋くんは私が愛でなくちゃ……」
「話が脱線しかかってるわよココ」
ごめんなさい

「ニャル子の件はまだいいとして、もっと重大なこととしてテルミの死亡が確認されたわ」
「何? 誰に討たれたんだ?」
「首輪から盗聴した内容を聞くに、ヘルカイザー亮の遭遇戦の果てに……チン…召喚したマーラに殺され、相討ちになったようね。
記録映像もあるけど……正直ここで見たくないわ」
「ちょっと羨ま……何でもない、続けてくれ」

ジャックがマーラに掘り殺された男に関して何か言いかけたが、女性陣二人の冷ややかな目線を感じてそれ以上言わなかった。

「スキマワープを使って一瞬だけ東京にある死体を見に行ったけど、魂の気配を感じなかった。
憑依のために使ったと思われるウロボロスも強すぎる魔力が染み込んだシロイブッタイのせいで故障。
テルミは完全にこの世界から消え去ったと見ていいわ」
「アナキンとの接触は? せめて接触して生き残った参加者は……」
「ないわ。テルミから情報を聞き出す道は完全に絶たれたわね」
「くっ……」

宮崎遺跡破壊などの一連の行動から主催陣営でさえ知りえない真実を知っていると思われたテルミであるが、情報を聞き出す前に死亡。
予言の真実を知る糸口が一つ失われた。

「そして、よく言えば興味深い。悪く言えばテルミ以上に計画を破綻させる事態が私たちの知らない内に起きていたわ」
「……あまり聞きたくないですが、聞くしかないですね」
「さっきスパコン『京』にアクセスして参加者を洗っていたらテラカオス反応が三名ほど消えていたわ」
「消えた? 死んだの間違いではなく?」
「ええ」

テラカオス反応が消えるということは「普通は」参加者の死が予測される。
死以外では一度芽吹いた因子から解放される術はないはずだからだ。
しかし彼らのナノマシンからは、持ち主がまだ生きているという信号を出していた。
ナノマシンやテラカオス化に必要な因子だけが肉体から排除されたというのか。

「対象者は都庁軍のレスト、聖帝軍の諸星きらり、物置組……からイチリュウチームに移った雪音クリスか」
「因子を消し去ったのはレスト・きらりの二人は都庁の奥の手とされるフォレスト・セル。
残るクリスの因子を吸収したのはテラカオス・ディーヴァの残滓ね」

モニターに移ったデータを除く四人。
首輪を外しているので映像も音声もないが、ナノマシンの情報からフォレスト・セルに因子を吸引されたわかるレストときらり、そしてテラカオス化による暴走をクリスから因子を取り払うことで救い出した残滓こと『ツバサ』の絵図がクリスの首輪から盗聴された音声を通して四人に見えた。

「残滓の方はまだ良いわ。
因子は無くなったわけではなく、吸収して自分のものにしただけだから」
「沖縄に現れた何者かに敗北し、弱体化した彼女の完成にはむしろ打って付けだ。
むしろ犠牲を減らせるならそちらの方が都合がいい」
「問題なのはフォレスト・セルね」
「残滓のような吸収ではなく、完全な滅却。
テラカオス因子がフォレスト・セルによって完全に消去されている……これはまずいですね」

因子そのものが消滅しているということは、その分だけ完成したテラカオスが手に入らなくなってしまう。
完成体であるテラカオスが手に入らない場合、世界は大災害によって滅亡する。
フォレスト・セルはジャックたちの視点で見ると完全に計画の障害に思えた。

「我々の手で情報を隠蔽してきたことや都庁軍が基本的に拠点から動かないことを考えると、都庁の魔物や人間たちがテラカオスこそ世界に必要であると気づいているとは思えない。
今はまだ、たかが二人であるが、フォレスト・セルが世界に必要分の因子を食べ尽くした場合……」
「――世界を滅ぼす間接的な要因になるわね」

浄化と言う名の破壊。
単純な戦闘力だけでは押し測れないフォレスト・セルの驚異に四人は寒気を覚えるのだった。



「……ニュースは以上よ。ジャックの方の収穫は?」
「あるにはあるが、どうなるかな?」
「あら、随分含みのある言い方じゃない?」

遺跡探索に出かけて無事に帰ってきたジャックであるが、何とも言えない顔をしていた。
具体的には自信がないとも言い切れず、余裕があるとも言えない表情だ。

「宮崎の遺跡にも壁画やらで救済の予言に関連する言葉が書いてあった。
だが内容は、世に出回っているものと同じでこれだけでは何のプラスにもならない。
古文書がいくつか存在した痕跡があったが持ち去られている」
「テルミは所持してなかったようだし、もっと前に持ち去られたのかしら?」
「流石に古文書そのものがないとタイム風呂敷でも復元できませんからね」

ちなみに古文書を持ち去ったものはイナバ社長や姫川友紀が所持していたものである。
それらもなくテルミも死んだ以上、紫とココは九州内部だけで真実を知る手掛かりはないと思っていた。


