timers -TIME IS ……-
たすけてください。(10:04)
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元々酔っていた私は、あっさりと記憶を失っていたらしい。そして目覚めたらここにいたのだ。
窓も無い。ドアは一個。部屋の真ん中にベッドがひとつ。そして、真っ白い部屋とは対照的に、真っ黒の携帯電話がひとつ。
窓も無い。ドアは一個。部屋の真ん中にベッドがひとつ。そして、真っ白い部屋とは対照的に、真っ黒の携帯電話がひとつ。
私は、ドアに近づいた。軽くノックをする。返事は無い。
「──誰か。誰か!」
声をかける。すると、足音らしき物音が聞こえた。
「──誰か。誰か!」
声をかける。すると、足音らしき物音が聞こえた。
「ねぇ、誰か! そこにいるんでしょ!? ここを開けて頂戴!」
直後、携帯電話が鳴った。床に落ちている、真っ黒の携帯電話。それから聞こえる電子音は、死神の呼び声に聞こえた。
恐る恐る通話ボタンを押す。
恐る恐る通話ボタンを押す。
「……もしもし」
「おはようございます」
「──貴方、時雨さんね」
「覚えておられましたか。そこは、私がご用意した特別な部屋でございます」
「おはようございます」
「──貴方、時雨さんね」
「覚えておられましたか。そこは、私がご用意した特別な部屋でございます」
特別な部屋? この部屋が?
こんな、窓もない、まるで監獄のような部屋が?
こんな、窓もない、まるで監獄のような部屋が?
「……どういうつもり」
「第一問」
「第一問」
彼女は、私の言葉を無視し、そう言った。
「……は?」
「聞こえなかったですか。第一問、と言ったのです」
「こんな時にクイズ? ふざけんじゃないわよ!」
「そこから出たくなければ、別に構いませんが」
「……クイズに答えたら、ここから出してくれるの?」
「はい。ただし、間違えるとペナルティを与えますが」
「聞こえなかったですか。第一問、と言ったのです」
「こんな時にクイズ? ふざけんじゃないわよ!」
「そこから出たくなければ、別に構いませんが」
「……クイズに答えたら、ここから出してくれるの?」
「はい。ただし、間違えるとペナルティを与えますが」
ここに閉じ込められてなおかつペナルティを与えるとは、何様のつもりなのだろうか。
しかし、正直この部屋からは出たい。たとえそれがどんな馬鹿げた条件であろうとも。
しかし、正直この部屋からは出たい。たとえそれがどんな馬鹿げた条件であろうとも。
「──いいわ。のったわよ。答えてあげるわ」
「よかった。それでは、第一問」
「よかった。それでは、第一問」
私は、息を飲んだ。
「簡単な問題です。円周率を、30桁まで挙げて下さい」
電話は、向こうから切られた。