timers -TIME IS ……-
『失踪』
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匿名ユーザー
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「痛たたたぁ……。あれ……ここ、どこ……?」
頭を右手で押さえながら、彼女はそう呟いた。
頭を右手で押さえながら、彼女はそう呟いた。
【村田めぐみ】
【02:17:30】
【雫ヶ原/廃団地前】
【02:17:30】
【雫ヶ原/廃団地前】
ポケットに入れていた無線機は、雑音しか拾わなかった。
ロケバスにいるはずのスタッフとの連絡手段を失っためぐみは、とりあえず目の前の建物に入る。
ロケバスにいるはずのスタッフとの連絡手段を失っためぐみは、とりあえず目の前の建物に入る。
突如姿を消した美浜奈保子を探す為に森の中を歩いたはいいが、ぬかるみに足を取られて坂から滑り落ちたとは不覚だった。
幸い、掠り傷程度ですんだが、しかし場所がわからなくなってしまった。
「──大体、小さな村の怪しい宗教なんて数字取れないと思うんだけどな」
誰にともなく悪態づくと、折り畳んでいた資料を広げた。
幸い、掠り傷程度ですんだが、しかし場所がわからなくなってしまった。
「──大体、小さな村の怪しい宗教なんて数字取れないと思うんだけどな」
誰にともなく悪態づくと、折り畳んでいた資料を広げた。
『ダークネスJAPAN』
資料には大きくそう書かれてある。
「ああ、もう!」
めぐみはそれをぐしゃぐしゃに丸めてしまうと、壁に向かって投げ付けた。
「もともと嫌だったのよこんな番組!」
頭を抱えて階段に座り込むと、上の方からドアの開く音がした。
慌てて口元を押さえたが……待てよ、と思う。
資料には大きくそう書かれてある。
「ああ、もう!」
めぐみはそれをぐしゃぐしゃに丸めてしまうと、壁に向かって投げ付けた。
「もともと嫌だったのよこんな番組!」
頭を抱えて階段に座り込むと、上の方からドアの開く音がした。
慌てて口元を押さえたが……待てよ、と思う。
ここは、誰がどう見ても、朽ち果てた団地だ。
人がいるとは……思えなかった。
人がいるとは……思えなかった。
ゆっくりと腰を浮かせると、一目散に駆け出した。