「……が、私とメフィラスはそれ以上の価値があるやもしれぬメモリーチップを発見した」
「メモリーチップですって? 古代にそんなものがあったなんて……」
「遺跡のあちらこちらに戦闘ロボットの成れの果てが転がってました。
太古の宮崎はそれだけ技術力に優れていたのだと思われます」
「遺跡に一つだけ原型をとどめていたメモリーチップはタイム風呂敷で復元できた。後は何が入ってるか次第だが……」

チップを手に入れたジャックはそれを本拠地に持ち帰り、知能に優れるメフィラスの手でチップの中を覗ける端末を作らせた。
ちなみにロボット自体は錆と破損がひどく、鹵獲防止のためか特殊の魔力で加工されていたのでタイム風呂敷でも修復不能だった。

そしてジャックは端末のスイッチを押し、仲間たちはモニターを注視する。
計画を進めるだけの映像が入っていない、そもそも何のデータも入っていない可能性はあったが記録映像は無事に画面に映された。



画面にはひとりの青い人型ロボットが映されていた。
このロボットには四人とも見覚えがある。



「――ロックマン!?」
「どうして古代の映像の中に?」

ココと紫が驚くのも無理はない。
映像の中のロボットは今もまだ存命中のネットナビ、ロックマンエグゼ(光彩斗)とほぼそっくりなデザインだったのだから。

「いや、よく見るとイイ男……じゃなくて細部が違う」
「似たようなデザインですが別物ですね」

ジャックとメフィラスが言ったとおり、画面の中のロックマンはエグゼと比べるといくつか年を重ねた青年型であり、顔つきやアーマーの形状なども幾分違う。
それでも青いヘルメットなど主だった部分はエグゼと共通している。

画面の中の彼は何者なのか?
今、拳王連合軍にいるロックマンエグゼとの関連性は?
その疑問を主催たちが口に出す前に、画面の中のロックマンじみた男は口を開く。



『初めましてで良いかな?
俺の名前はロックマン・エックス。
レプリロイドという簡単に言えば機械でできた擬似生命体の一人だ』

まるで穏やかな口調で語りかけるように画面の前にいる者たちに語りかけるエックス。
残念ながらこれはただの記憶映像に過ぎないので返事をしても返ってくることはない。

『諸事情により、俺の記憶は消される手はずになっている。
だがもしもの時のため、皆には過去に起きた真実や悲劇を知ってもらいたいためにこの映像を残した。
そのために俺は一連の記憶を一枚のメモリーチップとして切り離し、この基地の最奥に封印する。

本当はこれも神々から禁止されたイレギュラー行為なんだが、グンマーの勢力が影で似たようなことを行っている情報をキャッチしたため、対抗策として影で破らせてもらう。

できればこの記憶が悪しき者に渡っていないことを祈る』



少し前に真実に立ち向かう意志を持った都庁の軍勢の前には、真竜ノーデンスが褒美として真実を授けた。
第十期主催陣にとってのノーデンスはこのエックスというロボットであった。



そしてエックスの口から明かされる幾つかの真実。
それはこの世界に存在する蒼(TC)や蒼の源泉(TCホール)など、源泉の暴走により生じた大災害など既に幹部クラスなら知っているものに加えて、主催ですら知りえない情報も出てきた。


大災害は遥か太古……エックスが存在した時代にも起きていた。
過去にも一度、大災害は起きていたのだ。
その際に大災害の化身とも言える精霊「黒き獣」も現れ宇宙は混乱することになった。
しかし当時のジェダイと古代の地球人達、特にミヤザキとグンマ―が奮戦したということで解決される。

そして解決策として蒼を唯一吸収できるテラカオスを作り出すことになり、他に方法を見つけられなかった世界は多大な犠牲を強いるテラカオス降臨の儀式『聖別』を行うことになったこと。
その末に感情とストレスによって肉体・精神を改変する『ナノマシン』の影響を特に強く受けたがテラカオスとなり、蒼の源泉のから溢れる蒼は抑制され宇宙が救われた。

エックスの話はここで終わらず。
その後の世界のことも語られた。
それは主催陣営に取っても知りたい情報についても触れられていた。


自然災害である大災害は再び発生する可能性がある。
次に備えてジェダイは技術と知識をミヤザキとグンマ―に残していく。
ミヤザキとグンマ―は協力し、後の要となるテラカオスをさらに確実な存在とする研究を進めたのだ。

特殊な進化により蒼を浴びても狂わずテラカオス化しても暴走しない様から不屈の精神を持っているかのように見えるイレギュラーにして最高のテラカオス素材『不屈の勇者』
死者の魂を取り込むと暴走の危険があるために編み出された、死者の魂を鎮める鎮魂歌『全てを虜にする歌』
完成したテラカオスに後付で強化し、足りない能力を補う大型パワードスーツ『器足りえる巨像』
単純な力だけならテラカオスをも上回りかねない器を安定、制御する支援要員『巫女』
死者や巫女や巨像でも足りない場合に備え、古代の決闘の『最良の9人の戦士』の力も有用とされた。
現代の野球とはその決闘が形を変えてスポーツとして進化したものらしい。
研究は進み、これらが揃って強化されたテラカオスは確実に『救いの神』になるだろう……と思われた。



『ところが、グンマ―はテラカオスの研究を放棄し、自然災害とも言える蒼による滅びを受け入れることにした。
まだ何億年先に起こるかわからない大災害に莫大なコストを支払うのは勿体無いという理由もあったそうだ。

実際に研究にかかる労力や資源の量は凄まじく 投げ出したくなる気持ちもわからないでもない。
だが僕らミヤザキ側としては目先の幸福よりもテラカオスをより完全かつ安全に制御することで、行く行くは蒼に対する驚異を払拭すればこの世界は永遠の安息が……少なくとも大災害で滅ぶ未来だけはなくなると考えた。
子孫を救うための研究であり、そのまま続けていれば犠牲者ゼロで次以降の大災害を乗り切れるようになったかもしれないのに……

……だが、グンマーが研究を放棄しただけなら良かった。
続けられる意思がないのならそれはそれで仕方ない。
時間はかかるだろうけど、ミヤザキだけでも研究を続ければより良いテラカオスの生み出し方も作り出せたのだろうから。

だがグンマーはミヤザキの蒼からの驚異を取り払うことを、蒼を支配して宇宙を支配しようと企んでいると見なし、ミヤザキや関連する首都に先制攻撃を加えてきた。
これに怒ったミヤザキや交流を持っていた首都は反撃を開始。
グンマーは世界を滅びに導くアナーキストの集まりとされ、開戦の火蓋が起こされたんだ』



聖別の後に起こされたのは、また別の地獄のような殺し合い『戦争』であった。
それが当時の映像を交えてエックスから解説される。


技術と数で勝るミヤザキであったが、グンマーはこれに対して研究のために産みだした巫女を投入。
研究の副産物で生まれたり呼び出された魔物から進化した竜や魔族、超人なども戦線に加えさせれれた。

古代グンマーの民は大人しく静かに滅びの時を自然の中で迎えたがる謙虚なイメージがあるが、決して全員ではない。
中には法に縛られたくない、淫行をしても咎められない、税金がない、大災害は遠い未来で起きるから自分たちには関係ないという身も蓋もない理由で身を寄せた無法者もいた。
またグンマーの民自身は首都から動かなくても外部への攻撃、そして虐殺などの汚れ仕事を竜や魔族に任せることでミヤザキに勝利し滅ぼそうとしていた。

なんとか自分たちを奴隷のように扱うことに霹靂としていた一部竜や魔族・魔物をグンマー側から引き抜いたり、他の首都との連携でグンマーを包囲した時には、次世代の生体兵器であるアースマイトが投入され、ミヤザキ側に多数の死者を出した。
巫女とアースマイトによる鉄壁の防御を破れないミヤザキはレプリロイドの亜種であり魔力を持った人型女性ロボット『艦むす』をやむを得ず投入。
艦むすは『調達』に時間のかかるグンマーの巫女やアースマイトに比べて生産が容易で数を揃えられる利点があった。

が……それ以上に女性や少女のみで構成されているが故に、グンマーの人々に善意に訴えかけて武器を下ろさせるという目論見もあった。
傍から見ると卑怯な手ではあるが、ミヤザキの目的はグンマーへの勝利や殲滅ではなく、テラカオス研究を行っている都市への攻撃を中止させること。
グンマーの民とて人の子、女性や少女を大量に殺さねばいけない状況に嫌気が差し、グンマーの首都を明け渡すまではしなくとも休戦だけしてくれるだろうと上層部は判断し、苦渋の作戦を決行した。



……ミヤザキ上層部はあまりにもグンマーを楽観視していた。
グンマー側の上層部はこの頃、過激派に実権を握られており、巫女とアースマイトに大量の艦むすを殺してでも攻撃を続行するように強要。
グンマー過激派にしてもテラカオスを作らないと決めた以上、巫女は戦争がない限りは邪魔であり、アースマイトは敵に回すと面倒になるため、先に使い潰すことを決めたのだ。
結果、多くの艦むすとミヤザキ兵士が死亡。
休戦協定も破棄され、和平の使者として送り込まれたミヤザキの大使が殺されて送り返された。
都市への攻撃は休まるどころか戦いの中で力を蓄え『魔王』として進化した魔族を使い、余計に悪化した。

もはやグンマーの暴走は目に見えていると判断したミヤザキは、平和路線を捨ててグンマーの殲滅を決意。
攻勢に出るために穏健派を上層部から一掃。
エックスを含む多くの穏健派戦闘指揮官も左遷か解雇させられ、より攻撃的で質の悪い犯罪者に片足を突っ込んだ者たちばかりが新たな指揮感に選ばれた。
その一人の中に邪悪な男であるユウキ=テルミもいた。

だが戦況を左右したのはテルミのような優れた力を持つ一個人ではなく、数の力と卑劣さである。
先代提督の死亡により新しく提督に選ばれた男は、ドクターバイルや中島朱美という最悪の科学者の弟子か息子と噂されるほどの危険人物で、巫女という以外はあくまで少女型ロボットに過ぎなかった艦むすたちに、提督である自分に死んでも付き従う忠誠心を独断で受け付けた。
これにより駆逐艦という最も幼く作られた艦むすなどが提督や主力を庇う『捨て艦戦法』が生み出された……もちろんエックスや良識あるミヤザキの民はこの非道な作戦は非難したが、作戦自体は成功し、巫女とアースマイトの精神の破壊に成功。
グンマー内部への進軍を進められた。

だがグンマー過激派にしても戦争が長引く度に言うことを聞かなくなってきた巫女やアースマイトの処分は喜ばしいことであったらしく。
ダオスの先祖である種族デリスカーラーン人を投入。
戦闘の役に立たなくなった一部巫女やアースマイトごとレーザーで艦むす部隊を焼き尽くした。
また一部竜種が傷ついた艦むすを拉致し、その艦むすたちは二度と戻ってこなかったという事態も続出した。


その後は終戦に至るまで惨憺たるものであった。
デリスカーラーン人の有用性に気づいたグンマーはその力で自然とグンマー以外の都市を焼き払わんとする。
その暴虐をを許すわけにいかなかったミヤザキは、本来は次の大災害のために作られた器足り得る巨像・超巨大都市ロボ『九州』を投入。
グンマーもまた器足り得る巨像・生体兵器フォレスト・セルを投入。
さらには双方がジェダイから固く禁止されていたナノマシンを悪用し、未完成のテラカオス……通称なりそこないさえも使うようになっていた。
もはやミヤザキもグンマーの暴走は目に見えていた。
最終的にプロトタイプ九州ロボと始源のフォレスト・セルは相討ちになり、前者は日本の南側に沈んで広大な土地となり後者は卵をいくつか残して死亡した。
結果、土壌は汚染されつくされ、浄化の手も足りなくなりひと握りの民を残してミヤザキとグンマーは滅亡。

これを憂いた神々は地上の復活と引き換えに、蒼や大災害、そしてテラカオスに纏わる記憶を全ての抹消、さらに製法さえ知っていればお手軽に巫女を生産できる艦むすたちの全解体(絶滅)を要求された。


生き残ったミヤザキ・グンマー穏健派はこれに従うが、全ての情報を絶ってしまうと今度は上位の神々ですら防ぐ方法を確立させてない大災害への防御策がなくなってしまう。
そこで抽象的な予言という形で拠点(後の遺跡)として後世に残すことや、ジェダイが持っていたナノマシンだけは使用は大災害発生時を除いて認めないものの「所持」だけは許したのだ。


『それで丸く収まれば良かったんだが、先ほど情報部からグンマーが神々にも秘密裏にフォレスト・セルの卵を各地に隠したらしいことが発覚した。
フォレスト・セルとは本来は『器足り得る巨像』の一つでテラカオス強化用マシンなんだが、自然死を是とするグンマー過激派は浄化に見せかけてテラカオスを作成する方法を失わせて世界を破滅させる改造を施した。
具体的にはセルに一度浄化された存在はテラカオス化が完全に治り、多少の蒼の耐性がつく代わりに二度とテラカオス化できなくなる。
何も知らない後世は汚染やテラカオス化に苦しむ人々には救世主であるが、ほぼ全てのテラカオスが浄化されると世界が大災害によって滅んでしまう破滅の存在なんだ』

そのことに対して当時のミヤザキ及びエックスは抗議したが、グンマーは否定、調査に向かった神々もそんな事実はない言いがかりとした。
だが実際にフォレスト・セルは現代に蘇り、テラカオス候補者の因子を削除した。
おそらく神々の中にもグンマーの大災害による自然死に同調する存在がおり、黙認したのだと思われる。


『俺としてはグンマーの善意を信じたいが、先の戦争のせいか信じきれない。
神々も大災害で損害を受けたらしく、全能性を喪失しているからあてにはできない。

そこで俺たちミヤザキもいくつか対抗策を取らせてもらった。
外部だけでなくテルミのような危険人物には知らせてないように極秘事項だが。


まず一つは、予言とは別に今見ているこの俺の記憶が詰まったメモリーをこの拠点の最奥に隠すこと。
何百年もすれば風化してしまうが、未来にはどれだけ破損しても復元できる技術があるかもしれない。

もう一つは有志をコールドスリープさせて未来に送り込む。
君たちの目線なら過去の人とか古代人というわけだ。
彼女からも情報を聞いて欲しい』



「メモリーチップはここにあるとして古代人の入ったマシンなんてあった?」
「中にはミイラしか入っていなかった……装置が完全ではなかったのだろう」

ちなみに古代人とはタバサのことであるが、サーフが蘇らせた際にカプセルの中に同じ遺跡で見つけたミイラを入れて偽装した。
じっくり見れば気づいたかもしれないが、いかんせん大災害までの時間がなさすぎた。
仮に生きていたとしてもテルミが遺跡を破壊することで死んでいただろうとジャックは結論づけていたので、どのみち情報は聞き出せないと思ったのだ。



『これだけでは確実性に欠けていたので、ひと握りのミヤザキ人の遺伝子に細工をした。
それは子孫の代で大災害発生すなわち、一定量の蒼を浴びると発動する。
ある者は救済の予言を叶えるべく同じミヤザキの血を引く者が無意識的に集合し、決闘を行う『最良の九人』を集まりやすくする。
やたら九人以上のグループが生まれているというのは偶然ではなく、惹かれあうように作られているからだ。
ある者は歌唱力に特化し、『歌』に関しても魂を揺さぶり、歌そのものを力にして死者の魂を調律できる存在も年代を重ねれば産まれてくる計算だ。
またある者は頭脳が活性化し、戦争で一度破壊されて土地となった九州ロボを復元し『器』として再生、さらに九州ロボの制御キーである『巫女』艦むすも作成できるようになる……ん?』

記憶映像の中に神々しい光が差し込んでいく。

『神々による世界再生がもうまもなく始まるのか……語り足りないがこれ以上は時間を割けそうにない。
テラカオスに取り込まれた人々の魂を鎮める『歌』の歌詞を君たちにお見せする……魂を揺さぶるので誰が歌っても効果はあり、心を込められるならばミヤザキの血を引いている必要もない。
ただより効果を大きくするためには心を込めて歌うと良いらしいが、死者ではない俺には効果がわからない』

メフィラスはすぐに歌詞のメモを取る。
主催陣営は既に手元にある器とされた九州ロボに加えて、鎮魂歌を手に入れたのだった。

『もう時間が……頼む、フォレスト・セルだけは残らず破壊してくれ!
あれを器として勘違いして使用したが最後、蒼を吸収できるテラカオスがいなくなって世界が破滅する!

最後に一つ、本当に不甲斐ない先祖たちですまない……
俺たちミヤザキやグンマーがもっとしっかりしていれば、テラカオスの研究が進んで大災害に怯える必要のない未来が約束されたかもしれないのに……
殺し合いだってやる必要もなくなったはずだ。
俺にできることは大災害が起きる前に善き人の誰かがこのメモリーチップを拾ってくれることだけだ』

画面の中で後悔に似た苦い顔をするエックス。
残念ながら彼の祈りは通じず、メモリーチップは大災害で世界が破滅を迎える前に発見された。
主催陣営は知らないが、もう一つの古代の記憶を抱えた少女は現代の悪しき科学者によって悪用され、大災害を人災を産みだした。
これを悲劇と呼ばずしてなんと呼ぶか。

記憶を徹底消去する神々の光が拠点に差し込む前にエックスは急いでメモリーチップを引き抜く。

『サイト……こんな結末になってしまって本当にすまない。
俺を作ってくださったライト博士……あなたの遠い子孫たちがどうか幸せに過ごせることを……』

エックスの意味深な呟きと共に、記憶映像はそこで途絶えた。





「なるほど合点がいった。
救済の予言がテラカオスに必要な理由。
沖縄に現れた正体不明の敵。
テラカオスによる救済法がジェダイ以外が知らなかった理由。
ジェダイとミヤザキ・グンマーで予言が共有していなかったわけ。
フォレスト・セルの真の危険性。
祐一郎や拳王連合軍などの不可解な行動の数々……全てが一本に繋がったわけだ」
「いちおう聞くけど偽情報の可能性は?」
「紫さん、チップの風化具合から計算して最低でも数千年以上過ぎています。
悪戯にしてはメリットがないですし、色々手が込みすぎです」
「実際、こうして古代ミヤザキの末裔と思われる祐一郎が復元した九州ロボに乗り、彼の手によって蘇った艦むすである翔鶴も確認できている。
フフーフ、全て、偶然なんかじゃなかったのね」

古代ロボット・エックスの記憶がもたらした情報は、主催陣営が期待していた以上の有益な情報であった。
情報源になると思われたテルミを失った分を余裕で補える程であろう。

「現代にいるロックマン・エグゼと古代のロックマン・エックスが似ているのは、ネットナビの開発者である光祐一郎がエックスを作ったライト博士とやらの先祖を持つからだろうな。
もしくは古代ミヤザキによって遺伝子に大災害に立ち向かえる戦士を作れるように最初からプログラミングされていたのかもしれない」
「ついさっき、ライト博士の血が途絶えたのはエックスにとって悲惨ですがね……
光祐一郎、その息子である熱斗は死亡……幸い祐一郎が作り出したロックマンと艦むすは無事ですが」
「蒼くてイイ男……エックスにはすまないが、世界のために最大限利用させてもらおう」


かくして全ての謎が解けた主催陣営。

「メガへクスとbiim兄貴には後で情報を共有するとして、イチリュウチームにいるアナキンはどうするの?」
「私がスキマを使って回収しようかしら?
テルミが死に予言の謎がわかった以上、会場に留まる必要はないでしょうし」
「いや、アナキンは今、邪竜化したギムレーの中にいて、イチリュウチームは皆が首輪を外している。
無理に回収しようとするとアナキンも君も危険な目に遭うだろう。
彼には回収のチャンスがくるまでイチリュウチームに残ってもらおう。
情報共有はこちらの兵士を名無しの参加者に扮させて、フォースの力で心を読んでもらうこともできるが、現状ではそれ難しそうだからな」

アナキンだけ情報共有が遅れてしまうが、ジャックの判断は正解であったと言えよう。
現在のアナキンがいる浦安市はギムレーの巨体によってドームのようになっており、内部は霧化した萃香によって見張られている。
十中八九、スキマを使って回収しようものならアナキンの正体がバレてイチローたちから総攻撃を受ける可能性も大であった。

「アナキンはテラカオスの有用性はわかっているし、現状では予言に必要な野球チームと不屈の勇者と言っても差し支えないディーヴァの残滓の護衛をしてくれるはずだ。
会場に残すだけでも価値は十分にある」

テルミがまさかの脱落+宮崎の遺跡で予言に纏わる全ての謎が解けてしまったため、アナキンの当初の任務は終わったも同然だが、それでも予言に必要なテラカオス及び勇者、野球チームは主催陣営の戦力では確保困難のため、彼らを守るためにアナキンは会場に残る必要があると判断したのだ。


「それで、予言遂行に必要になる九州ロボ・歌は図らずも確保した。
テラカオス勇者と野球チームの一つはアナキンの傍にある。
残る巫女はエントロピーからして鹿目まどかか、祐一郎が作った翔鶴。
会場には予言を遂行できる材料が揃っているけど、どうする?」
「私なりの考えだが、このあと我々は都庁軍を攻撃し、フォレスト・セルを撃滅しようと思う」

参謀であるジャックの示した、次なる行動はフォレスト・セルの破壊であった。
セルの強さを知っている残りの三人に戸惑いの顔が出る。

「フォレスト・セルを、ですか?」
「そうだメフィラス。
あれは予言の器に見せかけた破滅製造機。
消去法で器が九州ロボ以外なりえないとわかった以上、破壊する必要がある。
地上汚染の浄化? その程度の技術はフォレスト・セルに頼らずとも今の技術力ならば不可能ではない。
今は亡きビアン総帥も殺し合いの後でボロボロになった日本を再生できるマシンの設計図やプランぐらいは遺しているしな」

エックスもまたフォレスト・セルは必ず破壊しろと伝えていた。
世界を救うために他に方法が存在しないというのにテラカオスを生み出す手段を潰していく存在は、ジャックたちには驚異以外の何者でもなく、エックスの言葉によりそれは確信に変わっていた。

「しかし、セルを含めた都庁の戦力はかなりのものよ。
疲弊はしているようだけど風前の灯に近いほど強くなっている印象だわ。
主催陣営の全戦力を投入しても勝てる見込みは薄く、良くて相討ちがいいところね」
「それはわかっているが、やらねばテラカオスだけでなく野球チームや狂信者を殺していく。
野球チームが試合を終えるまで必要なのは言わずもがな。
イチリュウチームにはアナキンとテラカオス、拳王連合軍には巫女がいる以上、今消えてもらうと困る。
狂信者は殺し合いが終わった後の世界を考えると消えてもらった方が都合がいいが、たくさん死なれると経験値やら栄養を吸収してフォレスト・セルが余計に手をつけられなくなる」
「早急に手を打たなければならない……そういうことね」

このままでは甚大な被害を及ぼすことは紫を初め理解はしているものの、時間が経てば経つほどセルは力を増していくのだ。
モタモタしていれば主催だけでなく参加者も詰む。

「ま、待ってくださいジャック。
これまで盗聴した内容や、ナノマシンのIDが生きていることを見る限り都庁は影薄組や聖帝軍をも取り込み、機械であるフェイ・イェンすら仲間にしていたとされています。
古代グンマー過激派ほど野蛮な連中ではなく、話のわかる人々なのではないでしょうか?
セルの制御もできているようですし、話し合いで使用中止・封印してもらうのはどうでしょうか?」
「メフィラス……それはダメだ」
「なぜ?!」

メフィラスの提案は誰も犠牲にしない対話での解決。
だがジャックはそれを一蹴した。

「都庁は祐一郎や拳王連合軍ほどではないが、比較的早い段階で首輪を外し、内部事情がほとんどわからない。
人間や機械を味方につけたのも来るべき他勢力との戦争に勝つためにやむを得ず受け入れ……拡大解釈すれば洗脳した可能性だってある。
せいぜい何度も接触したテラカオスを危険だと思っているぐらいしか、我々にはわからないのだよ。
フォレスト・セルが大人しく見えるのも巫女たるまどかによって制御できているだけで、彼女が死亡した瞬間コントロールを失って再暴走する可能性だってある」

都庁の軍勢は早い段階から首輪による盗聴の危険に気づいて筆談をしたり、狸組のブリーフ博士の手助けによって首輪の解除も可能にした。
……そのせいでナノマシンの識別信号から読み取れる生死や居場所以外の情報が入ってこず、主催陣営さえよくわかっていない部分が多いのだ。

「だが盗聴できた内容だけでも自然第一主義だが決して頭の硬い連中ではなく破滅を望む悪党ではないのも読み取れる」
「ならば!」
「都庁の軍勢が戦力的な事情で影薄組や聖帝軍を味方につけたのではなく、友愛の心を持って仲間にしており機械の参加者すら受け入れた、かつ平和を願う存在だと過程しよう。
だがテラカオス・ディーヴァの前進たる風鳴翼やテラカオスになりかけていたきらり、魔獣化したユーノの襲撃を受けてなお、テラカオスが危険じゃないと思い込めるか?」
「そ、それは……」
「覚醒したが最後各地で暴虐の限りを尽くすテラカオス、その恐怖がわかるならば消し去ろうとするハズだ。
まさかそんなテラカオスが世界を救う鍵になろうなど事前情報なしでは想像できるはずがない。
都庁の軍勢が今の我々のように予言の謎を解き明かしたと思えぬし、二度目の大災害が来るとはわかっても蒼の存在はわからないはずだ。
彼らは善意を持ってテラカオスを否定し、この世界のテラカオスをセルの力で消しさらんとするだろう。
もちろんそんなことをすればテラカオス以外は対処できない大災害で世界は滅び、その前に沖縄に居座っている黒き獣により日本は全滅するがな」

まさかテラカオスがこの世界で唯一蒼を吸収できる性質を持っているなど知らないだろう。
浴びすぎれば死ぬ蒼の危険性や存在など知識なしでわかるはずがない。
予言の謎を考察することはできても、答え合わせをする存在がいないので明確な答えなどわからない。
「普通」はそうなのだ。
『普通』は彼らが重要な情報を握っていないと予測できるのだ。


「だが我々にとって善悪がどうのは関係ない。
世界をテラカオスの手で大災害から守り存続させることのみ。
計画の邪魔をするものはすべからく敵だ」
「残念ですが……一理あります」
「都庁の殲滅まではしないまでも、フォレスト・セルだけは破壊する。皆良いな?」

ジャックの言葉にココと紫は無言で頷き、紳士的な対応を望むメフィラスは納得はしていないまでも仕方ないと最終的に首を縦に振った。

「とはいえさっきも言ったけど、全戦力を投入しても被害は避けられない。
最悪、九州ロボが破壊されることになるわ」
「そうなれば世界は終わりだからな。
九州ロボは戦線に出さないか安全に攻撃できる地点に配置しよう」
「不安要素が大きいですがこの際、イチリュウチームや拳王連合軍、最悪狂信者とも一時的に手を組むのはいかがでしょうか?
イチリュウチームならアナキンの手助けやテラカオスの確保、拳王連合軍なら巫女の確保もできるようになります」
「伊豆諸島にいるヤンとメディアからも知恵を借りたいところで、後でスキマを使って相談しに行きましょうかしら?」


次なる行動として都庁襲撃もといフォレスト・セル殲滅を選択した四人はさっそく作戦会議に入る。

しかし、彼らは知らない。
都庁同盟軍は幸運によって既に真実にたどり着き、大いなる神の手助けもあって答えを見つけていたことに。
確かに破滅を呼ぶ存在であったフォレスト・セルが巫女の尽力によりグンマー過激派の呪縛から解放され、同盟軍は彼らが仕掛けた罠に気づいたことに。
そして今回の大災害は天災ではなく、ある男の野望によって引き起こされた人災であることに。


赤裸々になった真実が人を良き方向に導くとは限らない。
過去の真実と現在の真実はイコールになるとは限らない。
真実とは生き物のように流動することもあるのだから。



二日目・19時30分/東京の上空 九州ロボ】

【共通】
※予言の真実や古代に起きた出来事を知りました
※予言に必要な鎮魂歌を得ました
 九州ロボがミヤザキ産の器足り得る巨像であると知りました
 手元にはありませんが勇者が『ツバサ』、巫女が翔鶴とまどか、最良の九人が野球チームだと確信しました
※都庁同盟軍が予言や蒼、フォレスト・セルの罠について知ったことに気づいていません
※カオスロワちゃんねる管理人の存在にも気づいておらず、自分たちの手で掲示板を支配していると思い込んでいます

※光家がライト博士@ロックマンシリーズの子孫であることが判明しました
 エックスなど古代ミヤザキにはロックマンがいたようです(もちろん独自設定)



【ジャック・O@ARMORED CORE LAST RAVEN】
【状態】リンクスに改造
【装備】フォックスアイ(ネクストに魔改造)@ARMORED CORE、拳銃
【道具】ヒトマキナ・MS・TIEファイター×100、オーバードウェポン一式、古代のメモリーチップ
【思考】基本:世界滅亡を阻止するためにテラカオスを成長させ完成に導く計画を遂行する
0:都庁にいるフォレスト・セルを撃滅する作戦を立てる
1:計画のために殺し合いを促進させ、計画の邪魔をするものは抹殺する
2:四条化細胞に多大なる期待
3:アナキンの回収は後回し、後で何らかの方法での情報共有を行いたい
4:フォレスト・セルの撃滅が終わったら残滓(ツバサ)と翔鶴も回収したい
  鎮魂歌に最適な歌い手も見つけたい


【ココ・ヘクマティアル@ヨルムンガンド】
【状態】健康、九州ロボのファクター、ショタコン
【装備】九州ロボ、ライトセーバー@STAR WARS、拳銃
【道具】商品(兵器)、、ダークスパーク@ウルトラマンギン、スパークドールズ(ダークザギ)、スパークドールズ(八坂真尋)、モブ兵士×950、
     主催倉庫から持ち出した無数の支給品、力を失ったドラゴンボール
【思考】基本:ヨナ達を奪った大災害を防ぐべくテラカオスを成長させ完成に導く計画を遂行する
0:都庁にいるフォレスト・セルを撃滅する作戦を立てる
1:計画のために殺し合いを促進させ、計画の邪魔をするものは撃つ
2:不足の事態に備えて予備のテラカオスを作り出すことも念頭に入れる
3:真尋キュンprpr(死んだニャル子の分も愛でてあげる)
4:アナキンは大丈夫かしら?
※スパークドールズ化した八坂真尋を戻すには、ダークスパークもしくはギンガスパークが必要です


【メフィラス星人@ウルトラマン】
【状態】健康、やや動揺
【装備】なし
【道具】支給品一式、タイム風呂敷、ビックライト
【思考】
基本:アナキン達に従い、世界滅亡を防ぐ
0:気は進まないが都庁にいるフォレスト・セルを撃滅する作戦を立てる
1:尊い地球人が死ぬのは不本意だが、全滅回避のために多少の犠牲は止むなしと考えている
2:なるべく暴力は使いたくない
3:ニャル子さん……可哀想に
4:ところで遺跡の前のバサルモスの死体は結局なんだったのでしょう?
※ラッキョウはしれっとオヤツに食べました


【八雲紫@東方Project】
【状態】健康
【装備】傘、扇子、スペルカード@東方Project
【道具】ソロモンの指輪、仙豆×55@ドラゴンボール、ネビュラスチームガン@仮面ライダービルド、ギアエンジン@仮面ライダービルド
【思考】基本:幻想郷を守る為に主催を手伝う。
0:都庁にいるフォレスト・セルを撃滅する作戦を立てる
1:0のためにヤンとメディアにも知恵を借りる
2:どのような事をしても幻想郷を守る
3:後で仕事が終わったメガへクスやbiim兄貴にも情報共有を行う
※境界を操る能力に制限がかかっています


【メガヘクス@仮面ライダー×仮面ライダー ドライブ&鎧武 MOVIE大戦フルスロットル】
【状態】健康
【装備】太極図@封神演義、ライドブッカー@仮面ライダーディケイド
【道具】支給品一式、ネクロノミコン@クトゥルフ神話 、その他不明
【思考】基本:契約の為に主催の命令に従う
0:九州ロボを修復改造する
1:世界を滅ぼされたら敵わないので契約続行
※エックスのメモリーチップに関する情報共有がまだできていません


【biim兄貴@現実?】
【状態】健康、完全体バグスター、魂魄妖夢にそのまんまの容姿。
【装備】ゲーマードライバー@仮面ライダーエグゼイド、ガシャットギアデュアル@仮面ライダーエグゼイド
【道具】支給品一式、ガシャコンパラブレイガン@仮面ライダーエグゼイド、エナジーアイテム各種@仮面ライダーエグゼイド、じゅうべえくえすと
【思考】基本:RTA走者として誰よりも早く任務をこなす。
0:みなさまのためにぃ、こんな動画を用意しました。
1:モブ兵士を全員強化(RTA走者にする)
2:再走は面倒なので主催陣営は裏切りません
※人の遺伝子があるためライダーの変身可能です
※エックスのメモリーチップに関する情報共有がまだできていません
最終更新:2018年09月10日 18:17